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就労移行支援を利用しても就職できない?その理由と解決法を解説!

更新日:2021年12月09日

心の調子を崩してしまったり、心の病気を患ったりしてしまった人の中には、再就職に向けて就労移行支援事業所を利用している人も多くいらっしゃると思います。この就労移行支援事業所を利用して上手く再就職に繋がることが多いのですが、中にはこの事業所を利用してもなかなか再就職に結びつかないケースが存在することもあります。せっかく再就職への意欲を持ち、就労移行支援事業所を利用しているのに、なぜ再就職に結びつかないといったケースがあるのでしょうか?その原因は、就労移行支援サービスを提供している事業所側に問題があることも考えられます。それ以外に自分が希望している働き方に、再就職できない原因があるのかもしれません。ここでは就労移行支援事業所を利用しても、再就職に結びつかないという問題についての解決法を解説していきます。

就労移行支援事業所に通っていても就職できない人の傾向とは?

就労移行支援事業所に通っていても就職できない人には、いくつかの傾向がみられます。

 

その傾向とは、以下にまとめられます。

・安定して決められた日に通所ができず休んでしまう人

・就職先に好待遇を求めすぎる人

・自分の病気や障害の状況を客観的に把握できていない人

・社会に出た場合に自分をコントロールすることが難しい人

 

以下で詳しく見ていきましょう。

 

 

安定して決められた日に通所ができず休んでしまう人

当然の事ながら就職すると、決まった日、決まった時間に出社し仕事を行うことが求められますが、就労移行支援事業所にも安定して通うことが出来ない人にはこのように企業に決まった日に出勤し、安定した状態で働くことは難しいでしょう。

 

 

就職先に好待遇を求めすぎる人

就労移行支援事業所を利用して就職先を探す場合には障害者枠での雇用を目指すこともあります。

このような障害者枠での雇用を希望する場合、一般採用に比べて条件が悪くなることも考えられるため、好待遇を求めすぎると応募したいと思う企業が見つからないといったケースも考えられます。

 

 

自分の病気や障害の状況を客観的に把握できていない人

自分の病気や障害の特性を客観的に把握することが出来ていないという点が就職の妨げになります。

病気や障害を持っていれば、当然就職先の企業や同僚となる人達に配慮してもらいたい事柄が出てくるのですが、この配慮の内容を自分でしっかりと把握していないと、もし就職することが出来ても、長期にわたり就労することが難しいといった問題が出てきます。

病気や障害を持ってしまった人は、健康な時と同じように仕事が出来ないことがほとんどです。

まずは就労移行支援事業所に通いながら、自分に出来ることと出来ないことをしっかりと把握し、企業や周囲の人にどのような配慮を求めれば、自分が長く働き続けることが出来るかをきちんと認識するようにしましょう。

 

 

社会に出た場合に自分をコントロールすることが難しい人

社会に出てからは、自分の感情や体調をきちんとコントロール出来るといったことも重要になります。

このような自身をマネジメントする方法も、就労移行支援所に通いながら身につけておきましょう。

 

病気や障害が順調に安定し就労移行支援所に問題なく通えるようになっても、就職先がすぐに決まるのは稀なパターンです。

中には30件以上の企業に応募しても、就職に結びつかないケースもあります。

このような状況になってしまった場合、自分に自信を無くしてしまい気分が落ち込むことから、心身の調子を崩してしまい就職に対して不安感を持ってしまうこともあるでしょう。

この不安感から、企業の求人へ応募することが怖くなり就職に消極的になってしまう人もいます。

このような特徴がある人は、就労移行支援事業所に通っていてもなかなか就職に結びつかないといった傾向があります。

就労移行支援所に通っていても就職できないって本当?

就労移行支援事業所に通っていて自分の心身の調子が安定してきても、就職できないといった話を聞くこともあるかもしれません。

それは自分の問題だけではなく、通っている就労移行支援事業所に問題がある可能性があります。

 

就労移行支援事業所は助成金で運営されている

就労移行支援事業所は、病気や障害のある入所者の人数に応じて国から助成金が交付されます。

当然通所者が多ければ多いほど、交付される助成金の金額が大きくなります。

そのため就労移行支援事業所の中には、この助成金目当てで通所者を募るばかりで支援内容の質があまり良くないところがあるのも事実です。

本来であれば通所者を募り、就労に必要な訓練を行い、就職につなげてまた新しい通所者を募るという流れが一般的です。

しかし、新しい通所者の確保が難しい就労移行支援事業所の場合には、今いる通所者を就職させられず、いたずらに2年間の期限一杯まで通所させてしまい、無為に助成金の支給を受け続けるといったケースもあります。

 

このような、言ってしまえば「粗悪な」就労移行支援事業所を選ばないようにするためにはどうすれば良いのでしょうか?

 

 

就職につながる就労支援事業所を見つけるには?

就職につながる就労移行支援事業所を見つけるには、いくつかのポイントがあります。

 

1.就労移行支援事業所を見学する

就労移行支援事業所を決める際には、まずいくつかの就労支援事業所を見学することが重要です。

通所者が定員の7~8割程度埋まっている就労移行支援事業所であれば、通所者の入れ替わりがあると考えて良いでしょう。

 

逆に定員よりも通所者が極端に少ない場合、(開所間もないなど、特段の理由がない限りにおいては)その就労移行支援事業所に人気がないか、新たな通所者を集める能力がない就労移行支援事業所であることが多いので、避けたほうが無難です。

 

また、定員一杯の通所者がいてすぐには通所が開始できない就労移行支援事業所は、人気が高い証拠なので、定員に空きができて通所できるようになるまで待ってみるのも良いかもしれません。

 

 

2.安定してから就職訓練や支援がない場合は要注意

そ通所し始めて自分の病気や障害の症状が安定してきたにも関わらず、就職に結びつくような訓練や支援を行ってくれない就労移行支援事業所は要注意です。

 

病気や障害の症状が安定してきたにも関わらず、レクリエーションのような活動ばかりさせられたり、支援員に今後の実習の内容や就職に向けた相談を行っても、あまり的確な返事をもらえなかったりといったことがある場合には、その就労移行支援事業所に通い続けることで就職できる可能性は低いかもしれません。

 

 

3.ほかの通所者の就職活動の様子にも注目

他の通所者の就職活動に向けた取り組みにも目を配ってみる必要があります。

数か月就労移行支援事業所に通所しても、同じ通所者の中に企業へ就労実習や体験就労に行ったり、就職が決まって対処する人がいない場合にも、その事業所は「就職させられない」就労移行支援事業所である可能性があります。

このような就労移行支援事業祖に通所していては、本人の病気や障害の症状が安定したとしても就職することは困難です。

 

 

このように、助成金目当てに通所者を就職させない就労移行支援事業所もあるため、通所し出してから就労移行支援事業所の内情に違和感を感じたら、別の就労移行支援事業所に変更することも視野に入れましょう。

就労移行支援事業所に通所できるのは、現在の法律では生涯に渡って原則2年と決められています。

この2年を無駄にすることが無いように、就労移行支援の通所先選びは慎重に行い、通所し出してからその就労移行支援事業所の支援内容に疑問や違和感がある場合には、通所先の変更も視野に入れるようにしましょう。

 

 

就職できるようにするにはどうすれば良い?

自分自身や就労移行支援事業所自体に問題がない場合には、その就労移行支援事業所に通いながら就職できる可能性が高くなります。

そのためには、自分はどのような行動を取ればよいのでしょうか?

 

一番大切なのは、自分自身が就職活動に対して積極的に動くことです。

自分の病気や障害の特性にどのような配慮が必要かをしっかりと把握したうえで、その条件に合った就職先を探すようにしましょう。

また、病気や障害に対する配慮以外にも、自分に合った仕事を探すことも大切です。

このような条件を満たす就職先を探すために、就労移行支援事業所の支援員に積極的に相談することが大切です。

就労移行支援事業所の支援員に相談することで、履歴書を初めとした書類選考用の書類作成の添削をしてもらったり、面接の指導を行ってもらうことができます。

また、自分にどのような仕事や働き方が向いているかといった点に関しても、第三者の目でアドバイスをもらうこともできます。

このように自分の働き方に対して具体的なイメージを持ち、積極的に就職に向けて動くことで、就職に結びつきやすくなります。

 

転職エージェントを積極的に利用しよう

就労移行支援事業所を利用して何社もの求人に応募してもなかなか就職に結びつかず、心が落ち込み再度体調を崩してしまうことも考えられます。

 

しかし、それは自分の能力が足りなかった訳ではなく、自分と求人を行った企業側のニーズがマッチしなかった可能性もあります。

 

このような病気や障害のある求職者側と求人を行っている企業側のミスマッチにより、就職が上手く行かないケースは実は少なくありません。

 

この双方のミスマッチを防ぐために、障害者雇用専門の転職エージェントの活用を視野に入れてみることも就職への近道となることがあります。

 

障害者雇用専門の転職エージェントは、病気や障害のある求職者と障害者の雇用を希望する企業側との橋渡しを行ってくれます。

 

障害者雇用専門の転職エージェントは、病気や障害のある人個々の特性や必要な配慮を理解し、その特性を活かし適切な配慮を行うことが可能な企業を紹介してくれます。エージェントを通じてコミュニケーションを取ることで、求職者側と企業側のミスマッチを防ぐことが出来るのです。

 

また、障害者雇用専門の転職エージェントは、病気や障害のある人の面接にいたるまでのサポートも行ってくれます。

そのサポートとは、就労移行支援の支援員と同様、応募に必要な書類の添削や、面接対策などが含まれています。

さらに、就業開始日や給与の交渉、就業開始後になにか困りごとはないかといったことに対する相談にいたるまでサポートを行ってくれます。

 

障害者雇用専門の転職エージェントのサポートを受け、自分の特性にマッチし希望する配慮を受けることも出来る企業の求人に応募することで、就職への道が開けてきます。

就労移行支援に通所していてもなかなか就職が決まらない場合には、このような障害者雇用専門の転職エージェントの利用も考慮してみましょう。

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まとめ

就労移行支援事業所に通所していてもなかなか就職が決まらない人には共通した傾向があること、就労移行支援事業所自体に問題があるケースもあること、就職に向けてどのように動くべきかについて解説してきました。

 

就労移行支援事業所に通所していても、それだけでは必ずしも就職に結びつくわけではないことがお分かりいただけたと思います。

 

自分の病気や障害の特性を客観的に把握することが一番重要ですが、それが出来ているにも関わらずなかなか就職に結びつかない場合には、就労移行支援事業所だけではなく障害者雇用専門の転職エージェントの利用も視野に入れてみましょう。

 

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ライター:atGPLABO編集部(監修:戸田重央)

障害者専門の人材紹介として15年以上の経験とノウハウを活かし、障害者の雇用、就労をテーマとした情報発信活動を推進しています。 【監修者:戸田 重央プロフィール】 株式会社ゼネラルパートナーズ 障がい者総合研究所所長。 企業の障害者雇用コンサルタント業務に携わった後、2015年より聴覚障害専門の就労移行支援事業所「いそひと」を開所、初代施設長に。 2018年より障がい者総合研究所所長に就任。新しい障害者雇用・就労の在り方について実践的な研究や情報発信に努めている。 その知見が認められ、国会の参考人招致、新聞へのコメント、最近ではNHKでオリパラ調査で取材を受ける。 聴覚障害関連で雑誌への寄稿、講演会への登壇も多数。

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