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家族やパートナーに障害者の方がいる場合の対応やサポートについて

更新日:2024年01月10日

障害のある方が日常生活や仕事を行うには、周囲の人の理解やサポートが必要不可欠です。しかし、実際に家族やパートナーに障害者がいる場合、どのようなサポートをしてよいのかわからないという方が多いのではないでしょうか。 本記事では、家族やパートナーに障害者がいる場合の対応やサポートについて解説します。

障害の種類

障害者の地域生活と就労を促進して自立を支援することを目的とする「障害者自立支援法」という法律では、「障害者」を次のように定義しています。

 

身体障害

身体障害には、視覚障害、聴覚障害、音声・言語機能障害、そしゃく機能障害、肢体不自由、心臓や腎臓、呼吸器の機能障害があります。

 

1.視覚障害:次の視覚障害が永続する方

①両眼の視力がそれぞれ0.1以下

②一眼の視力が0.02以下、他眼の視力が0.6以下

③両眼の視野がそれぞれ10度以内

④両眼による視野の2分の1以上が欠けている

 

2.聴覚障害者:次の聴覚または平衡機能の障害が永続する方

①両耳の聴力レベルがそれぞれ70デシベル以上

②一耳の聴力レベル90デシベル以上、他耳の聴力レベルが50デシベル以上

③両耳による普通話声の最良の語音明瞭度が50パーセント以下

④平衡機能の著しい障害

 

3.音声機能、言語機能またはそしゃく機能の障害

①音声機能、言語機能またはそしゃく機能の喪失

②音声機能、言語機能またはそしゃく機能の障害の著しい障害

 

4.肢体不自由

①一上肢、一下肢または体幹の機能の著しい障害

②一上肢のおや指を指骨間関節以上で欠いている、またはひとさし指を含めて一上肢の二指以上をそれぞれ第一骨間関節で欠いている

③一下肢をリスフラン関節以上で欠いている

④両下肢のすべての指を欠いている

⑤一上肢のおや指の機能の著しい障害、またはひとさし指を含めて一上肢の三指以上の機能の著しい障害

⑥1から5までの他、程度が1から5までの程度以上であると認められる障害

 

5.心臓や腎臓、呼吸器の機能の障害

 

知的障害・発達障害

知的障害は、「知的機能の障害が発達期(おおむね18歳まで)にあらわれ、日常生活に支障が生じているため、何らかの特別の援助を必要とする状態にあるもの」と定義されています。

 

発達障害は、生まれつき脳の働き方が違うことにより、行動面や情緒面に特徴がある状態です。発達障害には、自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠如・多動症(ADHD)、学習障害(LD)、吃音などが含まれます。

 

精神障害

精神障害は、精神疾患のため精神機能に障害が生じて、日常生活や社会参加に困難な状態のことをいいます。病状が重くなると、判断能力や行動のコントロールが低下することがあります。精神障害には、統合失調症、気分障害、依存症などがあります。

障害がある家族やパートナーにできるサポート

障害の種類や程度はいろいろで、軽い障害の方もいれば重い障害の方もいる、中には複数の障害を合わせて持つ人もいます。また、外見からは障害があることがわからないため、周囲から理解されずに悩んでいる方もいます。この章では、障害がある家族やパートナーにできるサポートについて解説します。

 

病気・障害について正しい知識をつける

まずは、障害に対して正しい知識を学び、日常生活や仕事など本人の不安が軽減できるように協力しましょう。先ほども述べた通り、障害の種類や程度は人それぞれです。状態を正確に把握することで、症状の変化や必要としているサポート、対応などに気づくことができます。

 

見守る姿勢を忘れず”できる範囲”でサポートをすること

障害のある家族やパートナーをサポートすることは、身体的にも精神的にも大きな負担となります。そのため、常にサポートしていると自分自身が疲れ果ててしまいます。

 

家族や周囲の人は、本人ができそうなことは見守るようにして、必要なことだけサポートするようにしましょう。また無理をせず、できる範囲でサポートすることも大切です。どこまでサポートしたら良いのかわからない場合には、主治医や支援機関に相談してみると良いでしょう。

 

抱えこまず、何かあったら支援機関を頼る

障害のある家族やパートナーを、「どのようにサポートしたら良いかわからない」「サポートすることで疲弊してしまった」などの場合には、一人で抱え込まずに医療機関や支援機関に相談して、アドバイスを受けましょう。

困ったときの相談窓口・支援機関

障害がある家族やパートナーのサポートで、困ったときに相談できる窓口や支援機関を紹介します。

 

家族の会やネットワークを活用して情報交換

家族やパートナーが精神障害を抱えている場合には、「家族会」に参加してみましょう。家族会は、精神障害がある方を家族に持つ人たちが、お互いの悩みを共有し、連携することで支えあう会です。

 

家族会には、病院を中心とした「病院家族会」、保健所がおこなっている「保健所家族会や家族教室」、地域ごとで結成されている「地域家族会」、全国や都道府県ごとの連合会などがあります。

 

活動内容は、家族同士の交流を目的に、家族の困りごとを話し合ったり、専門家を招いて病気や治療、福祉制度などの勉強会をしています。また、行政などへの要望や働きかけなどの社会的な活動も行っています。 

 

福祉全般に関する相談窓口

身体障害や知的障害のある方に関する相談の窓口は、全国に1,040か所設置されている市町村福祉事務所または市町村役場の障害福祉窓口です。ケースワーカーによる身体障害者や知的障害者の福祉サービスについての相談や指導などが受けられます。

 

精神障害やうつなど心の健康について相談したい場合の相談窓口は、全国469か所にある保健所と各都道府県と指定都市に設置された精神保健福祉センターです。医師や精神保健福祉相談員、保健師、精神保健福祉士による相談や指導が受けられます。

 

障害のある子どもに関する相談窓口

障害のある児童に関する相談の窓口は、全国に210か所ある児童相談所、保健所、各市町村の児童家庭相談窓口です。医師や児童心理司、ケースワーカーによる相談や指導が受けられます。

 

障害のある児童の教育に関しては、各都道府県に設置された特別支援教育センターで相談を受け付けています。相談できる内容についてセンターによって異なるので、下記の「各都道府県の特別支援教育センター一覧」のURLからお住いの都道府県にあるセンターのホームページでご確認ください。

 

参考:内閣府「付録8 障害に関する相談窓口」

https://www8.cao.go.jp/shougai/whitepaper/h30hakusho/zenbun/furoku_08.html

 

参考:各都道府県の特別支援教育センター一覧

https://www.nise.go.jp/nc/about_nise/link/center

 

その他の福祉・生活相談窓口

上記の他に、障害のある方の福祉や生活の相談ができる窓口には、病院・診療所の精神科や地域活動支援センター(地域生活支援センター)などがあります。

 

仕事・就労に関する相談窓口

障害のある方の仕事や就労に関する相談の窓口は、以下の通りです。

 

・ハローワーク

・就労移行支援事業所

・就労定着支援事業所

・地域障害者職業センター

・障害者就業・生活支援センター

 

atGPジョブトレについて

障害のある方の仕事や就労に関しては、就労移行支援サービスの「atGPショブトレ」でも相談を受け付けています。「atGPショブトレ」は、障害のある方が就職に必要なスキルを身に習得するトレーニングや、就職活動のサポートを受けることができる福祉サービスです。

 

「うつ病」「発達障害」「統合失調症」「聴覚障害」「難病」の障害別に特化した5つのコースがあり、障害に合ったサポートが受けられます。

まとめ

障害のある方が日常生活や仕事を行うには、周囲の理解やサポートが大切です。特に、家族やパートナーの方は、障害や病気について正しい知識を持ち、できる範囲で適切なサポートをすることが求められます。サポートについて悩んだ時には、一人で抱え込まずに、各相談窓口を利用して相談や指導を受けるようにしましょう。

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ライター:atGPLABO編集部(監修:戸田重央)

障害者専門の人材紹介として15年以上の経験とノウハウを活かし、障害者の雇用、就労をテーマとした情報発信活動を推進しています。 【監修者:戸田 重央プロフィール】 株式会社ゼネラルパートナーズ 障がい者総合研究所所長。 企業の障害者雇用コンサルタント業務に携わった後、2015年より聴覚障害専門の就労移行支援事業所「いそひと」を開所、初代施設長に。 2018年より障がい者総合研究所所長に就任。新しい障害者雇用・就労の在り方について実践的な研究や情報発信に努めている。 その知見が認められ、国会の参考人招致、新聞へのコメント、最近ではNHKでオリパラ調査で取材を受ける。 聴覚障害関連で雑誌への寄稿、講演会への登壇も多数。

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