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HSPの方が仕事をしたくないと感じる原因と対処法について

更新日:2024年04月15日

HSPとは、Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)の略で、生まれつき感受性が非常に強く、感覚が敏感で刺激を受けやすい特性を持っている人のことです。HSPの方の中には、ストレスやプレッシャーを感じやすく仕事をしたくないと感じている人が少なくありません。本記事では、HSPの方がなぜ仕事をしたくないと感じるのかについて、その原因と対処法について詳しく解説します。
 

HSPの方が仕事をしたくないと感じる理由

HSPの方には、頭文字を取って「DOES(ダズ)」と呼ばれる4つの特徴的な性質があります。

・Depth of Processing/処理の深さ

・Overstimulation/過剰刺激

・Emotional response and empathy/感情的な反応と共感

・Sensitivity to Subtleties/微妙なことへの敏感さ

 

これらの性質によって、HSPの方は職場で仕事をしたくないと感じるケースがあります。具体的な事例について紹介します。

 

人よりも感受性・共感性が強く、疲れやすい

HSPの方は、HSPではない方と比べると感受性や共感性が強い特徴があります。そのため、職場でたくさんの人と関わると、刺激を多く受けて疲れてしまうことがあります。

 

周囲の人の感情を読み取って、自分を合わせてしまうのもHSPの方の特徴です。職場では人間関係に必要以上に気を使って、上司や同僚の目が気になってしまうことがあります。例えば上司の機嫌が良くない時には、自分に何か問題があったのではないかと考えて不安になるのです。

また、共感性が強いため、他の人が怒られていると自分も怒られたような気分になり、落ち込んでしまうこともあります。

 

責任の重さやプレッシャーに弱い

HSPの方は責任感が強い反面、プレッシャーに弱い傾向があります。責任の重い仕事を任されたり周りから期待されると、頭の中は「失敗したらどうしよう」といった不安や心配でいっぱいになってしまいます。

そのため「ノルマがあると逃げ出したくなる」「必要以上に深く考えてしまい仕事が進まない」「焦れば焦るほど空回りしてミスが多くなる」といったことになりがちです。

 

マルチタスクが苦手

HSPの方は、物事を深く考えて1つ1つの仕事を丁寧に進める傾向があるためスピードを重視される仕事は苦手です。また、周囲のあらゆる刺激に敏感で、他の人は気づかないような些細なことも気になってしまうため、マルチタスクのようないくつもの仕事を同時進行すると、情報処理が落ち着かなくなって混乱してしまうことがあるでしょう。

 

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HSPの方によくある仕事中の悩み

HSPの方が仕事中に感じる悩みについて、具体的な例をあげると次のようなものがあります。

 

周囲の目や、他人の顔色を常にうかがってしまう

HSPの方は、その場の雰囲気や人の雰囲気など空気を深く読みがちです。そのため、常に自分に対する周囲の目を気にしたり、他の人の顔色をうかがってしまい疲れてしまいます。

 

多くの人と関わると気疲れする

HSPの方は、感受性が強いため多くの人と関わると刺激が多くて疲れてしまいます。また、自分の気持ちよりも相手の気持ちを優先してしまうため、気を使い過ぎて疲れてしまいがちです。

機嫌の良し悪しが態度に出る人が近くにいると気になってしまう

HSPの方は、他の人の表情や言葉、行動などを敏感に察知してしまう特徴があります。そのため機嫌が悪い人が近くにいると、自分のせいではないかと考えて不安になります。また、共感性が強いため、不機嫌な人がいると自分もイライラしてきます。

電話の音や、光、人混み、声など外部の刺激を受けやすい

HSPの方は、外部からの全ての刺激に対して過剰に反応してしまいます。例えば電話の音や周囲の人の会話、職場の照明、通勤中の人混みなどがあげられます。特に環境の変化には敏感で、HSPではない人が気づかないような些細な変化にも気づきます。

 

言いたいことがなかなか言えずにストレスをためてしまう

相手の気持ちを先読みしてしまうHSPの方は、「自分の意見を言って、相手を嫌な気分にさせてしまうのではないか」「本音を言うことで面倒を起こしたくない」というように考えてしまい、言いたいことがなかなか言えません。本音を言うのを我慢することでストレスをため込んでしまいます。

 

些細なミスでも引きずってしまい、失敗が怖い 

繊細な気質を持つHSPの方は、些細なミスでも激しく動揺して引きずってしまいます。真面目で完璧主義、そして責任感が強いため失敗を恐れ、さらに失敗を重ねてしまうこともあります。

HSPの方が「仕事がしたくない」と感じたときの対処法

これまで紹介してきた通り、繊細な性格のHSPの方は、職場や仕事に対してさまざまな悩みを抱えています。その悩みが大きくなった時には「仕事をしたくない」と感じることもあるでしょう。そんな時の対処法を紹介します。

 

嫌なことやストレスを「言語化」する

何が原因で「仕事をしたくない」と感じているのか、原因となっている嫌なことやストレスを整理してみましょう。

 

頭の中で考えていても、まとまらない方もいるかと思います。どんなことが自分にとって嫌でストレスを感じているのか、具体的に言語化して紙に書き出してみましょう。原因が明確になることで、今後の対応策を見つけやすくなります。

 

どうしてもつらい場合はしっかりと休む

HSPは、生まれつき持っている気質であり、病気や障害ではありません。しかし、HSPの方は職場の環境や人間関係によってストレスや疲労を感じやすく、ストレスを抱え込み続けると、うつ病になる可能性があるので注意が必要です。

 

HSPの方は、自分より周囲の人のことを優先して考えてしまう傾向がありますが、仕事がつらいと思った時には、有給休暇や休職の制度を利用してしっかりと休むことが大切です。

 

職場環境を良くする

HSPの方は、周囲の刺激に過剰に反応してしまいストレスとなります。光にはサングラス、音には耳栓やイヤーマフなど、物理的に刺激を避けられる場合には使用してみましょう。また、刺激を受けやすい人やつらいと感じることからは、なるべく距離を取るようにしましょう。仕事がつらいと感じたら、こまめに休憩を取ることも大切です。

HSPの方が仕事を長く続ける方法

HSPの方は、その特性のため仕事が長続きしないと言われることがあります。どのような工夫をすれば、長く仕事を続けることが出来るのでしょうか。

 

自分の特性を理解し、自分に合う職場や仕事を見つける

HSPとひと言でいっても、人によって持っている特性は異なります。前述の通り、まずは自分の特性を理解することが重要です。自己分析を行って、自分がどんなことが苦手でストレスを感じやすいかや、得意なことは何かなど書き出してみましょう。

 

自己分析を行うことで、次のようなことが発見できる可能性があります。

・自分のやりたいことが見つかる

・自分が苦手なこと、向いていないことが見つかる

・ストレスや不安を感じる原因がわかる

・自分の強みに気づける

 

現在の職場の環境では、自分の特性を活かすことが難しいようであれば、環境を変えてもらえるよう上司に相談してみましょう。それでも改善が難しいようであれば、自分にあった職場や仕事に転職する方法もあります。

 

責任を負いすぎず、無理をしない

HSPの方は責任感が強い一方で、プレッシャーに弱い傾向があるため、責任を負い過ぎず無理をしないことが大切です。自己否定が強い特性もあるため、小さなミスでも自身を強く責めてしまう傾向があります。無理なくできる仕事をすることで、自信につながります。成果より仕事のやりがいを大切にするのもHSPの方が長く仕事を続けるコツです。

自分に合った仕事が見つけられない時

HSPの方が仕事を長く続けるためには、自分に合った仕事や職場を選ぶことが大切です。そのためには、まずは自己分析を行って、自分の特性や強み弱みなどを理解することが重要です。

 

自己分析を行っても自分に合った仕事が見つからない時には、転職エージェントなどを活用して専門家に相談する方法もあります。
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まとめ

HSPの方が仕事をしたくないと感じる理由やHSPの方によくある仕事の悩み、「仕事がしたくない」と感じたときの対処法について解説しました。大切なのは自分の特性を理解して、自分が働きやすい環境や自分が得意な仕事、苦手な仕事を把握することです。

 

自分に合った職場や仕事が見つけられたら、やりがいを持って仕事を続けることができるでしょう。自己分析を行っても、自分に合った仕事がわからない時には、転職の専門家に相談してみましょう。

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ライター:atGPLABO編集部(監修:戸田重央)

障害者専門の人材紹介として15年以上の経験とノウハウを活かし、障害者の雇用、就労をテーマとした情報発信活動を推進しています。 【監修者:戸田 重央プロフィール】 株式会社ゼネラルパートナーズ 障がい者総合研究所所長。 企業の障害者雇用コンサルタント業務に携わった後、2015年より聴覚障害専門の就労移行支援事業所「いそひと」を開所、初代施設長に。 2018年より障がい者総合研究所所長に就任。新しい障害者雇用・就労の在り方について実践的な研究や情報発信に努めている。 その知見が認められ、国会の参考人招致、新聞へのコメント、最近ではNHKでオリパラ調査で取材を受ける。 聴覚障害関連で雑誌への寄稿、講演会への登壇も多数。

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