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チック症だと思ったらどうすればいい?支援制度まとめ

更新日:2023年11月30日

本人の意思に関係なく身体が動いてしまったり声がでる「チック症」は、小児の約20%で見られますが、多くは成人になる前に消失します。しかし、ごく稀に大人になっても症状が残る場合があります。大人になってチック症の症状である意図しない動作や声が出ると、日常生活や仕事に支障をきたすことがあります。本記事では、チック症かもしれないと思った時の対応や、チック症の方が受けられる医療支援や就労支援について解説します。

チック症とは


「チック症」とは、まばたきや咳払い、首を振る、声が出るなど自分の意思に関係なく繰り返して出てしまう脳と神経の機能障害です。

 

小学校入学前くらいに発症することが多く、症状のピークは10〜15歳頃です。ほとんどの場合、成人するまでに軽減・消失すると言われていますが、10人に1人くらいは大人になっても症状が持続したり、環境やストレス、緊張などをきっかけにして再発する場合もあります。

 

さまざまな動きや声が1年以上の長期間にわたって持続して、日常生活に支障をきたすような状態になった場合には「トゥレット症」と呼ばれます。

チック症の症状や原因

チック症の主な症状や発症の原因について解説します。

 

チック症の症状

「チック症」の症状は、運動に関係する「運動チック」と音声に関係する「音声チック」に大きく分けられ、さらに症状の持続時間によって「単純性」と「複雑性」があります。チック症の症状は、首を振る、まばたきをするといった単純な動きから、体に触る、言葉を何度も繰り返すといった複雑な動きを伴うものまであり、症状が起こる部位もさまざまです。

 

●運動チック

【単純性】

まばたき、首を振る、肩をすくめる、顔をしかめる、白目をむく

【複雑性】

跳びはねる、膝をつく、しゃがむ、つま先をする、舌を突き出す、体を叩く

 

●音声チック

【単純性】

鼻をするる、喉を鳴らす、咳払い、舌打ち、「うっ」などの声を出す

【複雑性】

特定の単語を繰り返す、人の言葉を繰り返す、言ってはいけない言葉を発する

 

上記のような症状に加えて、チック症の患者さんはチックの動きをやらずにはいられないという感覚(前駆衝動)に襲われて、チックの動きをするとこの感覚がすっきりするということがあります。

 

チック症にはこの前駆衝動があるため「やってはいけない」「でもやればスッキリする」という衝動と葛藤が過度になって「強迫性障害」を併発することがあります。

またチック症は、ADHD(注意欠如・多動性障害)や自閉スペトラム症(自閉症、アスペルガー症候群など)などの発達障害を合併することもあると言われています。

 

チック症の原因

「チック症」が起きる原因はくわしくわかっていませんが、遺伝的要因や脳内の神経伝達物質の異常が指摘されています。ストレスや不安、緊張、興奮など心理的要因によって発症することがありますが、直接的な原因ではなくさまざまな環境や体質などの要因が複雑に合わさってチック症の症状が現れると考えられています。

チック症かもしれないと思ったらどうすればいい?

 

小児期の一過性のチック症の場合には、特に治療をしなくても治ることがありますが、大人がチック症を発症すると日常生活や仕事に影響があります。

 

大人のチック症での困りごと

チック症の症状はさまざまで、自分の意思に関係なく動作や声が出てしまうため、日常生活や職場で困ることが少なくありません。

 

●日常生活での困りごと

・手の動きによる症状で、持っている物を落としてしまう

・頭を振るチックで頭痛や肩こりになりやすい

・手が思うように動かず歯磨きや洗顔が上手くできない

 

●職場での困りごと

・会議や商談などの大事な時に、咳払いやうなり声が出てしまう

・取引先や上司に対して乱暴な言葉が出てしまう

・顔をしかめたりにらみつけるような動作で、相手に誤解を与えてしまう

 

大人のチック症は何科を受診したらいい?

前述の通り、チック症は小学校入学前くらいに発症することが多く、大人になって発症するのは稀です。小児期に発症した場合には、主に小児科や小児神経科、児童精神科で診察を行っています。

 

大人になってからチック症の症状が出た場合には、小児期に発症していたものの医師の診断を受けずに、症状が継続、重症化、再発した場合がほとんどだといわれています。また大人になってから初めてチック症の症状が出た場合には、次のような病気やその後遺症、薬の副作用などの可能性もあります。

 

・ハンチントン病やウイルス脳炎などの後遺症で起こる脳の中枢神経障害

・コカインなどの薬物使用による副作用

・てんかんやジストニアなど脳神経疾患

 

チック症は発達障害や強迫性障害などの精神疾患と併存する場合があると言われています。チック症かもしれないと思ったら、自分で判断せずに心療内科や精神科などの専門医を受診しましょう。

 

チック症の治療方法

チック症の主な治療法には、次の3つの方法があります。

【心理教育および環境調整】

・本人や家族、職場などの周りの人々の理解を促す

・症状の悪化を防ぐために環境を調整する

・ストレスが少ない環境にする工夫や、チック症を直接的に指摘をしない配慮、症状が悪化したときに退避できる場所を用意する

 

【認知行動療法】

本人の認知の仕方を変えることでストレスの軽減を目指す

 

【薬物療法】

環境調整や認知行動療法で症状が軽減しない重症の場合には、薬物療法が有効

 

大人のチック症で周囲の人ができること

チック症の治療には、前述の通り「心理教育および環境調整」「認知行動療法」「薬物療法」がありますが、その他に周囲の人が支えることが必要です。周囲の人ができることは次の3つです。

 

・チック症について理解を深める

・チック症の症状を理解した上で見て見ぬふりをする

・いつでも手助けできるようにしておく

チック症のある方が利用できる支援制度

チック症の方が利用できる医療支援や就労支援を紹介します。

 

医療支援

チック症やトゥレット症の方は「自立支援医療制度」を受けることができる可能性があります。「自立支援医療制度」は、患者の負担が大きくならないように、所得に応じて1ヶ月当たりの負担上限額を設定し、通院にかかる治療費や薬代の負担が原則1割または負担上限額となる支援制度です

 

また、まばたきや咳払いなど軽度のチック症の症状ではなく多発性で重症のチック症やトゥレット症の場合には「精神障害保健福祉手帳」の発行の基準に該当するケースもあります。
 

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就労支援

チック症やトゥレット症の方で就職を希望して、通常の事業所に雇用されることが可能と見込まれる場合には、就労移行支援サービスを受けることができます。サービスを利用するには、自治体から「障害福祉サービス受給者証」を発行してもらう必要があります。

 

「障害福祉サービス受給者証」は、障害者手帳を持っていなくても、医師の診断書でも認められるケースがあります。まずは住んでいる自治体の障害福祉課などの窓口で相談してみましょう。

発達障害に特化したコースがある「atGPジョブトレ」

「atGPショブトレ」は、障害者の転職サービス業界ナンバーワンの「atGP(アットジーピー)」が運営する就労移行支援サービスです。障がい別に5つのコースがあり、各障がいに特化したサポートで就職後も長く働き続けることができます。

 

チック症は、ADHD(注意欠如・多動性障害)や自閉スペクトラム症(自閉症、アスペルガー症候群など)などの発達障害と併存する場合もあると言われています。「atGPショブトレ」の「発達障害コース」では、発達障害の方が抱える他の人との認知や感覚の違いによる困難や生きづらさを客観的に捉えて、自分に合った仕事を見つけられます。

転職活動なら「atGPエージェント」

またプロに相談しながら就職活動を進める「atGPエージェント」や自分で求人を探す「atGP転職」、マッチした求人が届けられる「atGP転職スカウト」を活用することで、就職や転職の可能性が広がります。

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まとめ

チック症は、多くの場合は大人になるまでに軽減や消失すると言われています。しかし、ごく一部の方は大人になっても症状が残る場合があります。

 

本人が意図していない身体の動きや声といったチック症特有の症状により周囲からの誤解や偏見も受けることも多く、日常生活や仕事で辛い思いをしている方も多いのではないでしょうか。チック症の方が受けられる医療支援や就労支援があるので、まずはお住まいの市区町村の障害福祉課などの窓口に相談してみましょう。

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ライター:atGPLABO編集部(監修:戸田重央)

障害者専門の人材紹介として15年以上の経験とノウハウを活かし、障害者の雇用、就労をテーマとした情報発信活動を推進しています。 【監修者:戸田 重央プロフィール】 株式会社ゼネラルパートナーズ 障がい者総合研究所所長。 企業の障害者雇用コンサルタント業務に携わった後、2015年より聴覚障害専門の就労移行支援事業所「いそひと」を開所、初代施設長に。 2018年より障がい者総合研究所所長に就任。新しい障害者雇用・就労の在り方について実践的な研究や情報発信に努めている。 その知見が認められ、国会の参考人招致、新聞へのコメント、最近ではNHKでオリパラ調査で取材を受ける。 聴覚障害関連で雑誌への寄稿、講演会への登壇も多数。

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