うつ病で転職・再就職する時のポイントを体験談とともにご紹介
更新日:2026年02月10日

うつ病になったときに、現在の会社で健康だった時のように働き続けることができなくなることがあります。うつ病への理解があり、働きやすい企業に転職を考えるケースもあるでしょう。うつ病への理解があり働きやすい職場を見つけるための転職活動はどのように行えば良いのでしょうか?ここではうつ病を抱えている場合の転職活動について詳しく説明していきます。
目次
うつ病の方が転職前に準備したいこと
うつ病の人が転職・再就職を成功させるためには、自分の障害の状態と得意・不得意などの特性を知ることが重要なポイントになります。
それらを踏まえて、うつ病からの転職の進め方をご紹介します。
医療機関とのつながりを保ち、治療を続けること
転職するかどうかに関わらず、うつ病の人は医療機関とのつながりを保つことが大切です。
自分の判断で治療を中止したり、お薬の服用を止めたりすると、症状の悪化や再発を引き起こすことがあります。
自分で判断せずに、医療機関とのつながりを保ちながら、転職活動を進めましょう。
自己分析を行い、自分に合った仕事や環境を整理すること
転職活動や再就職を進めるには、自己分析は欠かせません。自分の強みや弱みなどを把握したうえで、業界・職種研究などを行い、「自分に合った仕事や環境」について整理することが大切です。
ストレスを感じやすい状況を振り返り、ストレスを感じるとどのようなサインが表れる傾向があるかなどを理解しておくことも必要でしょう。
どのようなサインが出やすいかを理解しておくことで、再発や症状の悪化を予防することにもつながります。
適切な働き方を考えること
「働きやすさ」は人によってさまざまです。そのため、自分の特性を把握した上で、自分に合った働きやすい環境を探していきましょう。
自分にあわない環境で無理をすると、せっかく転職できても、就職後に再び体調を崩す可能性があります。
業種や職種に加えて、「自分にとっての適切な働き方」も考えながら転職活動を行っていきましょう。
うつ病を抱えながら転職する時の4つのポイント
うつ病を抱えながらの転職は、エネルギー管理が何より大切です。無理せず着実に次の一歩を踏み出すための「4つのポイント」を紹介します。
転職をゴールとするのではなく、職場で活躍できることをゴールに設定
体調を崩す前の働き方の改善点と現在の体調を踏まえ、長く働き続けるために必要な工夫、配慮、環境を会社側に依頼、共有する。

客観的な視点やトレーニングを取り入れた
職員や他通所者から客観的な情報を得たり、体験やトレーニング通して、就職後にどの程度のパフォーマンスを発揮できるか確認する。
一人で悩まず、主治医や就労移行支援の職員に相談する
一人で転職や生活に関わる事を判断せずに、主治医や就労移行支援施設の職員と情報を共有し、悩みを抱え込まず、よく相談してから決める。
心身ともに負担にならない転職スケジュールを立てる
転職活動には、想像以上に多くのエネルギーが必要です。特に体調に波がある時期は、「無理のないペース」を計画の軸に据えることが、長期的な成功への近道となります。
| ● エネルギーの波に合わせる
比較的調子が良い時間帯を活動に、低い時間を休息に充てるなど、自分なりのメリハリを大切にしましょう。 ● 睡眠を最優先に 不眠の傾向がある場合は、1日の活動量をセーブしてでも睡眠時間を確保することを優先してください。 |
体調が安定してこそ、冷静で納得のいく判断ができるようになります。余裕を持ったスケジュールを立てることは、単なる休息ではなく、「再発や悪化のリスクを抑えるための攻めの戦略」です。自分を追い込みすぎず、一歩ずつ進んでいきましょう。
うつ病への理解があり働きやすい職場を見つけるための転職活動は簡単なものではありません。
「自分一人で転職活動をするのは不安だ・・」
「自分に合った求人がどれか分からない。。」
そんな人は、障害者専門の転職エージェントに相談しながら二人三脚で転職活動を進めるのがおすすめです。

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うつ病の治療中は経済面の支援を活用する
うつ病の治療中はなるべく治療に専念することが大切です。しかし、休職中や療養中には、経済面での不安を抱える方も多いと思います。
ここではうつ病の治療中に利用できる公的な経済的支援制度について紹介します。
障害者手帳(精神障害者保健福祉手帳)
うつ病になり転職する場合には、現在の会社よりも病気への理解が深い会社へ転職することが必要になることもあります。
そのためには障害者雇用での転職という選択肢を考慮しましょう。
うつ病の方を採用した実績のある企業の求人から探してみるのがおすすめです。

障害者雇用という選択肢を希望する際には、精神障害者保健福祉手帳の交付が必要になります。
障害者雇用のメリットは、うつ病と付き合いながら働き続けられるように職場環境を調整できることです。
障害者雇用では働く上で必要な「配慮事項」を会社側に希望することができます。
それ以外にも精神障害者保健福祉手帳を持つことには携帯電話や公共交通機関の利用料金が割引されるというメリットもあります。
精神障害者保健福祉手帳の交付を受けることで転職をスムーズに行うためのサービスや制度を利用することができるので、うつ病への理解があり働きやすい職場を見つけるための転職を希望する方にはこの手帳の交付を受けることをお勧めします。
自立支援医療(精神通院医療)
自立支援医療とは、身体障害者や精神疾患の医療費の上限を決めて、患者にそれ以上の医療費の負担がかからないよう代わりに公費で負担してくれる制度のことです。
通常は公的医療保険で医療費が原則3割負担のところ、制度を利用すると原則1割負担になります。さらに世帯の所得や疾病等に応じた軽減があります。
申請手続きの詳細については、お住まいの自治体の障害福祉課などの窓口へお問い合わせください。
傷病手当金
傷病手当金とは、病気やけがで働くことができなくなった場合に、全国健康保険協会から受け取ることができる手当のことです。この傷病手当金の支給期間は、最長で1年6か月受け取ることが可能です。受給するためには、以下の条件を満たす必要があります。
| ● 休職している期間中に給与が出ないこと、または退職していて収入がない状態であること
● ケガや病気が業務外の理由であること ● 連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと |
傷病手当金の受給対象になるかどうかの確認は、人事部や健康保険組合などにご相談ください。
障害年金
病気や怪我などによって生活や仕事が制限される状態になってしまった場合に、現役世代の人も含めた人が受け取ることができる年金のことです。障害者手帳を持っていなくても障害年金を受給することができ、うつ病の方も要件を満たせば申請可能です。
受給要件の詳細については、年金事務所や年金相談センターなどにお問い合わせください。
うつ病を抱える人の療養から就職まで~Aさんの場合~
人事総務の仕事をしていたAさんは、あるときから不眠に悩まされるようになり、睡眠不足で業務に集中できなく、仕事でもミスが目立つようになりました。このような状況が4か月目を迎えた時期のある朝、突然体が思うように動かせなくなり、出勤できない状態になってしまいます。そこで友だちからの勧めにより精神科で診察を受け、うつ病という診断を受けました。
休職して服薬と休養をとったため、2か月後には少し体調も改善したので、以前の激務の仕事とは異なる監査の仕事を行う部署に配置転換となり、勤務に復帰しました。しかし、復帰後わずか一週間でベッドから起き上がれない状態になり、再び休職することになってしまいます。この時の休職期間は6か月にも及び、それでも心身ともに回復が見られず、ついには人事と相談の上、会社を退職することになりました。
その後、悩み続ける日々の中、ある日インターネットでうつ病患者のへの支援や就労問題などについて調べた結果、「就労移行支援サービス」というものにたどり着きました。
このサービスの存在を知ったAさんは、複数の施設を訪ねプログラムや雰囲気を確認するだけでなく、Aさん自身の現状をスタッフに相談し解決策を模索した結果、うつ症状専門の施設に体験入所後、自分に向いている施設だと感じたため、通所を開始しました。
うつ病専門の施設がAさん自身に向いていると思った理由は、
| ● 自分と同じ悩みを持った通所者が集まっており安心感がある
● 通所者自身の現在の悩みを話し合うプログラムがある ● 職業トレーニングのプログラムがある為実際に働く時と近い状態で体調を管理できる ● 毎月1~4名の通所者が転職している実績がある ● PC操作など分からないことがあれば他の通所者や職員かからサポートを受られる |
ことなどでした。
職員のアドバイスや主治医との相談などの支援を受けながらAさん本人も社会復帰を目指した結果、通所7か月目には体力的な自信も持てるようになり、就職活動を始めることになりました。この時Aさんは、周りの方に理解のある職場でサポートを受けられるほうが働きやすくなると分かり、障害者雇用で働くことを決意します。
このようにうつ病を抱えたAさんが転職をするためには長い準備期間が必要になりましたが、結果としてAさん自身が病気を抱えながらも長く就労することが可能な会社に採用されることになったのです。
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転職活動に疲れた時の対処法
転職活動が長引いたり、思うような結果が出なかったりすると、焦りや不安が募るものです。特にメンタル面での課題を抱えながらの活動は、人一倍のエネルギーを消耗します。
「今は少し疲れたな」と感じたときに、心を整えるためのヒントをまとめました。
「うまくいかない時」の心の切り替え方
選考の結果が振るわないと、つい自分を否定したくなるかもしれません。しかし、そんな時こそ「今はうつ病の影響もあり、通常よりハードルの高いことに挑戦している」と、今の状況を客観的に認めてあげることが大切です。
| ● 思い切って「休止」する
一旦活動を止め、趣味や休息に専念する期間を作るのも立派な戦略です。 ● ハードルを下げる 「今日はサイトを見るだけ」といった小さな目標に切り替え、自信のすり減りを防ぎましょう。 |
転職活動と休息の「黄金比」を見つける
活動を「生活のすべて」にしないことが、燃え尽きを防ぐ鍵です。1日の中で活動時間を明確に区切り、「オフの時間」を意識的に作りましょう。
| ● スケジュール例
「午前中は情報収集、午後は応募書類の作成、17時以降は活動禁止」など。 ● リフレッシュを取り入れる 散歩や深呼吸、軽いストレッチなどで、活動で凝り固まった心身をほぐす時間を持ってください。 |
ストレスを軽減するセルフケア
日々のセルフケアを継続することは、安定して働き続けるための「予行演習」にもなります。
| ● 基本の徹底
規則正しい食事と、十分な睡眠を確保すること。 ● 感情の書き出し(ジャーナリング) 日記にその日の進捗やモヤモヤした感情を書き出すことで、頭の中が整理され、ストレスが軽減されます。 |
「小さな成功体験」を積み上げる
転職活動中は自己評価が下がりがちですが、実は「行動できていること自体」が素晴らしいことです。結果(合否)だけでなく、そこに至るまでのプロセスを褒めてあげてください。
| ●「企業への応募ボタンを押せた」
●「主治医に転職の相談ができた」 ●「履歴書の1行を書き直した」 |
こうした小さな一歩を「成功」としてカウントしましょう。成功体験の積み重ねが、不安を和らげ、次へ進むためのエネルギー(自信)に変わっていきます。
うつ病で転職・再就職する際に活用できる支援機関
うつ病の方が働く際に活用できる支援機関があります。障害や体調について相談したり、支援を受けたりすることができます。
ハローワーク
ハローワークには、障害のある人のために専門の職員や相談員が配置されています。障害への専門的な知識のある担当者が、求人を紹介したり、その他の就労に必要な情報や知識、訓練を提供し、幅広いサポートをおこなっています。
一般求人と障害者求人のどちらが自分に合うのか分からない方も、まずは障害者相談窓口で相談してみてください。
地域障害者職業センター
独立行政法人高齢障害求職者支援機構が運営する障害者の就労に関わる相談や支援(専門的職業リハビリテーション)をおこなう機関です。
具体的には職業評価、職業指導、職業準備訓練および職場適応援助を提供します。直接求人を紹介してくれる施設ではありませんが、ハローワークと密接に連携しているため、求人に合わせた支援を受けることができます。
就労移行支援事業所
就労移行支援事業所は、一般企業への就職を目指す障害者の方が、働くために必要な知識やスキルの習得をサポートする通所型の福祉サービスです。
大きく分けて「職業訓練」「就職活動のサポート」「職場定着支援」の3つのサービスが受けられます。障害者手帳を持っていなくても、働くことに相応の障害(困難さ)があると認められる場合には利用できます。
うつ病の方が、自身の能力を最大限に発揮して働くには、職場の理解や協力が必要です。
就労移行支援事業所では、入社後も担当者が定期的に職場を訪問してくれるので、働きにくいと感じた時には相談することができます。 就職してから最大で3年6ヶ月までサポートが受けられます。
就労移行支援事業所の中には特定の障害に特化した事業所もあるので、利用する際には、自身に合った事業所を選びましょう。
うつ病の方の転職・再就職に関するよくある質問
Q1. 転職が原因でうつ病になることは本当にあるのでしょうか?
A. はい、十分にあり得ます。
転職は生活環境、人間関係、仕事のプレッシャーなど、人生における「大きな変化」の連続です。
・新しい環境に適応しようとする過度なストレス
・「早く成果を出さなければ」という自分への追い込み
これらが引き金となり、心身を崩してしまうケースは少なくありません。特に過去に経験がある方は、再発リスクを念頭に置いた慎重なペース配分が重要です。
Q2. 転職後の不調がうつ病かどうか、どう判断すればよいですか?
A. 「2週間」という期間を目安に、専門医の診断を仰いでください。
慣れない環境での疲れと病気の区別は、自分一人では非常に困難です。
・気分の落ち込みや強い倦怠感が続いている
・眠れない、または途中で目が覚める
・食欲がわかない
こうした症状が2週間以上続く場合は、精神科や心療内科の受診を強く推奨します。
Q3. 仕事を辞めたあと、どんな支援を受けることができますか?
A. 福祉制度を通じて、段階的な復帰支援を受けることが可能です。
再就職を急がず、まずは土台を整えるためのサポートが用意されています。
・生活リズムの安定: 規則正しい生活を取り戻す訓練
・スキル習得・職場実習: 実際の業務に近い形でのリハビリ
・再就職サポート: 履歴書添削や企業とのマッチング
これらは自治体の福祉窓口や、専門の支援機関(就労移行支援など)で相談できます。
Q4. また働けるようになる自信がありません。
A. 不安は自然な反応です。「いきなり完璧」を目指さないことがコツです。
「また同じことになるのでは」と怖くなるのは、あなたがそれだけ真剣な証拠です。
・まずは短時間の外出や日中活動から始める
・スモールステップで「できた」を積み重ねる
専門スタッフの伴走があれば、一人で抱え込むよりもずっと安心して自信を取り戻していけます。
Q5. うつ病があると企業に嫌がられないか心配です。
A. 現在、企業の理解は進んでおり、自分に合った職場は必ず見つかります。
「病気=採用されない」という時代ではありません。
・合理的配慮: 企業には、障害や病気を持つ人が働きやすい環境を整える義務があります。
・専門枠の活用: 障害者雇用枠などを利用すれば、最初から配慮を受けた状態でスタートできます。
無理をして合わせるのではなく、「自分の特性を受け入れてくれる環境」を選ぶという視点が大切です。
まとめ
うつ病を抱えながら転職、または再就職する場合、大切なのは焦らないことです。現時点で症状が軽くなっていたり、寛解していたりしても、また仕事を始めれば再発して、休職や離職のリスクは高くなる可能性があります。
まずはしっかりと休養をしたうえで、これまでの経験を振り返りながら、自身の障害に合った仕事か、働きやすい環境の職場かなどを十分に考えてみるといいでしょう。
その際には一人で抱え込まずに、身近な人を頼ったり、今回ご紹介したようなサポート機関を活用したりすることもおすすめです。









