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面接で健康状態・病気聞かれたら?賢い回答法と注意点

更新日:2024年06月14日

障害者採用における面接場面では、健康状態や病気について質問する企業は少なくありません。実際に質問されてどう答えたらいいのか、困った経験がある方もいるのではないでしょうか。 この記事では、企業が面接で健康状態について質問する理由や聞かれた場合にはどう答えたらいいのか、履歴書に健康状態について記載する場合の書き方などについて解説します。
 

面接で健康状態について質問する理由

企業が面接で健康状態について質問するのは、採用後の業務に支障がないかどうかを確認するためです。せっかく採用しても、健康状態や精神状態の不安定が原因で、担当の業務を円滑に行えなかったり、欠勤を繰り返すようでは、企業としては戦力として期待できません。

 

また、自動車運転や機械操作が必要な業務では、健康状態によっては本人だけでなく周囲の人へも危険を及ぼす可能性があります。

 

業務に支障が出たり欠勤が続く状態では、結果的に代わりの人員の確保や既存の社員の調整などの手間やコストが増えることになります。そのため、健康状態が理由で、入社後に十分なパフォーマンスを発揮できないのがわかれば、採用したくないというのが企業の本音でしょう。

 

また、面接で健康状態を聞く理由は、業務に支障がないかの確認だけでなく、自己管理能力があるかどうかの確認でもあります。明らかに普段の生活習慣に原因がある病気の場合には、自己管理能力がないと判断できます。

 

ただし、健康状態や病気についての質問や得られた情報は非常にセンシティブな問題のため、企業側での取扱いには細心の注意が求められます。業務上必要で本人の同意があり、また利用目的を採用面接に限定した場合において質問しなければなりません。業務の遂行に必要な範囲を超えて、健康状態(既往症)や過去の病歴について質問することは禁止されています。

面接で健康状態について聞かれた場合はどう答えるべき?

前章で述べた通り、企業は採用後の業務遂行に支障かないかどうかの確認のため面接で健康状態を質問します。では、面接を受ける応募者はどのように答えたら良いのでしょうか。

 

健康状態が良好な場合

健康状態は仕事のパフォーマンスに直結します。そのため、健康であることは、大きなアピールポイントとなります。現在の健康状態が良好な場合には、積極的にアピールしましょう。ウォーキングをしている、スポーツジムに通っているなど、具体的なエピソードを添えて答えると面接官の印象に残ります。

 

通院中の場合

現在、病気やケガの治療やリハビリで通院している場合には、正直に通院中であることを伝えましょう。その際には、業務に支障がないかどうかや通院の頻度などについても、合わせて伝えます。

通院が必要でも、業務に支障がなく、勤務時間外に通院できるのであれば問題はありません。不安な場合には、面接前に主治医に業務に影響がない通院方法などを相談すると良いでしょう。

 

業務に支障をきたす可能性がある場合

業務に支障をきたす健康状態の場合には、面接官に正直に伝えましょう。その結果として、不採用になることもありますが、仮に伝えずに入社しても業務に支障があるようなら長く勤めることは難しいでしょう。嘘をついても、入社後の健康診断で判明する可能性もあります。

 

障害がある場合

障害がある場合には、「オープン就労」か「クローズド就労」での応募かによって答え方が違ってきます。

 

障害があり、オープン就労の場合

オープン就労とは、障害があることを公開して就労することを指します。障害者雇用枠での求人に応募することができます。オープン就労の場合には、企業に障害があることを伝えてた上で採用されるため、業務内容や量、通院、服薬など、さまざまな配慮が受けられやすくなります。

必要とする配慮を企業に求めるには、障害の状態や特性、できることとできないこと、通院の頻度、服薬の必要性などをしっかりと伝えましょう。

 

障害があり、クローズド就労の場合

クローズド就労とは、障害のあることを公開せずに、一般採用枠で就労することを指します。オープン就労と違い、職場での配慮は期待できないため、配慮が無くて業務に支障がない状態であることが望まれます。

業務に支障があるのがわかっているのに、面接で健康状態を質問されたときに答えなかった場合には、病歴を詐称したとして最悪の場合には、解雇される可能性があります。

 

過去に精神疾患を発症したことがある

過去にうつ病などの精神疾患を発症した既往症の人でも、現在の状態が良好で業務に支障がない場合は、面接で健康状態を質問されても「良好です」と回答して問題ありません。

企業が面接で健康状態を質問するのは、あくまでも業務に支障があるかどうかの確認のためです。過去の病歴については答える必要はありません。

 

現在は服薬により症状が安定していて、定期的に通院することが必要な場合は、通院の頻度と業務には支障がないことを伝えましょう。
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履歴書に健康状態を記載する場合

履歴書に健康状態欄に記載する場合の正しい書き方について紹介します。

 

健康状態が良好な場合

病気や障害がなく現在の健康状態が良好な場合は、履歴書の健康状態の欄には「良好」とだけ簡潔に記載しましょう。必要以上の記載があると企業に余計な懸念を持たれる可能性があります。

また、一時的な病気やケガで入社時には完治している見込みの場合にも「良好」と記載して問題ありません。

 

通院中の場合、既往症がある場合

通院が必要な場合でも、業務に支障をきたさず、公休日の通院だけで済むのであれば「良好」と記載して大丈夫です。通院のため休みや早退、遅刻などが必要な場合には、具体的な病名は書かなくて構いませんが、頻度や程度を記載しましょう。

 

記載例:業務に支障はありませんが、持病の診察で2カ月に1回の早退を希望いたします。

 

絶対に行ってはいけないのが、業務に支障がある健康状態であるにもかかわらず、履歴書の健康状態の欄に「良好」と記載することです。多くの企業では入社前に健康診断書の提出を求められることが多く、健康診断書の内容と履歴書に記載した内容に相違がある場合、採用の取り消しや解雇の可能性があります。

 

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健康状態が原因で不採用になることはある?

企業が選考を行う際に、応募者の健康状態を理由として不採用にできるのは、業務に支障があると判断された場合のみです。そのため、健康状態が日常の業務に明らかに影響がある場合には、本人に能力があっても十分に発揮することができないと判断され、不採用になるケースがあります。

 

ただし、選考を通過したいからといって、業務に支障をきたすとわかっていながら、偽って伝えるほうがリスクが高くなります。業務に支障があるのであれば、入社しても働き続けることは難しいでしょうし、最悪の場合には履歴書に虚偽の内容を記載したとして解雇される可能性もあります。

 

健康状態に不安がある状態で、就職活動を行ったり、新しい職場で働くことは心身に大きな負担となります。できるだけ治療に専念して、良好な状態になってから転職を目指しましょう。

まとめ

企業が面接で健康状態について質問するのは、入社後の業務遂行に支障があるかどうかの確認のためです。業務に支障があるようであれば、隠すことなく正直に伝えましょう。ただし、働きたいという強い意思を伝えることも大切です。

 

それでも、健康状態が原因で不採用になっても悲観する必要はありません。できるだけ治療に専念して健康になってから転職活動を再スタートしましょう。健康になれば転職先の選択肢が広がります。

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ライター:atGPLABO編集部(監修:戸田重央)

障害者専門の人材紹介として15年以上の経験とノウハウを活かし、障害者の雇用、就労をテーマとした情報発信活動を推進しています。 【監修者:戸田 重央プロフィール】 株式会社ゼネラルパートナーズ 障がい者総合研究所所長。 企業の障害者雇用コンサルタント業務に携わった後、2015年より聴覚障害専門の就労移行支援事業所「いそひと」を開所、初代施設長に。 2018年より障がい者総合研究所所長に就任。新しい障害者雇用・就労の在り方について実践的な研究や情報発信に努めている。 その知見が認められ、国会の参考人招致、新聞へのコメント、最近ではNHKでオリパラ調査で取材を受ける。 聴覚障害関連で雑誌への寄稿、講演会への登壇も多数。

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