障害者枠で働くときに守るべき履歴書の書き方のルールとは?
更新日:2023年03月10日
履歴書は就職活動を行う時にほとんどの場合に必要になる書類で、障害者枠で就職活動をする際も同様です。 履歴書は就職を希望する会社と初めてコンタクトを取る際に使われることが多く、応募した人の学歴や持っている資格、特技などその人の人となりを知るために非常に重要な書類です。 さらに障害者枠での採用を希望する際には、応募する人にどのような障害がありそのためにどのような配慮が必要かといったことも記入しておくことで、企業側も書類選考の次の段階である面接の際にどのような点を確認すべきかということについて事前に考えておくことができます。 履歴書の書き方にはルールがあるため、そのルールを逸脱してしまうと「ビジネスマナーがない人」と判断されるおそれもあるため、ルールを守った履歴書づくりが必要になってきます。 ここでは、障害者枠で就職を希望する際の履歴書の書き方などについて解説していきます。
目次
履歴書作成の基本
少し前までは履歴書は手書きで書くのが常識でしたが、現在ではパソコンを使ってもビジネスマナーに反することはありません。
ここでは手書きの場合とパソコンを使用する場合に共通する履歴書を書く際の注意点と、手書きの場合とパソコンの場合、それぞれの注意点について解説していきます。
手書きの場合とパソコンの場合、どちらにも共通する注意点
学歴や職歴を記述する場合に、略称を使用しないようにしましょう。
例えば「高等学校」を「高校」と書いたり、「株式会社」を「(株)」と書いてしまったりしてはいけません。必ず正式名称を記入する必要があります。
また、入学・卒業、入社・退社の年月日を記述する際には、西暦でも和暦でも構いませんが、その履歴書の中では使用する年号は統一しておくことが大切です。
履歴書に空白部分を作らないということも、履歴書を書く上で重要なポイントになります。
何も資格を持っていないなどの理由で資格の欄に書くことがないなどといった場合には、「特になし」または「なし」と記入するようにしましょう。
特技の欄には、面接の際に質問されるポイントになることもあるので、ある程度詳細に記入しておくことをおすすめします。
不採用になった場合には履歴書は応募者本人に返却されますが、これは個人情報の保護のためなので、別の企業に履歴書を提出する必要が出てきた際に使いまわさないようにしましょう。
手書きで作成する場合の注意点
手書きで履歴書を作成する場合に使用する履歴書用紙は、コンビニエンスストアや100円ショップ、文房具店などで購入できるもので十分です。
履歴書に必要事項を記入する際には、鉛筆のように後から消すことができるものやカラーインクのペンなどではなく、必ず黒のボールペンを使用するようにしましょう。
また、記入時に文字を間違えてしまった場合には、修正液や修正テープなどで消して修正をするのではなく、新しい履歴書の用紙に書き直すようにしましょう。
このように、書き間違いをしてしまうと労力も履歴書の用紙も多く消費してしまうため、一文字一文字丁寧に記述していくことを心がけてください。
パソコンで作成する場合の注意点
パソコンで履歴書を作成する場合には、履歴書のフォーマットをダウンロードしてそれに記入していきます。
一般的な転職サイトからダウンロードできる履歴書のフォーマットには、自分が持つ障害の詳細について記入する欄がないため、自分で追加する必要があります。
また、フォントに関しては明朝体やゴシック体などの標準的なフォントを使用するようにし、奇をてらって普段使用しないようなフォントを使用するのは控えましょう。
使用する履歴書のテンプレートは、ブラウザでつくれる履歴書「yagish(ヤギッシュ)」のサイトからダウンロードすることができます。
ただしこのサイトには障害者枠での応募のための履歴書のテンプレートはないため、自分で作成する必要があります。
履歴書の基本情報の書き方
ここでは、履歴書の基本的な部分についての書き方について解説を行います。
以下の履歴書のテンプレートを参考にしてください。
①日付
まず、日付を記入します。この日付は履歴書を作成した日付ではなく、履歴書を志望企業に郵送する場合には投函する日時を、直接志望企業に持参する場合には持参する日時を記入します。
②写真
写真も履歴書自体と同じように、使いまわしは止めましょう。スピード証明写真で撮影した写真でも問題はありませんが、多少費用が嵩んでも写真館で撮影してもらうと、姿勢や表情、服装などについてもチェックしてもらえたりアドバイスをしてもらえたりするため、こちらをおすすめします。写真を撮影する際の服装は面接時と同様に、男性であれば黒や紺のスーツにきちんとネクタイを付けます。女性であれば髪の毛をすっきりとセットするか長い場合はまとめ、男性と同様に黒か紺のスーツに白のブラウスを着用し、ビジネスシーンに合った服装で撮影を行います。アクセサリーは男性女性ともに付けないことが基本ですが、女性がアクセサリーを付ける場合にはシンプルで華美過ぎないものにしましょう。髪の毛の色は黒が基本ですが、染める場合でも暗めの茶色程度に留めておくように気を付けておく必要があります。このように服装などを整えることで、健康的で清潔感のある印象を与える写真をとることができます。
③名前
名前を記入する際には、戸籍に記載があるとおりに略したりせずに記入しましょう。名前欄の上に「フリガナ」とある場合はカタカナで、「ふりがな」とある場合はふりがなで振り仮名を記入します。
④生年月日
生年月日は和暦・西暦どちらで記入しても構いませんが、記入する履歴書の中では和暦か西暦のどちらかに統一する必要があります。
⑤電話番号
電話番号は、市外局番から記入しましょう。
これ以外にメースアドレスを記入する欄がある履歴書があります。このような履歴書に手書きで記入する場合には、間違えないように記入するのはもちろんのこと、英字文字や数字は見間違えてしまうことが無いよう分かりやすく記入することが大切です。
学歴と職歴の記入のしかた
ここでは、履歴書の中の学歴や職歴などの記入方法について解説していきます。
以下の図を参考にしてください。
①学歴
①学歴は、一行目に「学歴」と見出しを記入し、高校の学歴から記入するのが一般的です。学校名は正式名称で記入し、県立・市立なども合わせて記入します。大学は大学の正式名称にあわせて学部名や専攻した学科なども記入するようにしましょう。
②職歴
②職歴は、最初の行に「職歴」と見出しを書き、基本的に正社員として在籍した会社名を記入します。しかし離職期間が長く、直近の経験がパートやアルバイト、派遣社員の場合には、パートやアルバイトで勤務した会社名を記入します。会社名を記入する際には部署名や配属先、簡単な業務内容を記入しておきます。これらの詳しい実績などは、職務経歴書に記載します。派遣社員として勤務していた場合には、登録社名と派遣先・派遣期間を記入します。
これらの学歴を記入する際の入学年と卒業年、会社への入社年と退社年を記入する際には、和暦と西暦どちらかに統一して記入しましょう。また、年月が間違っていないかという点についても注意が必要です。
現在の状況については、現在も会社に勤務している場合には「現在に至る」と記入し、すでに退職している場合には「一身上の都合により退職」と記入します。派遣登録で契約が満了している場合には、「期間満了につき退職」と記入しましょう。
これら全てを記入し終えたら、「以上」で締めます
③免許・資格
③免許・資格の書き方は、取得している資格が多く資格の記入欄に全て記入できない場合には、応募する業務に関連度が高い資格や免許を記入し、次に取得の難易度が高い資格を取得した順番に記入していきます。志望企業の業務に関連性が高い資格を勉強している場合には、自己アピールにもつながるため忘れずに記入するようにしましょう。
④志望動機・自己PR
④志望動機・自己PRについては、参考書やマニュアルに記載されている物をそのまま引用せずに、自分の言葉でしっかりと記入することが大切です。志望企業のどこに惹かれたのか、自分の知識や経験と業務にどのような関連があり、入社後にそれらを活かすことができるか、入社した場合に自分がどのように会社に貢献できるかという点を意識して記入しましょう。
障害者枠での雇用を希望する場合には、自分の障害や希望する配慮について記載する必要があります。しかし、一般的な履歴書の場合にはそのようなことを記入する欄がないため、別紙で作成することが多くなります。内容としては、障害者手帳の種類と等級、取得年月日、得意な業務と苦手な業務、企業や上司・同僚に求める合理的配慮、就労に関する主治医の意見などを記載します。