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40代の障害者が転職や就職をする際に注意すべきポイント

更新日:2024年05月31日

40代の障害者が転職や就職の際に注意するべきポイントとは?

障害の有無にかかわらず、就職や転職を行う場合には年齢が若い方が有利に働くとお考えの方も多いのではないでしょうか。確かに一般的な方法で就職や転職を行う場合には、年齢の若さが有利に働くこともあるでしょう。しかし、40代から就職や転職を希望する場合には、若い人とは異なる「経験」や「スキル」といった強い武器を用いることで、有利に転職や就職を進めることができるケースが多くあります。ここでは、現在の障害者雇用の現状と合わせて、40代の障害者の就職や転職について解説していきます。

障害者雇用の現状

障害者雇用の現状
2021年に厚生労働省が発表したデータによると、2020年の民間企業における障害者の雇用者数は約57.8万人となっていて、実質雇用率は2.15%となっており、法定雇用率を超えて障害者雇用を行っている企業は全体の48.6%に及んでいます。

雇用されている障害者の内訳は、身体障害者は35.6万人、知的障害者は13.4万人、精神障害者8.8万人となっており、雇用されている障害者のうち最も多いのは身体障害者となっています。

 

2004年以降の13年間は、雇用者数が連続して過去最高を更新していて、障害者雇用は増加の一途をたどっています。

ハローワークによる障害者の就職件数も2009年から2019年の間の10年間で約2.3倍に増加しており、その中でも特に精神障害者の就職件数は実に約4.5倍と非常に大きな伸びを見せています。

その理由として、2013年に障害者雇用促進法が改正され、企業に対する障害者雇用が促進されたことや、障害者雇用が社会的に認知されてきたことなどが理由となっています。

このようなことから、2020年には雇用障害者数と実雇用率、ともに過去最高を更新し、雇用障害者数は前年比で3.2%増の約57.8万人、実雇用率は前年比0.04ポイント増の2.15%に上っています。

雇用障害者数が増えている原因には、障害者雇用促進法の改正など以外にも、障害者ひとりひとりの働く意欲が高まってきていることも強く影響していると考えられます。

40代の就労状況

転職は35歳がリミット、という考えが少し前までのスタンダードでしたが、近年ではこの考え方に変化が見えてきています。

現在は労働者不足という環境であるため、40代の転職求人は増加傾向にあり、それは障害者雇用に関しても同様のことが言えます。

 

この10年間の間に、働き方改革などにより多様な働き方や、転職への理解が進んだことから、40代の方でも障害の有無を問わず転職しやすい状況になってきているようです。

 

定年退職の年齢が上がっていることも、40代の方の転職を有利に進めることができるようになってきた理由のひとつです。

「令和5年度障害者雇用実態調査結果」で雇用されている障害者を障害別・年齢階級別でみると次のようになっています。

 

精神障害者の年齢別割合

知的障害者の年齢別割合

発達障害者の年齢別割合

身体障害者の年齢別割合

年齢階級別で見ると身体障害者では、50代では32.2%と最も多くなっていて、次に多いのが60代、40代と続きます。身体障害者では比較的年配の方が多く雇用されているのがわかります。

また精神障害者でも、55歳以降の割合は下がりますが、25歳から54歳までは比較的同じくらい雇用されているのが分かります。

40代の方は定年退職までの期間が短いため、転職というチャレンジをせずに、現在の会社でそのまま我慢しようと考える方も多くいらっしゃいます。

 

しかし、売り手市場が続いた影響で人材を採用したくても採用できず、人手不足で困っている企業は多くあります。また、ベンチャー企業やスタートアップの企業などは、若い社員ばかりのため、知識やスキルを持ったベテランを採用したいと考えているケースも多いようです。これまで転職を考えていなかった障害を持つ40代の方にとっても、転職のチャンスは十分にあります。

自分に合った企業の求人は何かな?

など、障害者枠での転職をお考えの方は、一度障害者専門の転職エージェントに相談してみることをおすすめします。

参考:厚生労働省「令和5度障害者雇用実態調査結果」

障害者雇用と一般雇用の違い

障害者雇用とは、障害者手帳を持っている人を対象とした雇用枠のことをいい、応募も雇用も障害者手帳を交付されている人でないと行うことができません。
この障害者雇用と一般雇用の違いは、一般雇用は障害の有無にかかわらず誰でも応募することができますが、障害者雇用は障害者手帳を交付されている人のみが応募できます。

障害者雇用で採用されるメリットとしては、企業から応募の時点で障害があることを知った上で対応してもらうことができるため、障害への理解や障害の特性に応じた配慮を受けることができるということが挙げられます。
しかし、障害者雇用は一般雇用より雇用の枠が少なく、職種が限定される傾向が強いというデメリットもあるため、自分には一般雇用と障害者雇用のどちらが向いているかをよく考えて応募することが重要となります。

転職の際のポイント

40代の障害のある方が転職を行う際には、自己アピールの内容が非常に重要になります。
30代までの比較的若い方が転職を行う際には、自分が転職を希望する企業に対する熱量を中心にアピールすることが一般的です。

しかし、40代またはそれ以上の年齢の方が自己アピールを行う場合には、30代の方のように熱量をアピールするよりも、今までの経験と実績をアピールすることで転職が成功する確率が高くなります。

 

その企業に入社して「どのようなことがやりたいか」ということよりも、「どのようなことができるか」ということをメインにアピールすることで、自分を即戦力として売り込むことができるためです。

 

このように「どのようなことができるか」という点に加えて、自分の障害の特性を正確に把握し「どのようなことができないか」、「どのような配慮が必要か」という点についてもしっかりとアピールすることを忘れないようにしましょう。

 

この2点についてしっかりと企業側に把握してもらうことなく転職した場合、必要な配慮を受けることができずに体調を悪化させてしまったり、必要な通院時間が確保できなかったりなどの理由から、職場への長期定着が難しくかなることも考えられるため、注意しましょう。

 

それ以外に注意すべき点として、「謙虚な姿勢を保つ」ということも非常に大切です。

40代になれば、面接官が自分より若い方の場合もあるでしょう。
また、以前の職場で高い役職についていた場合もあると思いますが、面接を受ける際にはそのようなことは全て忘れて、一求職者としてふさわしい態度をとるように心がけましょう。

 

どのように仕事を探せばよいのか

では40代の障害を抱えた方は、どのような方法で仕事を探せばよいのでしょうか。

 

ハローワーク

ハローワークは、健康な方だけが仕事を探す場所ではなく、障害や難病のある方向けの専用の窓口があり、この窓口で自分の障害の特性に合った転職先や就職先を紹介してもらうことができます。

 

障害者雇用の転職サービス

障害者専門の転職サービスというものがあります。
障害者専門転職サービスでは、障害者を雇用したい企業と、転職または就職を行いたい障害者のマッチングを行ってくれます。

障害者専門転職サービスは、それぞれの企業が欲しい人材のタイプや、転職や就職を希望する企業のタイプを把握しているため、双方の希望に合った企業の紹介を行ってくれるので、早期に自分の希望通りの転職先や就職先を見つけることが可能です。

障害のある方が転職や就職を考えている場合には、ハローワークとともに障害者専門転職サービスの利用も視野に入れておくことをおすすめします。

atGP(アットジーピー)とは

atGP(アットジーピー)とは、株式会社ゼネラルパートナーズが運営する各種障害者の就職および転職支援サービスの総合ブランドです。

20年以上障害者の就職や転職の支援を行ってきた日本の障害者雇用のパイオニアともいえる存在が、このatGPです。

 

atGP就職や転職に関するサービスは、基本的に無料で受けることができます。

障害や難病のある方に将来のビジョンも含めて、ひとりひとり異なる不安や悩みに関して専属のエージェントが二人三脚で寄り添い、サポートを行ってくれます。

 

40代で障害のある方が就職や転職をしたいと思った場合には、atGPに相談することをおすすめします。

まとめ

ここまで、40代の障害のある方の転職や就職について解説してきました。
以前は難しかった40代からの転職も、労働者不足や定年の延長といった理由から、比較的容易になっていることがお分かりいただけたと思います。

 

容易になったとはいえ、30代以下の若い方と同じように熱量のみをアピールしただけでは採用に結びつく可能性は低くなってしまいます。

 

40代というミドル世代は今までの実績や経験など、これからできることについて謙虚な態度を忘れずにアピールすることが非常に重要になってきます。

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ライター:atGPLABO編集部(監修:戸田重央)

障害者専門の人材紹介として15年以上の経験とノウハウを活かし、障害者の雇用、就労をテーマとした情報発信活動を推進しています。 【監修者:戸田 重央プロフィール】 株式会社ゼネラルパートナーズ 障がい者総合研究所所長。 企業の障害者雇用コンサルタント業務に携わった後、2015年より聴覚障害専門の就労移行支援事業所「いそひと」を開所、初代施設長に。 2018年より障がい者総合研究所所長に就任。新しい障害者雇用・就労の在り方について実践的な研究や情報発信に努めている。 その知見が認められ、国会の参考人招致、新聞へのコメント、最近ではNHKでオリパラ調査で取材を受ける。 聴覚障害関連で雑誌への寄稿、講演会への登壇も多数。

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