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自閉症の方が買い物でお金を使いすぎる原因と対処法について

更新日:2024年06月11日

自閉症の方は、障害の特性が原因で、買い物依存症になるリスクが高いと言われています。なぜ自閉症の方は買い物でお金を使い過ぎてしまうのでしょうか。本記事では、自閉症の特徴や自閉症の方が買い物で困ること、衝動買いをしてしまう原因や対処法について紹介します。
 

自閉症の特徴

自閉症の現れ方は人それぞれ異なりますが、代表的なものには次のような特性があります。

 

・社会的関係の難しさ

・コミュニケーションの難しさ

・興味や関心・行動の偏りや狭さ

・感覚の過敏さを鈍感さ

・不器用さ

 

これらの特性は、傾向が強い人からほとんど現れない人まで幅が広く、軽度の自閉症の方と健常の方を明確に区別することが難しいため自閉症スペクトラム症(ASD)と呼ばれています。

 

また、自閉症スペクトラム症(ASD)と注意欠陥多動症(ADHD)や学習障害(LD)の特性を併せ持つ人も多くいて、それぞれの障害を明確に分けることが困難であると言われています。

自閉症の方が買い物で困ること


自閉症スペクトラム症(ASD)の方は、興味があることに対して強いこだわりを持つ傾向にあります。この特性のため、特定のものを収集したり、後先を考えずに高価なものを購入してしまったりすることがあるようです。一方で、節約に強いこだわりを持つ場合には、一般的には考えられないぐらい節約に執着してしまうケースもあります。

 

前章で述べた通り、自閉症スペクトラム症(ASD)と注意欠陥多動症(ADHD)や学習障害(LD)の特性を併せ持つ人も多くいます。注意欠陥多動症(ADHD)の特性である、不注意が強く現れれば、見通しを立てるのが苦手なため、計画的にお金を管理することが難しいでしょう。また衝動性の特性が現れると、欲しいものを買いたいという感情や行動が抑えられず、お金を使いすぎてしまうこともあります。

 

また、自閉症スペクトラム症(ASD)の方は、特定の音や光などに対して敏感で苦手さを感じる感覚過敏の特性も見られます。買い物では、店内のBGMや店内放送、店内照明の明るさ、食べ物のにおいなどを苦手に感じるケースもあるようです。
 

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衝動買いをしてしまう原因


誰でもついつい衝動買いをしてしまうことはあります。衝動買いをしてしまう原因には次のようなものがあります。

 

ストレス反応によるもの

日常生活の中で、私たちは常にストレスと向き合っています。このストレスを発散する方法のひとつとして衝動買いがあります。買い物をすると、神経伝達物質の一つであるドーパミンが分泌されて、満足感や精神的な快楽が得られます。日常生活の中で、ストレスをため込んでいる人ほど衝動買いをしやすいそうです。

 

ライフスキルの不足

ライフスキルとは日常生活で必要なスキルのことです。一般的には、成長するにつれてライフスキルを自然に身につけていきますが、学ぶ機会が無く大人になってしまう場合もあります。ライフスキル不足が原因で、お金に余裕がないのにもかかわらず、買い物をしてしまうと、金銭トラブルを抱えてしまうこともあります。

 

自閉症スペクトラム症(ASD)の特性

前章で紹介した通り、自閉症スペクトラム症(ASD)の特性には、興味関心の偏りや強いこだわりがあります。その特性のため興味がある特定のものに対して、購入意欲が抑えきれない場合があります。

うまく買い物をする方法

自閉症スペクトラム症(ASD)の方が、うまく買い物をする方法を紹介します。

 

行動範囲を限定して衝動買いの機会を減らす

いろいろなお店に行くと、ついつい買い物をしてしまいます。できるだけ買い物に行くお店を決めて、買い物に行く回数も減らしましょう。インターネット通販でついつい衝動買いをする人は、店頭で購入するようにします。

 

日常生活の買い物は現金で支払う

キャッシュレス決済やクレジットカードで支払うと、お金を使っているという感覚が希薄になって、ついついお金を使い過ぎることがあります。日常生活の買い物は、現金で支払うようにして、お財布の中には大きなお金は入れておかないようにしましょう。

 

キャッシュレス決済やクレジットカードは上限額を決める

キャッシュレス決済やクレジットカードを使用する時には上限額を決めて、それ以上使わないようにしましょう。また、デビットカードは「口座残高以上に使用できない」「自分で上限額を設定できる」など使い過ぎを防止することができます。

 

買い物リストを作って事前に買うものを決める

あらかじめ買い物リストを作って、それ以外のものは買わないようにしましょう。

 

金銭感覚を身につける

ライフスキルが不足している場合には、金銭感覚を身につける努力をしてみましょう。一般的な金銭感覚が身につくと、買おうとしようとしている商品やサービスが妥当な金額なのかどうかや自分の収入で支払うことができるのかを判断できるようになります。その結果として、無駄な出費を防ぐことにつながります。

 

お金の管理法を身につける

家計簿をつける、使ってもよい金額を設定するなど、自分なりのお金の管理方法を試してみましょう。続けることでお金の管理が習慣になります。最近はスマートフォンの家計簿アプリがあり、簡単に楽しみながら家計簿をつけることができます。

 

周囲の人に協力してもらう

一人で難しい場合には、家族や友人に協力してもらうとよいでしょう。一緒に買い物に行ってもらって、自分のお金の使い方が適正かどうかを聞いてみたり、一人でお金の管理ができるようになるまで家計簿をつけるのを手伝ってもらうのも効果的です。

困ったときの相談先

自閉症スペクトラム症(ASD)の方が、買い物などの日常生活で困った時には、専門機関に相談するとアドバイスやサポートを受けられます。

 

発達障害者支援センター

「発達障害者支援センター」は、発達障害の方を総合的に支援する専門機関です。大きく分けて「相談支援」「発達支援」「就労支援」「普及啓発・研修」の4つの役割があり、相談支援では発達障害のある方やその家族からの、さまざまな相談を受けています。

 

障害者就業・生活支援センター

「障害者就業・生活支援センター」は、障害者の身近な地域において、就業面と生活面における一体的な支援を行う機関です。生活支援では金銭管理など日常生活の自己管理に関する助言も行います。

 

社会福祉協議会

全国の社会福祉協議会では、福祉サービスの利用手続きや金銭管理のお手伝いをする「日常生活自立支援事業」を行っています。専門員や相談員が困りごとや悩みごとの相談を受けてくれます。

 

参考:社会福祉法人 全国社会福祉協議会「ここが知りたい 日常生活自立支援事業 なるほど質問箱」

 

発達障害ナビポータル

「発達障害ナビポータル」は、国が運営する発達障害に特化したポータルサイトです。厚生労働省と文部科学省が協力して、国立障害者リハビリテーションセンター(発達障害情報・支援センター)と国立特別支援教育総合研究所(発達障害教育推進センター)が共同で運用していて、発達障害に関して信頼できる情報が掲載されています。

 

参考:発達障害ナビポータル
 

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atGPについて

自閉症スペクトラム症(ASD)の方が、仕事で困った時には「ハローワーク」や「地域障害者職業センター」に相談しましょう。

 

「ハローワーク」では、障害に詳しい専門職員や職業相談員が、障害の種類や程度に応じてきめ細かな職業の相談や紹介、職場定着の指導などを行っています。「地域障害者職業センター」は、障害者に対する専門的な職業リハビリテーションサービスを行っています。

 

また、民間が運営する障害者に特化した就職支援サービスもあります。「atGP(アットジーピー)」が運営する「atGPジョブトレ」は、障害に特化したコース制の就労移行支援サービスです。発達障害コースでは、自閉症スペクトラム症(ASD)の方の特性に合わせてカリキュラムで働くスキルが身につきます。
atGPエージェント

まとめ

自閉症スペクトラム症(ASD)の方は、興味関心の偏りや強いこだわりがあり、購入意欲が抑えきれない場合があります。そのため買い物依存症になるリスクが高いと言われています。本記事では、買い物でお金を使い過ぎないためのさまざまな対処法を紹介しました。しかし、自分一人では難しいと感じたら、専門機関に相談してみましょう。
atGPエージェント

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ライター:atGPLABO編集部(監修:戸田重央)

障害者専門の人材紹介として15年以上の経験とノウハウを活かし、障害者の雇用、就労をテーマとした情報発信活動を推進しています。 【監修者:戸田 重央プロフィール】 株式会社ゼネラルパートナーズ 障がい者総合研究所所長。 企業の障害者雇用コンサルタント業務に携わった後、2015年より聴覚障害専門の就労移行支援事業所「いそひと」を開所、初代施設長に。 2018年より障がい者総合研究所所長に就任。新しい障害者雇用・就労の在り方について実践的な研究や情報発信に努めている。 その知見が認められ、国会の参考人招致、新聞へのコメント、最近ではNHKでオリパラ調査で取材を受ける。 聴覚障害関連で雑誌への寄稿、講演会への登壇も多数。

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