障がい者(障害者)の求人転職情報・雇用支援サービス

お役立ち情報

ADHDのある方は、片付けが苦手?できない理由と片づけるコツ

更新日:2024年09月20日

ADHDの人の特徴に部屋の片付けが苦手なことがあります。「片付けようと思ってもやり方がわからない」「使ったものを元に戻せない」「片付けの途中で違うことを始めてしまって終わらない」など、これらは本人のやる気の無さではなく、ADHDの人の特性が原因です。本記事では、ADHDの人の特性と片付けが苦手な理由、片づけるコツを紹介します。
 

ADHDの特性

ADHDは、「不注意」と「多動性・衝動性」を特徴に持つ発達障害のひとつです。主な特性は以下の通りですが、不注意と多動性・衝動性の両方がある場合と、どちらかが優位に現れる場合があります。

 

不注意の特性例

・物事を順序立てて進めることができない

・忘れ物が多い、物をなくす

・気が散りやすい

 

多動性・衝動性の特性例

・じっとしていられない

・そわそわと手足を動かす

・待つことが苦手

・しゃべりすぎることがある

・衝動的な感情や行動を抑えられない
 
「どうやって仕事を探せばいいんだろう・・」そんなあなたには簡単1分でタイプ別にわかる!仕事の探し方診断がおすすめです。
 
→【LINEおともだち追加】で診断してみる

ADHDの人の片付けに関する悩み

ADHDの人は、不注意と多動性・衝動性の特性から、片付けに関する悩みを持っていることがあります。

 

必要なものが見つからなくて困る

片付けが苦手な方は、部屋の中に物を置く場所を決めていないため、必要なものが見つからなくて困ることがよくあります。

 

「出かけようと思ったら家の鍵が見つからない」「大事な書類が見つからない」など、必要な物がすぐに見つからないと、探す時間が無駄になります。物を探して家を出るのが遅くなれば、会社や学校に遅刻したり、友人との待ち合わせに遅れてしまうこともあります。

 

経済的な無駄が発生する

部屋を片付けられないと、自分が持ってるものを探すことができないため、また買ってしまうことになります。片付けができないと時間だけでなく経済的にも無駄が発生します。

 

健康を害する可能性がある

部屋を片付けられないと、床にも物が散乱していて掃除ができません。掃除をしないと、ホコリや湿気が部屋の中に溜まってしまい、カビやダニが発生する原因になります。カビやダニを放置すると、アレルギー性鼻炎や気管支ぜんそく、アトピー性皮膚炎などの健康被害を引き起こします。

 

精神的に落ち着けない

片付けていない部屋で生活していると、視界に入る情報量が多いため、脳の処理が追いつかずに集中力が低下します。また、常に物を探したり、片付けてられないことで自己肯定感が低下して、ストレスにつながることもあります。

ADHDの人が片付けられない理由

ADHDの人が片付けが苦手なのには、次のような理由があります。

 

捨てられずに物が増える

ADHDの方は、衝動性が強いため、必要かどうか良く考えず衝動的に物を買ってしまうことがあります。また、片付けられていないことから、既に持っていることに気づかず同じものを複数買ってしまうこともあるため、物が増えていきます。

 

不要なものを捨てることができれば、物はそれほど増えないのですが、ADHDの人は捨てるべきものと残すべきものの判断が難しいため、物を捨てることができません。

 

先延ばししやすい

ADHDの人の中には、やりたいことを先にやってしまい、やるべきことを後回しにして先延ばしするクセがある人が多くいます。優先順位を好きか嫌いかで判断してしまいがちで、好きなことは積極的に取り組めるのに、興味がわかないことは先延ばしにしてしまいます。

 

これは、ADHDの人は満足感や達成感をつかさどる脳の報酬系機能が弱いためで、長期的な利益のために我慢することができず、今の感情を優先する特性によるものです。

 

実行機能の弱さ

「実行機能」とは、目的を達成するために、計画を立てて自分の行動や思考、感情をコントロールする脳の機能のことです。具体的には以下の4つの機能があげられます。

 

①行動を分析し、組み立てて優先順位をつけて行う能力

②一つの情報を記憶しながら、他の作業を行う作業記憶(ワーキングメモリー)

③感情、動機、覚醒レベルの自己調整能力

④会話の内在化

 

ADHDの人は実行機能が弱いため、物事の優先順位づけや段取りが苦手です。そのため、片付けようと思っても、どこから始めれば良いのか、どう進めていけば良いのか判断できません。また、作業記憶(ワーキングメモリー)が小さいため、何かをしようと思っても、すぐに忘れてしまうため片付けが進みません。

 

脳内の多動

脳内の多動とは、頭の中で思考が多動している状態を表します。ADHDの人は、さまざまな思考が同時に発生して、一つのタスクに集中するのが困難になります。そのため、他の事に気が散ってしまったり、急に思いついて違うことを始めてしまったりと、片付けがなかなか終わりません。

 

過集中

ADHDの人は、他の事に気が散りやすい反面、特定のことに過度に集中する一面もあります。これが過集中です。片付けを始めたものの、ふとしたきっかけで全く関係ないことに没頭してしまい、結局片付けが進まないという状況になってしまいます。
 
「どうやって仕事を探せばいいんだろう・・」そんなあなたには簡単1分でタイプ別にわかる!仕事の探し方診断がおすすめです。
 
→【LINEおともだち追加】で診断してみる

ADHDの人が部屋を片付けるコツ

ADHDの人が部屋を片付けるコツを紹介します。

 

片付ける場所を絞る

ADHDの人は計画を立てて物事を進めるのが苦手なので、部屋の片付けをする場合、目についたところから手をつけてしまいます。その結果、片付けが中途半端になりがちです。

 

部屋を片付ける場合は、まず1か所に絞って進めてみましょう。それによってやるべきことが明確になって、集中して取り組むことができます。

 

片付けのルールを決める

ADHDの人は、優先順位をつけて物事を進めるのも苦手です。片付けをする場合には、片付ける場所の順番や進め方、タイムスケジュールなどのルールをあらかじめ決めておくと、迷わずにスムーズに進められます。決めたルールは紙に書いて貼っておきましょう、

 

時間を制限して集中して片付けをする

時間を決めて片付けに取り組むことで、時間内で集中して作業を進めることができます。過集中で、時間を忘れることがある人は、タイマーをセットして作業しましょう。

 

物を減らす・増やさない

物が多いと、部屋は散らかりやすく片付けが難しくなります。まず、部屋の物を見直して不要なものはすべて処分してからスタートしましょう。そこから物が増えないようにするには、一つ物を買ったら、一つ捨てるなどルールを決めてみましょう。

ADHDの特性に合わせて働くスキルが身につく

「atGP(アットジーピー)ジョブトレ」は、障害のある方の就労移行支援サービスです。「うつ病コース」「発達障害コース」「統合失調症コース」「聴覚障害コース」「難病コース」の障害に特化したコース制で、自分の障害とうまく付き合いながら働き続けるためのスキルが身につきます。

 

ADHDなど発達障害の人は、発達障害の特性に合わせたトレーニングが有効です。発達障害専門のプログラムなので、特性に合わせた就職・転職対策ができます。障害に詳しい専任のスタッフが、こまめな個別面談を行い障害への理解と対処法を一緒に考えます。

まとめ

ADHDの人は片付けが苦手ですが、それはやる気がないのでは無く、ADHDの特性が原因です。片付いていない部屋で暮らすと、時間や経済的な無駄が生じたり、身体的・精神的にダメージを受けるなどさまざまなデメリットがあります。記事ではADHDの人が片づけるコツを紹介しました。参考にして少しずつ部屋を片付けてみましょう。
atGPエージェント

アバター画像

ライター:atGPLABO編集部(監修:戸田重央)

障害者専門の人材紹介として15年以上の経験とノウハウを活かし、障害者の雇用、就労をテーマとした情報発信活動を推進しています。 【監修者:戸田 重央プロフィール】 株式会社ゼネラルパートナーズ 障がい者総合研究所所長。 企業の障害者雇用コンサルタント業務に携わった後、2015年より聴覚障害専門の就労移行支援事業所「いそひと」を開所、初代施設長に。 2018年より障がい者総合研究所所長に就任。新しい障害者雇用・就労の在り方について実践的な研究や情報発信に努めている。 その知見が認められ、国会の参考人招致、新聞へのコメント、最近ではNHKでオリパラ調査で取材を受ける。 聴覚障害関連で雑誌への寄稿、講演会への登壇も多数。

このライターの記事一覧を見る

注目記事PICK UP!

対象から記事を探す

公式SNSはこちら

会員登録 無料

atGPトップ
各種サービス
求人を検索する 求人を紹介してもらう スカウトを受ける 就労支援サービス 就職・転職ノウハウ
お問い合わせ・よくある質問
お問い合わせ よくある質問