うつ病で人混みにストレスを感じる時の対処法について
更新日:2024年08月22日
うつ病は、精神的なストレスや身体的なストレスをきっかけに発症することが多い病気です。ストレスが多い現代では誰もがうつ病になる可能性があります。うつ病の方は、人混みにストレスを感じやすい傾向にあります。ストレスが強いと、ストレスが引き金となり、パニック障害になる可能性もあるので注意が必要です。本記事ではうつ病の方が人混みでストレスを感じた時の対処法などについて解説します。
目次
うつ病だと人混みでストレスを感じやすい
うつ病は、気分がひどく落ち込んだり、やる気が出なかったりして日常生活に支障が現れる状態で、身体的には眠れない、疲れやすいなどの症状が現れる病気です。気分障害のひとつで、脳内の神経伝達物質である「セロトニン」と「ノルアドレナリン」が減ってしまう病気だと考えられています。
うつ病の主な特徴は以下の通りです。
1.悲しく憂うつな気分が一日中続く
2.これまで好きだったことに興味がわかない、何をしても楽しくない 3.食欲が減る、あるいは増す 4.眠れない、あるいは寝すぎる 5.イライラする、怒りっぽくなる 6.疲れやすく、何もやる気になれない 7.自分に価値がないように思える 8.集中力がなくなる、物事が決断できない 9.死にたい、消えてしまいたい、いなければよかったと思う |
うつ病は、ストレスをきっかけに発症する可能性があります。逆に言うとうつ病の方は、ストレスをとても感じやすい気質と言えるでしょう。うつ病の方の中には、人混みで強いストレスを感じるケースもあります。
参考:厚生労働省「こころもメンテしよう~若者を支えるメンタルヘルスサイト~」
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うつ病はパニック障害を併発しやすい
パニック障害とは、突然の呼吸困難やめまい、動悸といった発作(パニック発作)を繰り返し起こして、人混みや外出、乗り物に乗ることが困難になる病気です。パニック発作では、次のような症状が突然現れて10分以内にピークになります。
・動悸がする、心拍数があがる
・汗が出る ・体が震える ・息切れがする、息苦しい ・窒息する感じがする ・胸が痛い、胸苦しさがある ・吐き気、お腹の苦しさ ・めまい、ふらつき、気が遠くなる感じ ・現実でない感じ、自分が自分でない感じ ・自分がコントロールできない、変になるかもしれないことへの恐怖 ・死ぬことへの恐怖 ・感覚まひ、うずき ・冷たい感覚、あるいは熱い感覚がする |
うつ病もパニック障害も、精神を安定させる働きをする脳内の神経伝達物質「セロトニン」の分泌が異常になることで発症すると言われています。また、パニック障害の治療には長い期間がかかるため、不安や焦りを感じることがあります。加えていつまた発作が起こるのかという不安が、大きなストレスになることもあります。これらの不安やストレス、セロトニンの分泌異常が重なることで、うつ病とパニック障害を併発することもあります。
人混みがストレスに感じる時の対処法
うつ病の方が人混みでストレスを感じる時には、行動活性療法が効果的なケースがあります。
認知行動療法とは
うつ病の治療は、「休養」「薬物療法」「精神療法」が主体となっています。「精神療法」にはさまざまな方法がありますが、具体的な日常のテーマを扱うためわかりやすく効果を感じやすい方法に「認知行動療法」があります。
「認知行動療法」とは、認知に働きかけることで、ストレスなどの心の問題を軽減する心理療法です。認知とは、ものごとの受け取り方や捉えかたのことです。
認知行動療法のひとつ「行動活性化療法」
「行動活性化療法」は認知行動療法のひとつで、思考ではなく行動を変化させることで気分の落ち込みにアプローチする心理療法で、臨床実験でうつ病への有効性が確認されています。
行動活性化療法は、まず小さな目標から段階的に行動を増やしていくことから始めるのが特徴です。本人が習慣化しているネガティブな行動を減らして、ポジティブな行動を増やしていくのが行動活性化療法です。具体的な例としては、うつ病で部屋に引きこもっている人が、思い切って外出すると気分が明るくなるケースが挙げられます。行動によってネガティブな思考に働きかけると、思考がポジティブに切り替わっていく効果が期待できます。
行動活性化療法は、ポジティブシンキングとは異なります。気分によって行動が左右されるのではなく、行動から気分をコントロールするのが目的です。
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うつ病は、適切な治療を受けた場合には、多くの方が回復します。しかし、うつ病を経験した患者さんの約6割(※)が再発すると言われています。うつ病の症状によって、休職したり退職した方の中には、うつ病と付き合いながら再び働くことに不安を感じるケースも多いのではないでしょうか。
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