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HSPとうつ病との違い。HSPの人はうつ病になりやすい?

更新日:2024年06月11日

最近、HSPという言葉が注目されています。HSPの方は繊細なため、ストレスを溜め込みやすい傾向があります。HSPの特徴が仕事や日常生活に支障をきたしていることも少なくありません。また、HSPの方はその気質から心身共に疲れやすくうつ病と間違えられることがあります。本記事では、HSPとうつ病の違いやHSPの方は仕事でうつ病になりやすいかについて解説します。
 

HSPとは

HSPはHighly Sensitive Person(ハイリー センシティブ パーソン)の頭文字を取ったもので、生まれつき非常に感受性が強く敏感な気質をもった人という意味です。1990年代の後半にアメリカの心理学者である「エレイン・N・アーロン博士」が提唱した心理学的な概念で、最近になって注目されるようになりました。

 

HSPは生まれつきの気質であり、病気ではありません。統計的には人口の15%〜20%、5人に1人があてはまると言われています。
 

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HSPの特徴


アーロン博士は、HSPの方には「DOES(ダズ)」という4つの特徴が見られるとしています。

 

D:Depth of Processing(物事を深く処理をする)

HSPの方は、物事を深く考える傾向があります。「自分の言葉が違う意味で受け取られていないか必要以上に気にしてしまう」「結論が出ないことを考えてしまう」など、深く考えすぎて他のことに手がつけられなかったり、考えすぎて体調を崩したりしてしまいます。

 

O:Overstimulation(過剰に刺激を受けて疲れやすい)

 HSPの方は強い音や光、におい、味など五感で受け取れるさまざまな感覚に非常に敏感です。そのせいで本来は集中すべき時に、刺激が気になってしまい集中できないといったケースがあります。また、過剰に刺激を受けることで、ストレスを感じて疲れやすかったり、体調を崩してしまうこともあります。

 

E:Emotional response and empathy(全体的に感情の反応が強くて共感力が強い)

感情移入しやすいのもHSPの方の特徴で、他人の「悲しみ」「怒り」「イライラ」などの感情に影響されて、自分とは全く関係がないことでも、まるで自分のことのように受け止めてしまうことがあります。

 

S:Sensitivity to Subtleties(感覚が鋭くて些細な刺激を察知する)

HSPの方は、他人には気付かないような些細な刺激でも敏感に察します。そのため「勘がいい」と言われることはあります。しかし、些細なことでも気づいてしまい、いろいろと考えを巡らせてしまうため結果的に疲れてしまいます。

HSPとうつ病の違い

これまで述べてきた通り、HSPは生まれ持った気質です。一方でうつ病は、脳内の神経伝達物質である「セロトニン」や「ノルアドレナリン」が減ってしまう病気であると考えられています。つまりHSPは先天的なもので、うつ病は人間関係や環境の変化などによるストレスなどが原因で発症する後天的な病気です。

 

うつ病になると、「気分が強く落ち込んで憂うつになる」「やる気が出ない」などの精神的な症状の他、「眠れない」「からだがだるい」「疲れやすい」といった身体的な症状も現れます。
 

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HSPは仕事でうつ病になりやすい

HSPは生まれ持った気質であり、こころの病気であるうつ病とは違います。しかし、HSPの方は、その特徴からうつ病になるリスクが高いという報告があるので注意が必要です。

 

HSPの方は、些細なことでも深く考えすぎてしまったり、他の人に言われたことを必要以上に気にするので、気持ちが落ち込んでしまう傾向があります。また、人の言動を深読みしすぎてしまったり、環境の変化や刺激に不安を感じやすく、その不安が強く持続するとストレスや疲労が溜まって、うつ病や不安障害になってしまうことがあります。

 

特に仕事では、職場の環境や人間関係がストレスになりHSPの方はうつ病になりやすいので注意しましょう。

HSPに向き合う方法

自分がHSPであるとわかったら、どのように向き合ったらよいのでしょうか。ポイントを紹介します。

 

自分のことを客観的に見つめて理解する

ひとことでHSPと言っても、さまざまな気質や性格の方がいます。一般的には「HSP(内向型HSP)」「HSE(外向的HSP)」「HSS型HSP(刺激追求型内向的HSP)」「HSS型HSE(刺激追求型外向的HSP)」の4つのタイプに分類されます。まずは自分がどのタイプに当てはまるのか理解しましょう。

・HSP(内向型HSP)

人と関わるのが苦手で、刺激に疲れやすい特徴を持ちます。一人で過ごす時間で体力や気持ちが回復します。

 

・HSE(外向的HSP)

他の人といると疲労を感じやすいにもかかわらず、人との関わりを持ちたがる傾向があります。明るく社交的な印象で、繊細な印象を与えませんが、気を使いすぎて疲れてしまうことがあります。

 

・HSS型HSP(刺激追求型内向的HSP)

刺激を求める社交的な性格である一方で、他人の言動が気になって傷つきやすい傾向にあります。刺激に敏感であるにもかかわらず、刺激を求めたくなってしまう矛盾した気質を持っています。

 

・HSS型HSE(刺激追求型外向的HSP)

刺激を求める性格である一方で、繊細さや刺激に過敏です。また、人とのコミュニケーションや環境の変化を恐れない傾向にあり、 繊細さはありつつも恐れずに挑戦する傾向があります。

 

刺激を感じやすい場所や人を避ける

HSPの方は、刺激を敏感に受け止めてしまうため、苦手と感じる場所や人はできるだけ避けるようにしましょう。また、刺激を受けたときに上手く対処する能力を身につけることが大切です。

HSPの人に向いている仕事

感受性が強く敏感な気質をもったHSPの方は、他の人より仕事でストレスを感じたり疲れやすいため、うつ病になりやすい傾向があります。しかし、HSPの方に向いている仕事もあります。例えば次のような仕事はHSPの強みを活かすことができます。

 

・他の人とコミュニケーションが少ない仕事

・正確性が求められるなど几帳面さを活かせる仕事

・技術系の仕事やクリエイティブな仕事

・他人に寄り添う仕事
 

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一人で抱え込まずにクリニックに相談

自分がHSPではないかと悩んでいる方もいることでしょう。最近では、インターネットや書籍でHSPかどうかをセルフチェックできる診断テストがあります。ただし、セルフチェックはHSPと断定するものではありません。

 

もし、HSPの特徴によって、日常生活や仕事に支障が出ているようであれば、一人で抱え込まずに、心療内科や精神科を受診してみましょう。専門家に話を聞いてもらうことで、気持ちが楽になることもあります。

つらい場合は仕事や職場を変えるのも選択肢のひとつ

HSPに向き合う方法として、苦手と感じる場所や人はできるだけ避けるようにしましょうとお伝えしましたが、仕事では避けるのが難しいことがあります。どうしてもつらいと感じる場合には、ストレスでうつ病や不安障害になる前に、自分に合った仕事や職場に変えるのも選択肢のひとつとして考えておきましょう。

 

自分に合った仕事がわからない、HSPの特徴に向いている仕事がわからない時には、転職エージェントを利用して、キャリアプランナーなど専門家に相談するとよいでしょう。
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まとめ

統計的に5人に1人がHSPにあてはまると言われていて、特別な存在ではありません。HSPの方は、生まれつき非常に感受性が強く敏感な気質をもった人であり、うつ病などの心の病気ではありません。しかし、HSPの特徴によって、ストレスや疲れが溜まるとうつ病になることもあるので注意が必要です。HSPの方は、他の人より刺激を敏感に受け止めてしまうので、刺激が多く苦手と感じる場所や苦手な人をできるだけ避けるようにしましょう。
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ライター:atGPLABO編集部(監修:戸田重央)

障害者専門の人材紹介として15年以上の経験とノウハウを活かし、障害者の雇用、就労をテーマとした情報発信活動を推進しています。 【監修者:戸田 重央プロフィール】 株式会社ゼネラルパートナーズ 障がい者総合研究所所長。 企業の障害者雇用コンサルタント業務に携わった後、2015年より聴覚障害専門の就労移行支援事業所「いそひと」を開所、初代施設長に。 2018年より障がい者総合研究所所長に就任。新しい障害者雇用・就労の在り方について実践的な研究や情報発信に努めている。 その知見が認められ、国会の参考人招致、新聞へのコメント、最近ではNHKでオリパラ調査で取材を受ける。 聴覚障害関連で雑誌への寄稿、講演会への登壇も多数。

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