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就労継続支援B型とは?A型との違いや仕事内容・工賃について解説

更新日:2022年10月27日

しっかり解説!就労継続支援B型ってどんなところ?

就労継続支援B型という福祉サービスがあるのをご存知でしょうか? この就労継続支援B型の福祉サービスの内容を簡単に解説すると、障害や難病のため、一般企業で働くことが困難な方へ、適切なサポートを行いながら軽作業を中心とした働く場を提供するというものです。 ここでは、就労継続支援B型の内容について詳しく解説していきます。
 

就労継続支援B型とは

就労継続支援とは、障害者総合支援法に基づいた障害福祉サービスにおける福祉的就労(※)のうちのひとつです。就労継続支援には「A型」と「B型」の二種類があります。

 

※福祉的就労とは、就労支援施設などで障害福祉サービスを受けながら働くことを指します。

 

就労継続支援B型は、一般企業などで雇用契約を結んで働くことが難しい方に対して、就労の機会や生産活動の場を提供するサービスです。働くために必要な知識やスキルを身につけられるよう訓練をしたり、支援を受けたりすることができます。

 

就労継続支援B型事業所では「生産活動」をおこない、その対価として「工賃」を受け取ることができます。生産活動の内容は事業所によって異なりますが、農作業や部品加工などの軽作業が多く、同じ就労継続支援でもA型と比べてより細分化された作業をおこなう場合が多いです。

就労継続支援A型とB型の違いは?

就労継続支援A型とは、一般企業などで働くことが困難であるものの、一定の支援があれば雇用契約に基づいて働ける方を対象にしたサービスです。就労継続支援B型と同様に、障害者総合支援法に基づいた障害福祉サービスにおける福祉的就労です。

 

働くために必要なスキルを身につけたり、支援を受けたりできる点は就労継続支援B型と同じですが、大きな違いは「雇用契約を結ぶかどうか」という点です。就労継続支援A型の場合は事業所と雇用契約を結ぶため、最低賃金が保障されています。

 

就労継続支援B型は、障害福祉サービス受給者証が支給されており、希望する事業所に空きがあれば利用することができます。一方で、就労継続支援A型を利用するためには、上記に加えて書類選考や面接もあります。対象年齢は原則18歳以上65歳未満です。

就労継続支援B型の仕事内容とは?

就労継続支援B型事業所では、以下のような軽作業を中心とした仕事を行います:

・農作業

・部品の加工

・手工芸(製品への刺繍など)

・お菓子作り(パン・クッキーなど)

・飲食店での調理

・クリーニング作業

・WEBサイト制作

 

※作業内容は事業所ごとに異なります。自分に向いている作業ができる事業所を探すことが重要です。

就労継続支援B型の平均工賃・報酬単価っていくらくらい?

就労継続支援B型では雇用契約を結ばないため、賃金ではなく「工賃」という対価が支払われます。

この工賃は最低賃金を保障しなければならない決まりはないため、ほとんどの事業所では最低賃金以下の報酬が支払われます。

 

厚生労働省の調査では月額の平均工賃は月額17,031円、時間に直すと243円となります。

各自治体で工賃を上げるための取り組みはおこなわれており、工賃は上昇傾向にあります。

 

ただし工賃の月額平均額は事業所ごとに格差が大きいという課題もあり、2018年の調査データでは、上位25%の事業所では28,377円に対し、下位25%の事業所では6,328円と、約4.5倍の差があることが分かりました。

 

もちろん、事業所の選定基準は工賃だけでなく、支援内容も重要ですが、この背景を加味して利用する事業所を選定しましょう。

就労継続支援B型の対象者ってどんな人?年齢制限はあるの?

就労継続支援B型の福祉サービスを受けることができる人は、以下の条件のいずれかに当てはまる必要があります。

1.就労経験がある者であって、年齢や体力の面で一般企業に雇用されることが困難となった者

2.50歳に達している者または障害基礎年金一級受給者

3.1及び2に該当しない者で、就労移行支援事業者等によるアセスメントにより、就労面に関わる課題等の把握が行われている者

(https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000091254.pd)

 

この三点から分かるように、就労継続支援B型の福祉サービスを受けるためには必ずしも障害者手帳を持っている必要はありません。

また、利用者の年齢の上限もないため、高齢者であっても利用が可能です。

しかし、就労経験がある、または就労移行支援事業所を利用したときに就労に関する課題などが把握されている必要があります。

なので、原則、特別支援学校などを卒業後すぐに就労継続支援B型事業所で働くことはできません。

 

就労継続支援B型の福祉サービスを受けるためには、以上の条件を満たしている必要があるため、一度お住いの市区町村の福祉窓口に相談してみることをお勧めします。

就労継続支援B型の利用方法・利用料金について

利用料金は世帯収入により以下のように設定されています:

 

区分 世帯の課税状況 負担上限月額
生活保護 生活保護受給世帯 0円
低所得 市町村民税非課税世帯 0円
一般1 市町村民税課税世帯(所得割16万円未満) 9,300円
一般2 市町村民税課税世帯(所得割16万円以上) 37,200円

 

※世帯収入の考え方:

・18歳以上の障害者:障害のある方とその配偶者の合計所得

・18歳未満の障害者:障害のある方とその両親の合計所得

就労継続支援B型の事業所を選ぶポイント

就労継続支援B型事業所を選ぶ際の重要なポイントは以下の通りです:

 

①作業内容

・自分に合った作業内容か

・無理なく続けることができそうか

・見学や体験利用の機会があるか

 

②事業所の支援方針や雰囲気

・スキルアップ重視か、継続性重視か

・サポート体制の充実度

・事業所の雰囲気や他の利用者との相性

 

③働き方や工賃

・工賃の金額

・勤務時間や通所日数の柔軟性

・経済的支援の併用可能性

 

④アクセス

・通所のしやすさ

・交通費の負担

・自治体による交通費助成の有無

就労継続支援B型のメリット・デメリットについて

就労継続支援B型のメリット

就労継続支援B型のサービスを受けながら事業所で働くことの一番のメリットは、自分の体調や体力に合わせたペースで働くことができるという点です。

事業所によっては一日一時間や、週に一日だけの利用が可能な場合もあるため、短時間であっても生産活動に携わりたい人や、社会参加を行いたい人にも向いています。

 

また、以前に一般企業で働いた経験があっても現在は働いておらず、将来もう一度一般企業での就労や、就労継続支援A型事業所での雇用型勤務を希望している場合に、そのための訓練も兼ねて就労継続支援B型事業所を利用することも可能です。

 

就労継続支援B型事業所の利用には、利用期間や利用者の年齢制限がない点もメリットであるといえます。

 

就労継続支援B型のデメリット

デメリットは工賃の安さです。前述したように就労継続支援B型事業所で得ることができる工賃の平均額は15,603円となっており、決して高額であるとは言えません。

しかし、体調や能力の向上により利用時間を増やしたり、作業効率を挙げることによりこれ以上の工賃を得ることも不可能ではありません。

また、工賃も各事業所や作業内容によって異なるので、そのような作業内容などの違いによってはさらに高額の工賃を得ることができる可能性もあります。

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まとめ

ここまで、就労継続支援B型とはどのような法律に基づく福祉サービスなのか、どのような人が利用できるのか、仕事内容や平均工賃、サービス利用までの流れなどについて解説してきました。

就労継続支援B型の概要についてお判りいただけたことと思います。

 

就労継続支援B型は雇用契約を結ぶことなく、自分の体調や体力に合わせて利用できるため、障害者や難病を持つ人、高齢者などの中でも生産活動や社会参加を行うことができるサービスです。

 

就労継続支援B型ごとにさまざまな作業を行い工賃を得ることができるため、事前に事業所のサービスや作業の内容をよく調べてから、利用する就労継続支援B型事業所を選ぶようにしましょう。

atGPエージェント

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ライター:atGPLABO編集部(監修:戸田重央)

障害者専門の人材紹介として15年以上の経験とノウハウを活かし、障害者の雇用、就労をテーマとした情報発信活動を推進しています。 【監修者:戸田 重央プロフィール】 株式会社ゼネラルパートナーズ 障がい者総合研究所所長。 企業の障害者雇用コンサルタント業務に携わった後、2015年より聴覚障害専門の就労移行支援事業所「いそひと」を開所、初代施設長に。 2018年より障がい者総合研究所所長に就任。新しい障害者雇用・就労の在り方について実践的な研究や情報発信に努めている。 その知見が認められ、国会の参考人招致、新聞へのコメント、最近ではNHKでオリパラ調査で取材を受ける。 聴覚障害関連で雑誌への寄稿、講演会への登壇も多数。

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