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適応障害のある方の就活対策。向いている仕事と相談先まとめ

更新日:2023年05月22日

適応障害は、ストレスが原因で発症する精神障害の一種です。仕事のストレスが原因となることも多いので、適応障害の症状を改善させるには、自分に向いている仕事や働き方を選ぶことが重要です。 本記事では、適応障害の原因や症状、治療法、適応障害のある方が就活の際につらいと感じる原因、適応障害のある方に向いている仕事、就活で困った時の相談先などについて詳しく解説します。

適応障害とは

適応障害とは、仕事や家庭、学校、病気、人間関係、恋愛など、ある特定の出来事や状況が、その人にとってとても辛く耐え難いと感じた時に、大きなストレスとなって心身のバランスが崩れて、社会生活に支障をきたす状態をいいます。

適応障害はさまざまな原因で引き起こされますが、不安を引き起こしている原因がはっきりしていることが多いため、原因から離れることで症状は改善します。

しかし、仕事や学校が原因となっている場合には、現実的に環境を変えることが難しいケースも少なくありません。そのため、ストレスの原因から離れることができずに、症状が長期化することもあります。

適応障害の症状

適応障害の症状は、ストレスの状況や本人の性格などによってさまざまが形で現れますが、主に次のようなケースに分けられます。

 

情緒的な症状

不安、抑うつ状態、無気力、思考力の低下、集中力の低下、イライラ、焦り、緊張、神経の過敏 混乱など

 

身体的な症状

不眠、起床困難、全身の倦怠感、食欲不振、頭痛、めまい、動悸、倦怠感、肩こり、腹痛、吐き気など

 

問題行動

早退遅刻、無断欠勤、不登校、暴飲暴食、暴力的な行動、ギャンブル中毒、器物破損、ひきこもりなど

 

上記のように、適応障害はうつ病と似た症状が現れます。適応障害とうつ病の違いは、ストレスを取り除いても症状が持続するかどうかです。ストレス反応の一種である適応障害は、原因となるストレスを取り除くことで症状が改善します。一方で脳の不調から引き起こされるうつ病は、ストレスを避けてもすぐに症状は改善しません。

適応障害の治療・対処方法

 

適応障害の治療で重要なのは、ストレスによる負荷の軽減を図ることと、ストレスが軽減された状態に適応できるようにすることです。

 

環境調整

適応障害の最大の治療法はストレスの原因から離れることです。例えば、職場でのストレスが負荷となっているようであれば、部署の異動や人の配置を変えてもらうなど、環境を変えることができないか上司に相談してみましょう。

心身ともに疲れきってしまっている場合には、休職して一定期間しっかりと休養することで症状の改善が期待できます。

 

ストレスが軽減された状態に適応できるようにする

適応障害の治療には、認知行動療法と薬物療法などが行われます。

認知行動療法とは、認知に働きかけて気持ちを軽くする心理療法です。認知は、もののとらえ方や受け取り方、考え方のことをいいます。適応障害の治療においては、ストレスが原因で症状が出ていることを患者自身に正しく把握させて、そのような場面での適切な対応法を訓練して、最終的にセルフコントロールできる状態を目指します。

 

適応障害においては、薬物療法はあくまで補助的な治療です。不眠症状や抑うつ状態、不安が強い場合には、対症療法的に薬を処方します。

 

就活がつらいと感じるときのよくある原因

就職活動がつらいと感じることで、強いストレスとなり適応障害になったり適応障害の症状が悪化することがあります。では、就活がつらいと感じる原因には、どのようなものがあるのでしょうか。

 

慣れない就活がつらい

就活といっても何をやるべきかわからない、やるべきことが分かっていても時間が取れないなど、就活そのものがつらいと感じている人も少なくありません。

 

興味のある業界や職種から企業を選んで、業界研究や企業研究を行って応募先についての理解を深める、応募書類を書いて提出、志望動機など面接で答える内容を整理して面接に備えるなど就活には、やるべきことがたくさんあります。

新卒であれば学生生活も行いながら、転職であれば仕事をしながらの就活には誰でもストレスを感じるものです

 

不採用が続いて自信を失う

就活で一番つらいと感じるのは、不採用が続いた時でしょう。不採用ばかりだと次第に自分に対する自信を失います。就活は、企業に自分をアピールする場です。自分に自信が持てなければ、何をアピールしていいのか内容が思いつかなくなります。

特に、これまで挫折を経験したことがない人は、不採用が続くと自信喪失となる可能性があります。

 

周囲の人と比べてしまう

自分に自信が持てない人は、面接試験で他の応募者が経験や知識が豊富な人に見えてしまい、さらに自信を失うことがあります。面接で落ち着いてアピールしようと思えば思うほど、逆に焦ってしまい上手く話すことができない可能性もあります。

 

不採用になっても、たまたま企業との相性が悪かっただけと割り切ることができればいいですが、不採用が続くと企業から自分の能力を否定されたと感じてつらくなる人もいます。

 

相談できる人がいなくてつらい

就職活動や転職活動は、初めての経験の人が多く、そのため悩んだり迷ったりすることが多いものです。そんな時に相談できる相手がいないという人もいることでしょう。一人で悩みを抱え込むことで、ストレスが大きくなります。

適応障害のある方に向いている仕事とは

適応障害のある方が、働くためには適応障害の症状や特性に合った仕事を選ぶことが大切です。適応障害の原因となるストレスは人それぞれ感じ方が違うため、すべての方に当てはまるわけではありませんが、一例として参考にしてください。

 

業務内容が決まっている仕事

臨機応変な対応が求められる仕事は、その時々によってどのように行動すればよいのか変わるため、長く勤めても慣れることができず、常にプレッシャーやストレスを感じながら仕事をしなければなりません。

毎日行うルーティンの業務が決まっている仕事や、マニュアル通りにする仕事は、臨機応変な対応を求められることが少ないため、適応障害のある方に向いているといえるでしょう。

 

自分にとってストレスにならない仕事

適応障害のある方は、原因となるストレスにならない仕事を選ぶことが大切です。どのような原因がストレスになるかは、人それぞれですが、ノルマのある仕事や重い責任やプレッシャーのある仕事、顧客からのクレームに対応する仕事などは避けた方がいいでしょう。

 

自分のペースで進められる仕事

適応障害のある方は、真面目で完璧主義なため必要以上に仕事にストレスを感じるケースがあります。そのため、自分のペースで進められる仕事が向いています。

困ったときの相談窓口

ストレスにより心や体に不調を感じたら、まずは心療内科を受診しましょう。適応障害の方は、精神障害者保健福祉手帳を取得できる場合もあります。主治医に相談してみましょう。また、就職に関する相談には、次のような支援やサポートが受けられます。

 

就労移行支援事業所

就労移行支援事業所とは、就職のために必要なスキルや知識の訓練、就職活動のサポート、就職後の職場定着の支援などが受けられる施設です。

 

地域障害者職業センター

地域障害者職業センターは、障害のある方に専門的な職業リハビリテーションを提供しています。他にも就職後、スムーズに職場に慣れるようにジョブコーチを派遣したり、休職中の方へのリワーク支援なども行っています。

 

就職エージェント

就職エージェントとは、専任のアドバイザーが就職活動のサポートをしてくれるサービスです。就職エージェントの中には、障害のある方の就活に特化したものもあります。

まとめ 

企業が面接で健康状態について質問するのは、入社後の業務遂行に支障があるかどうかの確認のためです。業務に支障があるようであれば、隠すことなく正直に伝えましょう。ただし、働きたいという強い意思を伝えることも大切です。

 

それでも、健康状態が原因で不採用になっても悲観する必要はありません。できるだけ治療に専念して健康になってから転職活動を再スタートしましょう。健康になれば転職先の選択肢が広がります。

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ライター:atGPLABO編集部(監修:戸田重央)

障害者専門の人材紹介として15年以上の経験とノウハウを活かし、障害者の雇用、就労をテーマとした情報発信活動を推進しています。 【監修者:戸田 重央プロフィール】 株式会社ゼネラルパートナーズ 障がい者総合研究所所長。 企業の障害者雇用コンサルタント業務に携わった後、2015年より聴覚障害専門の就労移行支援事業所「いそひと」を開所、初代施設長に。 2018年より障がい者総合研究所所長に就任。新しい障害者雇用・就労の在り方について実践的な研究や情報発信に努めている。 その知見が認められ、国会の参考人招致、新聞へのコメント、最近ではNHKでオリパラ調査で取材を受ける。 聴覚障害関連で雑誌への寄稿、講演会への登壇も多数。

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