リウマチのある方の日常生活の過ごし方や工夫について
更新日:2023年07月03日
皆さんは関節リウマチという病気をご存じでしょうか。関節リウマチという病気の症状は、主に手足の関節に腫れや痛みが出るというものです。この腫れや痛みのために日常生活や仕事を行う際に、不都合を感じることも多々あります。関節リウマチの人は、いくつかの工夫をすることでこのような不都合をなくしたり、軽減させたりすることができるようになります。ここでは、関節リウマチの症状や日常の注意点、日常生活や仕事を円滑に進めるための工夫などについて解説していきます。
目次
関節リウマチとは
関節リウマチという病気は、免疫の異常により主に手足の関節に腫れや傷みが生じる病気ですが、この病気が進行していくと骨や軟骨が壊れてしまうため関節を動かせなくなり、日常生活に大きな支障をきたすようになってしまいます。
また、関節リウマチによる炎症は関節だけにとどまらず、目や肺など全身に広がっていくこともあります。
関節リウマチの主な症状
関節リウマチの症状は、大きく三つに分けられます。
ここでは、その三つの症状について解説していきます。
朝のこわばり
朝、関節を動かし始めるときにこわばりを感じ、何となく動かしにくさを感じます。
関節を動かし続けていくうちに、この関節のこわばりは徐々に解消していき楽に関節を動かせるようになっていきます。
このような症状を、「朝のこわばり」と呼びます。
この「朝のこわばり」と呼ばれる症状は、朝だけではなく昼寝をした後など長時間体を動かさない状態のときに起こります。
関節の痛みや腫れ
関節が熱っぽくなり腫れたり、動かしたときに痛みを感じたりします。
これは関節炎が原因となっているもので、ほとんどの場合手首や指の付け根、第二関節、足の指の付け根などの小さな関節に起こることが多いのですが、それ以外にも足首、肩、膝、肘、膝、股関節などの関節に起こることもあります。
この痛みは左右対称に起こることもあれば、体中を移動することもあります。
微熱、倦怠感などの全身症状
関節リウマチには、症状が重くなる活動期とそうではない時期があります。
活動期には、体のあちこちに関節痛以外の症状が出ることもあります。
その症状とは、微熱、体重減少、貧血、リンパ節の腫れなどの他にも、目や口の乾き、息切れ、だるさ、疲れなどです。
日常生活の注意点
関節リウマチの人は、日常生活を送る際にいくつかの点に注意する必要があります。
ここでは、その注意点について解説していきます。
適度な安静を心がける
関節リウマチは関節だけではなく、全身にも症状があらわれるため慢性的に体力を消耗してしまう病気です。
そのため、十分な睡眠をとる以外にも、疲れを感じた場合には休憩や昼寝を積極的に取り、疲労の回復に務めましょう。
関節を冷やさないようにする
関節を冷やすと関節が痛くなったり、関節を動かしにくくなるので、寒い時期だけではなく夏場でもエアコンの風などで体を冷やさないようにしましょう。
長袖や長ズボンで関節の冷えを予防する以外にも、ブランケットを活用するなどして関節の冷えを予防することをおすすめします。
関節を保護する動作を心がける
料理をする時などに片手で重い鍋を持ち上げるなどの動作をしてしまうと、関節に負担をかけてしまいます。
手の関節に負担をかけないよう、コップや食器やそれ以外の重いものを持つ際には必ず両手で持つようにしましょう。
下肢に関節の炎症がある方は、無理に長距離を歩くことを避ける必要があります。
料理などの家事であっても、長時間作業を行う際には高さのある椅子に腰掛けるなどしてこまめに下肢を休めるよう心がけましょう。
適度な運動を行う
関節リウマチの方は適度な安静が必要ですが、体を全く動かさないでいると関節を支える筋肉が萎縮し、その力が弱くなってしまい結果として関節が硬くなり動かせなくなってしまうことがあります。
手足の筋力は関節の動かせる範囲を維持するために、適度な運動を欠かさないようにしましょう。
たばこは厳禁、飲酒は適量に留める
特に関節リウマチの人に、たばこは厳禁です。
たばこを吸うと、関節リウマチの治療の効果が大幅に減弱してしまうということが大規模な研究で明らかになっています。
しかし現在喫煙している人でも、禁煙を行うことで治療の効果を回復することができます。
また、飲酒については関節の症状が落ち着いている時に適量の範囲でたしなむとよいでしょう。
関節リウマチの人が日常を過ごしやすくするための工夫
関節リウマチの人が日常生活をスムーズに送るために、以下のような工夫を行うことをおすすめします。
家に段差がある場合には手すりを取り付ける
家の中に段差がある場合には、手すりを付けて体重を手足で支えるようにすることで、足の関節にかかる負担を軽くすることができます。
また、段差の部分に階段状に台を設置して段差を小さくすることで、段差を上り下りする際の負担を軽くすることができます。
ドアノブや水道の蛇口などはレバー式に変える
丸いドアノブや蛇口は手や手首の関節に負担をかけてしまうので、回しやすいようにグリップバンドを付けましょう。
また、丸いドアノブや蛇口をレバーハンドルに交換することで、さらに手首への負担を軽くすることができます。
足元を温める工夫をする
足元を温めることは、足に関節痛などを感じている人に対して痛みが起こるのを防止したり痛みを和らげたりするのに効果的な方法です。
小さめのホットカーペットを足元に置く、サーキュレーターを使用して足元にも温かい空気が当たるようにするなどの工夫をしましょう。
仕事をする際の注意点
関節リウマチの方が仕事をする際には、以下の点に注意しましょう。
長時間の立ち仕事や同じ姿勢が続く作業を行う際には、こまめに休憩をとる
長時間の歩行を伴う作業や立ち仕事、同じ姿勢が続く作業はなるべく避けましょう。
このような作業を行う際にはこまめに休憩をとったり、同じ姿勢が続かないよう定期的に体を動かすことを心がけましょう。
強い症状が出ている場合には無理せず休む
しっかりと服薬などの治療を行っていても、強い痛みなどの症状が出ることがあります。
このような場合には無理をせず仕事を休み、症状を和らげるために安静を保つようにしましょう。
また、ひどい症状が続く場合には、時短勤務や在宅勤務など働き方に対する配慮をしてもらえないか上司に相談してみることをおすすめします。
このような事態が起こることは関節リウマチの人にはありがちなので、入社時に職場の上司や周囲の人に、関節リウマチという病気について理解と配慮をお願いしておくことが大切になります。
症状により仕事を続けるのが難しい場合には会社の休職制度を確認する
労働基準法や労働契約法では、休職に関する規定を設けることは義務ではありません。
そのため、会社によっては休職という制度がないケースもあります。
もし関節リウマチの症状が重くなり、休職をしたいと思った場合には、そもそも休職制度はあるのか、休職できる期間はどのくらいかという事を調べておく必要があります。
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まとめ
ここまで、関節リウマチとはどのような病気なのか、どのような点に注意して生活を送るべきか、仕事を行う上でどのような点に注意しながら働くべきかということについて解説してきました。
関節リウマチの症状を和らげたり、進行を抑えたりするためにさまざまな工夫が必要になりますが、その工夫をすることで仕事をすることも不可能ではないことがお分かりいただけたと思います。
日々の生活を工夫しながら過ごし、関節リウマチと上手く付き合って行くようにしましょう。