就活が不安・怖いと感じる要因や対策
更新日:2023年05月10日
就職活動では、慣れない状況や人と話すストレスが大きく影響します。障害を持つ人は特に不安や恐怖を感じやすいです。就活の不安や怖さを軽減する対策が重要で、日本の障害者雇用にはチャンスがあります。参考にし、就活を成功させて夢をかなえましょう。
目次
就活が不安・怖いと感じるよくある要因
いつ、何から始めればいいのかわからない
高校や大学などに通う学生という立場から就職を目指す場合、学校では学生を就職に導くために計画的に進路指導を行います。また、障害福祉の就労支援系サービスを利用する場合も、一般就労を希望する場合はきめ細かな支援をしてくれます。
しかし、学校卒業後、または就労支援系のサービスを利用せずに生活している場合、就活をまだ始めていないもしくは始めたばかりの方は、就活がどのようなもので何をすればいいかが明確に分からず、先が見えないことに不安を感じやすいのです。
周囲の人と自分を比べてしまう
障害のあるなしに関わらず、人の就活の進み具合や内定の話を聞くと焦りを感じてしまうものです。特に、今の時代はSNSで情報がタイムリーに入って来るので、友人の就活状況を見て自分と比べてしまい、一層、不安や焦りを感じやすいと言えます。
選考を受けることが怖い
誰しも、成功体験はうれしく、失敗は受け入れがたいものです。今までの苦い経験が頭をよぎったり、先輩からの「就活はつらかった」などのネガティブなエピソードを聞いて選考を受けることに不安を感じてしまいます。
社会人と接することや、人前で話すのが怖い
アルバイト経験などもなく、長く学生生活をしていたり、家族とだけ接するような生活をしている場合、立場や年齢が上の世代に対する接し方がわからず、どうすれば評価されるかを気にしてしまい上手く話せないことがあります。
障害特性や性格的に元々人前で話すことが苦手な場合、面接などで上手く話せないのではと不安に感じるということもあります。
やりたいことが見つからない
いざ、急に将来のことや、どんな仕事がしたいか真剣に考えだすと、選ぶための材料が足りないために、結論にいたりません。やりたいことが見つからずどんな仕事をしたらいいかが分からなくなり、職種や会社をしぼろうとしても、「これでいいのか?」「これで将来が決まってしまう」と思うと選考を受けるのもためらわれます。もちろん、そういう心の状態で選考を受けても、相手に思いが伝わらず、上手く行くはずもありません。そうなると自信がなくなって次の選考に進むもの二の足を踏むことにもつながっていきます。
不安の原因を突き止めづらい
自己分析や企業研究など対策をしているものの、根本的な不安が消えず、自分が何で不安なのかが分からない状態になっていることもあります。これは性格的に不安になりやすい人や、さらに進んで、うつ病などの精神疾患がある人にありがちで、常に不安の種を探しているような状態になってしまいます。このような状態だと、不眠になったり、集中力を欠いたりと就活を効果的に進めることは難しいでしょう。
就活への不安を解消する方法
就活スケジュールや全体像を知る
就活をこれから始める方や、始めたばかりの方は就活スケジュールや就活とはどういうものなのかの全体像を知ることから始めましょう。現在はインターネット上でもたくさんの就活情報を収集することができますし、障害がある場合は、障害者就業・生活支援センターや地域障害者職業センターなどでも就活・就職の相談に乗ってもらえます。
就活をする上で欠かせない自己分析や企業研究、OB・OG訪問、インターンなど就活中はやることも多いため、何がどのタイミングで必要なのか知っておくことでスムーズに進めやすくなります。
就活の進め方を詳しく知りたい方はこちらの記事をご参考にしてください:就活スケジュールを立てて就活準備を万全なものにしよう | atGPしごとLABO
自己分析・企業研究をしっかりと行う
やりたいことが見つからない、どんな企業を受けたらいいかが分からない、選考が上手くいかないなどの不安を抱えている方は自己分析・企業研究をしっかりと行うことから始めましょう。
自己分析は就活の第一歩といってもよいでしょう。意外と自分を理解するということをちゃんとした作業としてする機会はありません。しかし、自分の性格や能力を把握し、何がしたくて、どんな仕事に向いているのか知ることで、受けたい会社ややりたい職種を絞り込み、就活を効率的に進めることになります。絞り込むことで、会社や職種の研究もでき、詳しくなることができ、自分が働くイメージも湧いてきます。自己PRも書きやすくなりますね。
自己分析の仕方、自己PRの書き方を詳しく知りたい方はこちらの記事をご参考にしてください:自己分析、自己PRの書き方が苦手な人が書けるようになるまでの手順
先輩とコミュニケーションをとったり、面接練習を重ねる
就活を進めるうえで重要なステップとして、OB・OG訪問があります。社会人と接することが怖いと感じている方は、OB・OG訪問や、内定者の先輩に話を聞くことから始めてみることをおすすめします。進みたい業種や企業で働く先輩に、就活の進め方はもちろん、採用試験の内容や、就職後の感想、具体的な仕事内容や、面接時には聞きにくい、休暇や残業、福利厚生なども気軽に聞くことができます。
また、人前で話すことが苦手、面接が怖いと感じている方は面接練習を重ねたり、緊張してしまったときの対策を考えておくようにします。一人でイメージトレーニングをするよりも、学校に通っている場合は進路指導部の先生、そうでない場合は家族や友達同士でも、一人でやるより自分自身の発見があり、面接することにも慣れることができ、事前に様々な質問への準備ができます。
面接が苦手、緊張するという方はこちらの記事をご参考にしてください:面接が苦手、怖い、上手く話せない…どのように対処すればいい? | atGPしごとLABO
自分と周りを比較しない
人によって価値観ややりたいことは様々で、それぞれに合った企業や職種があります。例えば、発達障害があって、多くの人と協働するのが苦手なら、大きな事業所に入ればストレスが多いだけかもしれません。また、みんなが休む土日祝が休みがいいという人もいれば、お客様と接する仕事がしたいので、土日祝が休みでなくても構わないという人もいまし、仕事が大変でも給料が多いならよいという人もいれば、給料が少なくてもやり甲斐が大事だという人もいます。
就活では早くスタートを切ることは重要ですが、早く決まればよいというものでもありません。周囲が早く決まっているから、自分も早く決めたいというのは本来の就活の目的からずれています。早くに決まって遊んでいた友達が、いざ就職したら仕事が合わなかったなんてことや、無理な就活をして体調を崩す人もいます。焦らずに自分のペースで進めることが大切なのです。
困ったときの相談先を決めておく
日本人は生真面目で、周囲に迷惑をかけることを恐れる国民性などといわれたりしますが、逆に言えば、周囲に気を使い過ぎて、自分一人でものごとを抱え込んでしまうとも言えます。実際のところ、このような考え方では問題は解決できず、会社ではかえってタスクや目標が達成できず同僚に迷惑をかけることもあり得るのです。また、多すぎるストレスは燃え尽き症候群や精神疾患の発症にもつながります。
就活においても、一人で抱え込まず、不安なことや困ったことがあったときは誰かに相談することで解決の道は開けていきます。友人や先輩、大学のキャリアセンター、就活エージェントなど相談先は色々とあるので自分に合った相談先を決めておくとよいでしょう。
就活が不安・怖くて動けない場合は一度休む
どうしても不安が取り除けず、動けない場合は、そこが限界と考えましょう。一度休んでリフレッシュするのも大切です。無理をして大事な就活ができなくっては仕方がありません。いつまで休むかなど期限をある程度決めておくとメリハリがつきます。
就活で大きなストレスを受けてうつ状態になるいわゆる「就活うつ」というものもあります。ネガティブな気持ちで無理を続けると、就活うつにも繋がりやすいため注意が必要です。
就活を成功させるポイント
「考え方」を変えることも大切
「選考に落ちてしまったらどうしよう」「こんな自分でも内定がもらえるだろうか」など、ネガティブに考えてしまうことが多い方は、1つ1つポジティブに考える癖をつけることも大切です。
例えば落ちてしまったとしても「自分と相性が悪かっただけ」と思ったり、「企業はたくさんあるから、もっと自分に合う企業を探せばいい」などできるだけポジティブに考えるようにするだけで動きやすくなります。
徹底した準備は不安・恐怖解消につながる
就活に限ったことではありませんが、周到な準備や計画をすることによって、ある程度不安は解消できます。特に就活は今後の人生に大きな影響を与える可能性もあるので、面倒臭がらず、コツコツと準備をしましょう。自己分析や企業研究、面接練習などの準備は徹底的に行うことで不安・恐怖解消、そして自信につながり、物事をポジティブに考えることが身についていきます。
このように、考え方を変えたり、不安や恐怖を解消する方法はインターネットでも紹介されていますが、大学の就職支援や、就職支援エージェント、障害がある場合は障害者の就労を支援する機関・事業所や専門医でもトレーニングを受けることができます。気軽に相談してみましょう。
幅広い求人に応募してみる
せっかく働くなら大手でというのは誰しもが考えることです。しかし、それだけに競争率も高く、採用を勝ち取るのは狭き門でもあります。大手企業や有名企業だけに絞らず、幅広い求人に目を向けて応募してみることでチャンスを広げるようにしてみましょう。
小さい事業所の方が、仕事を任せてもらえたり、上司や同僚とのコミュニケーションが取りやすいということもあります。自己分析をしっかりとして自分の強みを活かせると思う求人に応募するとよいでしょう。
目標は具体的に定める
闇雲に行動せずに、目標を具体的に設定することが採用への近道です。また、大きな目標は一気に成し遂げることは難しいため、小さな目標達成を積み重ねていくとよいでしょう。
「今月の合同説明会では20社の説明を聞く」「今月は50人の社会人・先輩に話を聞く」など、具体的に設定した数字を用いた目標だとわかりやすくなります。
また、自分が希望する業界や職種を研究し、「仕事を通じて○○を成し遂げたい」などキャリアの目標を定めておくと、志望動機なども話しやすく、就活においても行動しやすくなります。