RPAって何?障害者雇用への影響はあるの?
更新日:2022年03月18日
業務を効率化して、人手不足と働き方改革への対応といった、企業の経営課題を解決する切り札として、最近注目されているのが「RPA(Robotic Process Automation)」です。今後導入が広がると予想される「RPA」は、障害者雇用にどのような影響を与えるのでしょうか。
目次
RPAとは?
「RPA」とは、「Robotic Process Automation」の頭文字を取ったものです。これまで人間がコンピューターを使って行っていた定型の作業を、ソフトウェアロボットで自動化することを指していて、「仮想知的労働者(デジタルレイバー)」と呼ばれることもあります。
「RPA」と混同しやすいものに、最近ニュースなどでもよく耳にする「AI」があります。「RPA」と「AI」の違いは、「RPA」が人間が設定したルールに従って動くのに対して、「AI」はシステムが独自に学習して判断するというものです。
RPAの代表的な機能
「RPA」の役割は業務の自動化です。その機能には大きく分けて次の5つがあります。
①自動入力機能
文字の入力など、キーボードを操作して行う業務を自動化することができます。他にもマウスで行う動作も自動化が可能です。
②情報収集機能
他のシステムやWebページなどから、自動的に情報を収集することができます。
③ソフトやシステムの起動・操作機能
ソフトやシステムを起動・操作することができます。起動する際に、IDやパスワードの入力が必要な場合にも、これらを一連の動作として自動化することも可能です。
④自動出力機能
業務報告書などレポートを自動的に出力することができます。定型のフォーマットのレポートであれば自動で出力できるため、報告書の作成や出力の手間や時間を削減することができます。
⑤定型文の送信機能
例えば、残業時間をチェックして、残業時間が多くなっている社員にメッセージを送るなど、一定の条件になった場合に自動で定型文を送ることができます。
RPAができる業務
RPAが対応可能な業務には、次のようなものがあります。
・ 伝票入力、請求書データの入力
・支払い対応の実行、交通費の精算
・顧客データ収集、ターゲット客のリスト化
・商品情報の収集、広告レポートの作成
・在庫状況の確認
RPAは、上記のような手順が決められている定型の業務を自動化するツールです。RPAを活用すれば、これまで事務員が何時間もかけてしていた業務をわずかな時間で行うことができます。一方で、その時々に判断が必要な非定型の作業には向いていません。
RPA導入が進んでいる背景
RPAによって業務効率が大きく向上することで、企業はデータ入力など単純作業を行う事務部門の人員を削減することができるため、今後は事務職などの求人が減る可能性があります。
RPAの普及は、就労移行支援事業所などで習得したパソコンスキルを活かして、事務作業を担当する障害者の働く場を奪うことになるかもしれません。
一方で、企業の中にRPAの知識や運用が行えるスキルを持った人材が不足していることから、RPAの導入や活用が十分に進んでいないという課題もあります。今後、RPAを導入する企業が増える中で、RPAのスキルを持つ人材のニーズは、さらに高くなると予想されます。
企業の中には、障害者をRPA人材に育成する支援を行っているケースもあります。
RPAスキルを習得するには
RPAは、プログラミングなど専門知識があまりない人でも使いやすいツールですが、機能を十分に理解して運用をしていくためには、RPAについての基礎知識や利用方法を学ぶ必要があります。
RPAに必要なスキル
RPAのツールにはExcelに対応した機能を備えているものが多くあります。Excelを使用する業務をRPAで自動化する際には、「マクロ」や「VBA」に関する知識を持っているとワークフローの構築がスムーズです。
また、WEBサイトに関する業務をRPAで自動化する場合には、「HTML」などに関する知識を習得しておくとよいでしょう。
RPAで業務を自動化する際にもっとも必要なのは、その業務に関する知識です。例えば、経理の業務であれば簿記についての知識があれば、ワークフローを作成しやすいでしょう。
RPAを学ぶ方法
RPAについて学習するには次のような方法があります。
①オンライン学習サービスの利用
②講座や研修での学習
③書籍で学習
④各RPA製品のサポートを活用
これらの中から自分に合った方法で学習するとよいでしょう。
なお、障害のある方の就労移行支援サービス「atGPジョブトレ」では、ビジネススキル習得のための「RPAトレーニング研修」を提供しています。「RPAトレーニング」は、プログラミングの知識がなくても習得が可能で、概念からツールの使い方、開発の仕方まで幅広く学ぶことができます。
受講スタイルは、特別講師による、個別もしくは少人数でのセッションと自習形式です。