就労移行支援事業所の選び方!6つのポイントと探し方をご紹介
更新日:2025年01月28日
就労移行支援事業所は、一般企業での就労を希望する障害のある人や難病の人へ、働くための訓練や知識の習得を支援する通所型の福祉サービスです。就労移行支援事業所は、全国に約3,300ヶ所あり、約31,000人が利用しています。就労移行支援事業所のプログラムや実習の内容は事業所ごとに異なるので、自分に合った事業所を選ぶことが重要になります。
目次
就労移行支援とは
就労移行支援は、障害者総合支援法に基づく福祉サービスです。企業などへの就職を希望している障害者が利用することで、企業で働くために必要な知識や能力を身につけることができます。
就労移行支援サービスの利用には、以下の3つの条件を満たす必要があります。
1.原則18歳以上65歳未満の人
2.身体障害、知的障害、精神障害、発達障害、難病などがあること
3.企業などでの就労を希望していること
上記3つを簡単にまとめると、障害があり一般企業への就職を目指す方が対象となります。
では、就労移行支援事業所の探し方と選び方についてポイントを説明します。
就労移行支援事業所を探す前に知っておきたいこと
就労移行支援を利用できる期間は、数か月から最長で2年間です。
多くの就労移行支援事業所では、見学や体験利用ができるので、実際に行って事業所の広さやバリアフリーの状況、利用している人たちの障害の種別、性別、年齢など雰囲気を確かめてみましょう。
体験利用は、何か所でも出来るので比較して自分に合った事業所を選ぶことができます。
また、就労移行支援事業所は、通所型のサービスで利用期間中は自宅から通い続ける必要があります。無理せず通える距離にある事業所を選ぶことも大切です。
就労移行支援事業所を選ぶ6つのポイント
就労移行支援事業所を選ぶポイントを6つ紹介します。参考にしてみてください。
①自分の障害の種別が事業所の対象になっているか
②訓練やカリキュラムは自分に必要な内容か
③希望する業種や職種への就職実績や就職支援メニューが用意されているか
④事業所や他の通所者の雰囲気は自分に合いそうか
⑤就職サポートの内容と質はどうか
⑥通い続けるために距離とアクセスの良さをチェック
①自分の障害の種別が事業所の対象になっているか
就労移行支援事業所は、事業所によって対応する障害種別が異なるケースがあります。
全ての障害に対応している就労移行支援事業所もありますが、就労移行支援事業所を選ぶ際はご自身の障害種別が対象になっているかをご確認ください。
②訓練やカリキュラムは自分に必要な内容か
訓練やカリキュラムの内容が自分が求めるものと一致しているのか確認しましょう。
③希望する業種や職種への就職実績や就職支援メニューが用意されているか
就労移行支援事業所から就職した人数や就職先の業種、職種は、多くの場合では就労移行支援事業所でホームページやパンフレットに就職実績として掲載されています。
開所まもない事業所では実績を公開していないところもありますが、その場合は見学や体験会の際に聞いてみましょう。
④事業所や他の通所者の雰囲気は自分に合いそうか
見学会や体験会に行った際には、事業所の広さやバリアフリーの状況など施設を確認したり、通所している人の障害の種別、性別、年齢など、事業所の雰囲気が自分に合うかどうか確認しましょう。
⑤就職サポートの内容と質はどうか
就労移行支援事業所では、一般的に「個別支援計画」を立てて「職業訓練」「適性に合った職場探し」「職場定着支援」の3つのステップにより企業への就職と定着を支援します。
それらの具体的な就職支援メニューの内容や、どのような企業に就職したのか、就職した人が長く働き続けているかも聞いてみましょう。
就労移行支援事業所の雰囲気は事業所のスタッフによって大きく変わります。
スタッフの言葉遣いや通所者への接し方、職業指導員のキャリアや経験年数なども確認しましょう。
⑥通い続けるために距離とアクセスの良さをチェック
就労移行支援事業所は、通所型の福祉サービスで自宅から通うことが必要となります。
交通手段や距離、所要時間など、無理をせずに通うことができる就労移行支援事業所を選ぶことが大切です。
就労移行支援事業所を探す3つの方法
就労移行支援事業所を探すには、主に次の3つの方法があります。
1.就労移行支援事業所の検索サイト
2.市区町村への相談
3.専門機関への相談
1.就労移行支援事業所の検索サイト
就労移行支援事業所を検索できるWEBサイトがあります。
就労移行支援事業所の検索サイトでは、地域や障害の種別を入力すると該当する事業所の所在地、カリキュラムや訓練の内容などの情報を確認することができます。
2.市区町村への相談
お住まいの市区町村の障害福祉課に相談する方法もあります。
市区町村によっては、役所の公式ホームページに就労移行支援事業所の一覧を掲載したり、事業所の情報をまとめた冊子などを作って配布しているところもあります。
3.専門機関への相談
障害者就業・生活支援センターや障害者職業センター、障害者相談支援事業所など専門機関に相談することもできます。
またハローワークでも障害者のために専門の職員や相談員を配置し、就労にあたって訓練が必要と思われる場合には就労移行支援事業所を案内してくれます。
就労移行支援事業所を利用した体験談
体験談① うつ症状のAさん(30代)
atGPジョブトレ以外の就労移行支援事業所も見学しましたが、私の場合、それらは仕事に結びつくイメージがわかなかったです。
一方、atGPジョブトレは事業所が自宅から1時間程度の距離で通勤時間を想定しやすかったこと、見学の際に丁寧に説明していただき、ビジネスマナーやPCスキルなど、就職に必要なことに取り組んでいけると感じました。
そこで、atGPジョブトレでお世話になることに決めました。
atGPジョブトレ(うつ症状コース)での通所を通じて、グループワークに参加する、リーダーを任される、プレゼンするという具体的な行動と目標があることで頑張れましたし、そこでの経験は今の仕事にも活かせています。
体験談② 統合失調症のBさん(20代)
私が最終的にatGPジョブトレを選んだ理由は、統合失調症専門の就労移行支援だったこと。やはり同じ病気を持っている人たちが集まっていることが大きかったです。
atGPジョブトレに通っている中で、一番印象に残っているプログラムは症状理解研修です。自分の症状を理解して、ストレスマネジメントを実践することで、自己管理ができるようになってきたことが、自分にとっては特に大きかったです。
企業に応募するためのプロフィールを作る際にも、自分ヒストリーを作っていたことが役立ちました。
atGPジョブトレに通い始めて半年ほどが経過したころ、大手企業の特例子会社で実習する機会をいただき、最終的に実習先の会社に正社員として就職できました。
体験談③ 難病(クローン病)のCさん(40代)
私は区の障害者就労支援センターの方から難病に特化した就労移行支援事業所があると紹介されて、見学に行きました。
難病に特化した就労移行支援が国内初だと聞いて、興味を持ちましたし、当時の施設長が、想いを熱く語ってくれたのも印象的でした。
難病の症状や病気の特性などを、相手に伝えることはとても難しく、言い方ひとつで印象が大きく変わります。
その伝え方の練習をatGPジョブトレで実践的にできたのが良かったです。
また、どうしたらストレスを貯めずに日々の生活を過ごしていけるかというストレスマネジメントのプログラムや、自己理解を深める症状理解研修も自分を客観的に見つめ、人にも伝えやすくなり、役立ちました。
自分自身を理解し、それを企業にうまく伝え、長く働けるための色々な方法も身につけました。就職後も当時書き込みをした資料を見直すことがあります。
まとめ
ここまで、就労移行支援事業所の探し方と自分に合った事業所を選らぶポイントについて説明しました。
自分に合った就労移行支援事業所を選んで、必要なスキルを身につけるのが就労への近道です。事業所によって就職支援メニューや訓練、カリキュラムは様々ですのでご参考にしてみてください。
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