アンガーマネジメントで自分を楽にする方法~怒りをコントロールする~
更新日:2022年09月08日
今メディアや雑誌など、様々なところで話題になっているアンガーマネジメントをご存知でしょうか?アンガーマネジメントとは、自分のストレスの元となる怒りの感情を分析し、コントロールする技術です。簡単に実践できる方法なので続けやすく、一度クセをつけてしまうと意識せずにできるようになります。自分の怒りの感情をコントロールしたいと思っている人、必見の方法です。
目次
アンガーマネジメントが今、注目されている理由をご存知でしょうか?
最初は政治家やスポーツ選手等、大きなストレスを抱えるであろう職業の人が身に着けている方法として話題になりました。
アメリカでは企業側が社員研修として取り入れたり、子供向けのアンガーマネジメント方法を学校で取り入れるところもあるようです。
この考え方はストレスを自分でコントロールできる方法として、徐々に日本でも広がってきています。
最近では日本の企業研修でも取り入れられたり、雑誌やテレビ番組でも紹介されるようになってきました。
精神的な疾患や発達障害を抱えている人の多くが悩まされるている、人間関係の問題。病気の症状で怒りの感情を爆発させてしまう人、怒りのポイントが自分でも把握できない人、人によって様々だと思います。
しかし、社会に出ている以上、避けては通れない人間関係の問題は難しく、辛い問題です。
しかしアンガーマネジメントを上手に活用していけば、自分の中の怒りの感情と上手く向き合えるようになります。
感情のままに発言してしまったり、怒りの感情を抑え込んで大きなストレスを抱える事がなくなるのです。
仕事場や私生活での人間関係に悩み、改善したいと思っている人はぜひ実践してみてください。
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人はなぜ怒るのか・自分の「べき思考」を考えてみよう
人はなぜ怒るのでしょうか?そして、怒りとは一体なんでしょうか?
まず、怒りは心理学的には二次感情だと言われています。
火山に例えられることが多いようなので火山をまずイメージしてください。
火山の中で渦巻いているマグマが本来自分が感じた感情(つらい、悲しい、など)で、怒りという感情は噴火になります。起きた事柄について感じた感情の爆発が怒りなのです。
例えば「遅刻してきたのに謝らなかった相手が悪い」という怒りの感情があるとします。
怒りの本来の感情は(待っている間)退屈だった、(何かあったのではないか)心配した、等の感情が怒りに隠れているのかもしれません。
そして更に掘り下げていって欲しいのが、本来自分が感じた感情はなぜ出てきたのか?という事です。
遅刻するなら事前に連絡する(べき)、遅刻したら謝る(べき)等、自分ならこうするのに…という思いはありませんか?
この隠れた(べき)が自分のべき思考です。
このべきが自分でも気付いていない価値観です。自分のべき思考と現実が食い違ってしまい、裏切られた時に人は様々な感情を感じ、その感情が怒りに変わります。
これが怒りのメカニズムです。
つまり人が怒りを感じるときには、自分の価値観が大きく関わっており、人の価値観を受け入れられない事で怒りを感じるのです。
アンガーマネジメントで自分の価値観を把握して、価値観は違うけど、この人の価値観はこうなんだな、と認める事ができると随分と楽になります。
メモ帳とペンだけでできる!自分の「べき思考」を整理しよう
自分がどういった事に怒りを感じるのか、これを把握すると自分のべき思考が分かりやすくなってきます。
この思考整理の方法にオススメなのがメモ帳とペンを使う方法です。
やり方は簡単で、怒りを感じたら書くだけ。これを続けていくと自分のべき思考が把握できます。
用意するものはいつでも持ち歩けるサイズの手帳とペンです。
最初に書き出すのはこの3つです。
1.日時と場所
2.怒りを感じた出来事
3.怒りの強さを点数(1点~10点)で評価
これだけです!
怒りを感じた時にこの3つを書いてみて、あとで振り返ってみて下さい。
自分が怒りを感じた出来事に対してどう感じていたのかという一次感情を知る手助けになります。
慣れてきたらこのメモに項目を足して自分なりのアレンジをするのもいいでしょう。
例えば、誰に対して怒りを感じたのか、自分が思った事、相手に期待していた事などです。このアレンジにより、次は自分の一次感情がどういう「べき思考」からきたのかをより知りやすくなります。
この方法をしばらく実践してみると、自分の「べき思考」が見えてくると思います。
自分の「べき思考」を掴むと、当然自分の怒りのパターンも把握できます。
自分の怒りのパターンを知ると、予め怒りのポイントを避けられるようになり、もし避けれない場合でも「ここで怒るのが悪いクセだな」と一旦自分で受け止めて冷静になる事ができるでしょう。
そして怒りを手帳に書き出す事で、一呼吸おけるので怒りのままに行動する事も少なくなります。
それでも怒りそうになった時の対処法
とは言ってもいつでも怒りの感情をコントロールするという事は現実に難しい事もあるでしょう。会議中に手帳を出して怒りの感情をメモしておく等、場面によっては上記の方法が難しいこともあります。
そんな時には6秒待ちましょう!
怒りの感情は最大でも6秒程度であると考えられています。
これは科学的にも立証されています。
イラっとした時に感じた怒りそのままに行動してしまうと最悪の事態になりかねません。まずは怒りの頂点をずらしましょう。
この6秒間をやり過ごせるとトラブルや自己嫌悪に陥る事も避けられるので、まずは呼吸を落ちつけながら自分を落ち着かせる言葉を繰り返します。
「大丈夫」「大した事ない」等、自分に向けたメッセージを心の中で(小声でも)唱えてみてください。
その他、Iメッセージを使うというのも無用なトラブルを避ける方法の1つです。
怒りに任せた言葉はYOUメッセージという自分以外の人に向けた言葉になりがちです。
怒りを相手にぶつけて「だから~はこうなんだ!」だとか「ふざけるな!」だとか発する言葉は最初に説明した自分の一次感情を表す言葉ではなく、自分の「べき思考」を相手にぶつける言葉であるYOUメッセージになってはいないでしょうか?
同じ怒りを表す言葉でも自分の一次感情を表して「体調が悪くて辛いので~」と自分を主語にしたIメッセージに変える事で、相手の受け取り方も大きく変わってきます。
感情のままに激昂して言葉をぶつける事は争いの元になります。
怒りを感じたときには落ち着くために6秒間待ってみる、相手を主語にしたYOUメッセージではなく、自分を主語にしたIメッセージで対話する。
この2つの方法で対処できるように少しずつ練習していきましょう。
そうする事で怒りの原因を建設的に解消する第一歩になります。
怒ることは悪いことではない
いかがでしたでしょうか?
ここまですぐにでも行えるアンガーマネジメントの方法を書いてきましたが、怒るという事自体は悪いことではありません。
怒るという事は人間の自然な感情の1つなので、それを否定してしまうと大きなストレスを抱える事に繋がります。怒らないという事が良いことだとは限らないのです。
例えば、理不尽な事に対しても怒らないようにしてしまうと、どんどん状況が悪化していくという事も考えられます。
怒りは自分の中の溜め込んだストレスを出す役割もあるので否定してしまうと、それだけ自分を追い詰める事にもなりかねません。
必要なのは怒りと上手に付き合う方法であり、問題なのは怒りに任せて振舞っていまったり、怒りという感情に支配されて本質を見失ってしまう事です。
怒るべき時にはしっかり怒り、怒りに振り回されてしまわないように怒りの感情をコントロールする事こそがアンガーマネジメントのです。
相手に伝えるべき事は感情に任せてぶつけるのではなく、相手に怒りの感情が伝わるように上手に伝えていきましょう。
アンガーマネジメントは、記事で読むだけではなく実践してみることも大切です。
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