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聴覚障害や難聴のある方が働きやすい仕事を探す方法を徹底解説!

更新日:2021年11月04日

聴覚障害や難聴のある方の中には、就職や転職をお考えの方もいらっしゃると思います。しかし、職場探しに苦労されている方も多いのではないでしょうか。 聴覚障害や難聴のある方が安心して実力を発揮するためには、抱えている障害に合った職種や職場を選ぶ必要があります。 ここでは、聴覚障害や難聴のある方の仕事探しの方法について解説していきます。
 

聴覚障害・難聴とは

聴覚障害を医学的に解説すると、外部の音声情報を送るための部位のいずれかに障害があるために耳が聞こえにくい、または全く聞こえない状態、となります。

 

ひとくちに聴覚障害といっても全く聞こえなかったり、補聴器を使えばある程度は聞こえる人と同じような生活ができる人もいれば、音がゆがんだようになり内容が聞き分けにくくなるなどその症状はさまざまです。
また、聴覚障害は聞こえの程度などによってろう、中途失聴、難聴の大きく3つの種類に分けられます。

 

 

ろう

ろうとは、聴力レベルが100dB以上で身体障害者手帳では2級に相当する状態と、両耳がほぼ聞こえないか全く聞こえずに日常的な会話の第一言語として手話を使用している方をいいます。このろうの方は、音声での言語習得以前に聴力を失っている方がほとんどです。

 

難聴

難聴とは、聴力が残っていても音が聞き取りづらい状態のことをいいます。聞こえの程度は人により異なり、聞こえづらさの原因や難聴の原因となっている期間によって「感音性難聴」、「伝音声難聴」、「混合性難聴」の3つに分けられます。

 

中途失聴

中途失聴とは、音声言語の習得後に事故や病気などの原因により聴力を失ってしまった方のことをいいます。コミュニケーションを取る場合には手話ではなく言語を用いる方が多く、耳がほぼ聞こえない状態でも話をすることができるケースがほとんどです。

聴覚障害がある方が働く上でハードルになること

聴覚障害がある方が、一般の会社で働く上でハードルになりやすいことがあります。ここでは、そのハードルになりやすい点を3点解説していきます。
 
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会話中に疑問に思ったことなどを確認しづらい

聴覚障害がある方は、ただ単に音が聞こえづらいだけだと思われがちですが、音の聞き取りだけではなく、会話などの中から自分が受け取った情報が間違っていないか確認することが難しいという問題があります。

 

その理由は会話の相手に何度も聞き返すことを悪いと思ってしまったり、単語の聞き分け(あるいは口形の読み取り)が困難であるために集中しすぎて疲れたりしてしまうといったことです。

 

体調不良

聴覚障害の方の中には内耳に障害のある方もあり、平衡感覚をつかさどる器官でもあるため、めまいや吐き気などといった体調不良を起こしやすいという特徴があります。
また、気圧や天候の変化の影響も受けやすく、体調不良になることも珍しくありません。

 

多人数での会話の聞き分けが難しい

多くの人が会話する会議やミーティングといったシーンも、聴覚障害のある方は苦手することが多いようです。

 

聴覚障害があるために人の声の聞き分けが上手にできず、誰が何を話しているかということや議論がどのように進んでいるかを把握するのが難しくなってしまうためです。

聴覚障害のある方が働きやすい職場・業界・職種とは

聴覚障害のある方には、働きやすい職場や業界、職種というものがあります。ここでは、これらのことについて解説していきます。

 

働きやすい職場とは

聴覚障害のある方にとって働きやすい職場とは、何よりも「聴覚障害に対する理解がある職場」です。

 

聴覚障害のある方は、会話中に何度も聞き直したり、疑問に思った点を質問したりすることが多くなりますが、そのようなことを繰り返しても職場の方が聴覚障害に理解を持ち、嫌な顔をされることがなく丁寧に質問や疑問に答えてくれるという点が重要になります。

 

それ以外にも会議やミーティングの席では、パソコンのチャットツールやスマホの音声認識アプリなどを活用して誰が何を話しているかをはっきりさせるなど、支援ツールを利用することに理解ならびに推奨してくれる職場環境であることも重要です。

 

さらに聴覚障害の方は気圧や天候の変化などの影響から、体調を崩しやすいこともあるため、その点についても理解がある職場である必要があります。

 

 

おすすめの業界

聴覚障害のある方におすすめの業界は、プログラマーなどパソコンのスキルを活かすことができる業界や、医療・福祉の業界です。

パソコンのスキルを活かすことができる業界は、基本的にパソコンと向き合って仕事をすることが多く、また連絡事項もメールやチャットなどのツールを利用することが多いため、聴覚障害による不便を感じにくいでしょう。

また医療・福祉関係の仕事も、聴覚障害のある方におすすめの業界であるといえます。仕事柄、周囲の人から聴覚障害に対する理解が得やすいためです。障害者雇用枠などで就職することで、さらに合理的配慮が得やすくなります。

 

おすすめの業種

聴覚障害のある方におすすめの業種には事務職系、軽作業系、エンジニア系、デザイン系などの業種が挙げられます。

事務職系は電話対応をしなければならないといったイメージをお持ちの方もいらっしゃると思いますが、事務職系の仕事には電話対応以外にもデータ入力作業やファイリング作業なども多いため、働きやすい業種です。このような作業には高い集中力が求められるため、一つの仕事に没頭することができる集中力の持ち主に特に向いています。

 

軽作業系の業種は、耳できいて仕事をするよりも目視により状況を判断することが多いため、聴覚障害のある方に向いている仕事です。

 

エンジニア系の仕事は、パソコンのスキルがある聴覚障害のある方におすすめの業種です。情報のやり取りもメールなどのテキストを利用することが多いため、聴覚障害の方でも不便を感じることは少ないでしょう。

 

デザイン系の仕事は、見る力とセンスが問われる仕事なのでそのようなスキルに自信がある聴覚障害のある方におすすめの業種です。

聴覚障害の方の転職活動のポイント

聴覚障害のある方が転職活動を行う場合には、いくつかのポイントを知っておくと転職活動をスムーズに勧めることができます。
ここでは、そのポイントについて解説していきます。
 
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聴覚障害の方が転職・再就職する際のコツ

聴覚障害のある方が転職や再就職をする場合には、自分が抱える障害について正しく理解し、どのような配慮をしてもらえば自分の実力を発揮して長くその職場で働き続けることができるかという点を具体的にしておくことです。

 

また周囲の人の理解を得るためにも、自分にできることやできないこと、してほしいサポートなどを具体的に伝えられるようにしておくと良いでしょう。

 

スキルに自信がない場合

聴覚障害のある方が転職や再就職をする場合、これまでの自らの経験やスキルという「仕事」の面での棚卸しと、障害に対して必要とする配慮を具体的にするという作業が必要です。

 

その際に、スキルに自信がないことや、中途受傷の場合、これまでの経験だと自分の障害で配慮をもらうことが難しいというような不安があるかもしれません。

 

そんなときに利用できるのが、聴覚障害のある方にあった就労移行支援事業所です。事務などのスキルを磨きながら、コミュニケーションや聞こえの程度を人に伝える等、聴覚障害に特化したトレーニングをすることで、転職に向けて自信をつけることができます。

 

しごとLABOを運営するatGPの就労移行支援事業所「atGPジョブトレ 聴覚障害コース」では、聴覚障害の方に特化した就労移行支援サービスを提供しています。

 

 

聴覚障害の方でも働きやすい仕事を選ぶ

向いている仕事に就くことで長く定着して働き続けることができるでしょう。

聴覚障害のある方に向いていない仕事には接客、販売業などがあり、このような仕事についてしまうと聴覚障害による不便さから仕事をうまくこなすことができなくなってしまうことが予想されるため、仕事を選ぶ際は聴覚障害のある方に向いている仕事を選ぶようにしましょう。

 

 

就職先の障害配慮に関する取り組みを確認

就職を希望する会社が、聴覚障害に限らず障害のある方にどの程度の合理的配慮を行っているかということを事前に調べておくことは非常に重要です。面接の際に、自分がどの程度コミュニケ―ションなどの分野でサポートが必要なのかという点を明確に会社側に伝えておきましょう。

 

また、業務を円滑に勧めるために、使用を許可してほしかったり導入してほしかったりするサポートツールがあれば、この点も会社側に確認しておくことをおすすめします。

 

 

聴覚障害に合った仕事に就くにはエージェントサービスなどの利用がおすすめ

聴覚障害のある方に合った仕事に就くためには、エージェントサービスの利用がおすすめです。
障害者専門のエージェントサービスは、障害に合った求人を紹介してくれる以外にも、専任のエージェントが履歴書など必要書類の書き方から模擬面接に至るまでサポートしてくれます。

聴覚障害のある方の希望と、採用する会社側の希望を十分にヒアリングしたうえでマッチングしてくれるため、就職後も安定して働き続けることができます。

 

atGPエージェント

聴覚障害の方の職探しに利用したいサービス

聴覚障害のある方の職探しにぜひとも利用してほしいのが、ハローワークと障害者専用転職サービスです。ここでは、この2つのサービスについて解説していきます。

 

ハローワーク

ハローワークには、障害がある方のために専門の職員や指導員が配置されていて、求職申込みから求職後のサポートまで一貫した職業紹介と就業指導を行ってくれます。
その方に合った求人が無い場合には、合う求人を開拓したり、必要であれば面接に同行してくれたりといったサポートを行ってくれます。
それ以外にも障害者を対象にした就職面接会の実施していて、障害や難病のある方はこのような面接会を利用して職探しを行うこともできます。

 

障害者専用転職サービス

障害者専用転職サービスは民間の企業で、利用料金は一切必要ありません。個別に専任のエージェントが付き、その方の障害の特性や働きたいと思う職種に応じた求人を紹介してくれます。

就職先の紹介から必要書類の作成法、面接指導、採用後のアフターフォローまで行ってくれ、会社側との交渉なども任せることができるため、転職をスムーズに勧めることができます。

 

聴覚障害のある方が転職を考えている場合には、このような障害者専用転職サービスを積極的に利用してみましょう。

 

atGPエージェント

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ライター:atGPLABO編集部(監修:戸田重央)

障害者専門の人材紹介として15年以上の経験とノウハウを活かし、障害者の雇用、就労をテーマとした情報発信活動を推進しています。 【監修者:戸田 重央プロフィール】 株式会社ゼネラルパートナーズ 障がい者総合研究所所長。 企業の障害者雇用コンサルタント業務に携わった後、2015年より聴覚障害専門の就労移行支援事業所「いそひと」を開所、初代施設長に。 2018年より障がい者総合研究所所長に就任。新しい障害者雇用・就労の在り方について実践的な研究や情報発信に努めている。 その知見が認められ、国会の参考人招致、新聞へのコメント、最近ではNHKでオリパラ調査で取材を受ける。 聴覚障害関連で雑誌への寄稿、講演会への登壇も多数。

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