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家族が統合失調症になった場合のサポートや接し方について

更新日:2022年12月07日

統合失調症は、約100人に1人がかかるといわれていて、決して珍しい病気ではありません。統合失調症の回復には、家族の協力が大きな助けとなります。では、家族が統合失調症になった場合に、本人に対してどのように接して、どんなサポートをしたらよいのでしょうか。 本記事では統合失調症の方への接し方のコツや、困ったときに相談できる支援機関、利用できる支援制度などについて詳しく解説します。

統合失調症の症状

 

「統合失調症」とは、気持ちや考えがまとまりづらい状態になる精神疾患の一つです。原因ははっきりわかっていませんが、脳の中で情報を伝える神経伝達物質のバランスが関係しているといわれています。10〜20代の青年期から40歳ぐらいまでに発症しやすい病気で、薬やリハビリテーションなどの治療で回復します。

 

統合失調症の症状は、大きく分けて「陽性症状」「陰性症状」「認知機能障害」の3つのタイプに分けられます。

 

陽性症状

統合失調症の症状でよく知られているのは「陽性症状」で、「妄想」や「幻覚」です。

 

「妄想」とは、「人気芸能人が私のことを愛している」「陰謀を企てられている」「配偶者や恋人が浮気をしている」など、実際にはないことを強く確信している状態です。「幻覚」とは、実際にはないものをあるように感じる状態です。五感に関してさまざま幻覚が現れますが、最も多いのが聞こえるはずのない声が聞こえる幻聴です。

 

陰性症状

「陰性症状」は、喜怒哀楽といった感情表現が乏しくなったり、無気力になり何かを行おうという意欲が無くなったり、自分の世界に閉じこもって引きこもりになったりします。

 

認知機能障害

「認知機能障害」は、記憶力、注意力、集中力の低下や、判断力の低下などの状態になります。

 

家族が統合失調症になった場合に気をつけること

統合失調症の方は、周囲の人たちにとても敏感です。特に一番身近な存在の家族の接し方は、病気の悪化や再発に影響します。まずは、偏見を持たずに統合失調症についての正しい知識を持つことが必要です。

 

統合失調症を発症した人は、不安な気持ちが強くなっています。妄想によって、他人への不信感を持っていますので、本人のつらい状態を理解して、あなたの味方だというメッセージを伝えることが大切です。

 

統合失調症は再発しやすい病気です。再発を繰り返すと症状が重くなって、回復に時間がかかります。薬の服用を怠ると再発までのサイクルが早くなることがあります。家族が日常の服薬管理についてサポートすることも大切といえます。

 

ただし、過剰な介入は本人の気持ちの負担となるため、焦らずゆっくりと回復を見守るようにしましょう。

家族や周りの方ができること

様子がおかしかったり、いつもと違う行動をとったりしたら、すぐに医療機関に相談しましょう。できるだけ早く医療機関を受診して、治療を始めることが早い回復につながります。

 

ただし、本人の理解を得ないまま病院に連れて行くと、家族や病院へ不信感を持ってしまいます。本人の話に耳を傾けながら、根気よく受診を説得することが大切です。

 

家族が統合失調症になったら、あまり深刻に考えずに、ほどほどの距離感でお互いに息抜きできる時間を持つようにしましょう。家族が共倒れにならないように、支援サービスを上手く利用することが大切です。

 

自宅で療養する際には、定期的な通院と服薬をサポートするのに加えて、おだやかな気持ちで過ごせる生活環境を整えるようにするのがポイントです。

本人との接し方のコツ

統合失調症の治療では、家族の接し方が重要なポイントです。本人と接する8つのコツを紹介します。

 

①話を最後まで聞く

本人が話しているときには、途中でさえぎらずにじっくりと聞いてあげましょう。話のつじつまが合わなくても、否定することなく話の真意を理解する努力をします。なかなか話をしてくれない場合には、うなずくことは本人の言葉を繰り返すなどで、話を引き出しましょう。

 

②言い争いや対立を避ける

本人と一緒に興奮してしまい、言い争いするのは良くありません。意見が対立しそうになったら家族が一歩引くようにします。本人が興奮している時には、気持ちが落ち着くまであたたかく見守りましょう。

 

③伝えるときにはわかりやすく

伝えるときには、あいまいな表現は避けて、具体的にわかりやすくはっきりと話しましょう。また、一度にたくさんのことを言い過ぎないことも大切です。

 

④言ってもわからないと決めつけない

「どうせ言ってもわからない」と決めつけるのはやめましょう。子どもあつかいせずに、本人のプライドや自尊心を尊重することも重要です。

 

⑤多少のミスには目をつぶる

多少のミスには目をつぶって、できていることや良い点をほめるようにしましょう。手伝ってもらったときには感謝の気持ちを伝えて、本人のやる気を引き出します。

 

⑥甘えやわがままと批判しない

できないことを「甘え」や「わがまま」と批判したり、本人に文句を言ったり不満をぶつけるのは避けましょう。統合失調症の症状を良く知って、できないのは本人のせいでなく、病気のためだと理解しましょう。

 

⑦あせらない

家族が回復をあせると、本人にとっては大きなストレスとなります。例え時間がかかっても本人のペースを尊重して、手を貸し過ぎる、口を出し過ぎるのは極力控えましょう。どうしてもサポートが必要な時だけ助けてあげましょう。本人ができることは本人に任せるのも大切です。

 

⑧穏やかな気持ちで過ごせる雰囲気を作る

本人が安心して過ごせる家庭環境を作りましょう。また、家族はあまり深刻に考え過ぎずに、本人と程よい距離をとって、息抜きすることも大切です。過剰な介入は本人にとっても家族にとっても負担になります。

統合失調症の方が受けられる支援制度やサポート

統合失調症の方が受けられる支援制度やサポートを紹介します。

 

障害年金

「障害年金」は、病気や事故で障害となった方に対して、年金が支給される国の制度です。原則20〜64歳で日常生活や仕事に支障がある人が対象です。統合失調症のケースでは、障害の程度によって1級から3級の認定基準に分かれています

 

自立支援医療制度

「自立支援医療制度」は、心身の障害を取り除いたり、軽減するための医療に対して、医療費の自己負担額を軽減する公費医療負担制度です。統合失調症などの精神疾患によって、継続的に通院が必要な人が対象です

 

精神障害者保健福祉手帳

「精神障害者保健福祉手帳」は、精神障害の状態が一定程度の状態であることを認定するものです。手帳を取得すると所得税や住民税、自動車税、相続税などの税金の控除や軽減、公共料金の割引などのサービスが受けられます。

 

特別障害者手当

「特別障害者手当」は、身体または精神に重度の障害があって、日常生活において常に介護の必要がある方に対して、支給される手当です。受給対象かどうかは、本人の状況と医師の診断書によって自治体が判断します。

 

特別障害者給付金制度

「特別障害者給付金制度」は、国民年金に任意加入していなかったために、障害があるのに障害年金を受給できない方を救済する制度です。障害基礎年金の1級と2級に相当する障害のある方が対象です。

困ったときは支援機関へ相談

統合失調症の方や家族が困ったとき、わからないことがあるときには、専門家のいる支援機関などに相談しましょう。

 

精神保健福祉センター

「精神保健福祉センター」は、心の健康や精神科医療についての相談、社会復帰についての相談など、精神保健福祉全般にわたる相談をおこなっている機関です。各都道府県と政令指定都市に1か所ずつ設置されています。(東京は3か所)

 

センターの規模によって違いますが、医師や看護師、保健師、精神保健福祉士など専門の職員がいます。またセンターによっては、家族会の運営やデイケアなどを行っているところもあります。ホームページや電話で確認するとよいでしょう。

 

保健所

地域の保健所では、心の健康や保健、医療、福祉に関することなど幅広い相談を行っています。相談は保健師や医師、精神保健福祉士などの専門職が対応します。相談者の要望によって、保健師が家庭に訪問して相談を受けることも可能です。

 

病院や診療所の精神科

夜間や休日に精神疾患の状態が急に悪くなった時には、まずはかかりつけの医療機関に連絡してみましょう。診療時間以外でも受診できるケースがあります。かかりつけの医療機関が受診できないときや、かかりつけの医療機関がないときには、都道府県が設置している「精神科救急情報センター」などに相談することもできます。

 

地域活動支援センター

「地域活動支援センター」は、地域で暮らす精神障害のある方に創作活動や生産活動の機会を提供する支援機関です。具体的な活動内容やプログラム、サービスなどはセンターによって異なるので、自治体の福祉窓口か直接センターに確認しましょう。

社会復帰を目指す際には就労移行支援事業所の活用がおすすめ

統合失調症の症状が回復して、社会復帰を目指す際には就労移行支援事業所を活用するのがおすすめです。

 

就労移行支援事業所は、障害のある方の就職をサポートするサービスで、基本的なビジネスマナーやコミュケーション能力、企業が求める職務スキル、働き続けるための日常生活の管理や健康維持などを身につけることができます。

 

「atGP(アットジーピー)ジョブトレ」は、「統合失調症」や「うつ病」「発達障害」など、障害別コース制の就労移行支援サービスです。就職に必要なスキルの習得から就職活動、就職後の職場定着までトータルでサポートします。

 

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ライター:atGPLABO編集部(監修:戸田重央)

障害者専門の人材紹介として15年以上の経験とノウハウを活かし、障害者の雇用、就労をテーマとした情報発信活動を推進しています。 【監修者:戸田 重央プロフィール】 株式会社ゼネラルパートナーズ 障がい者総合研究所所長。 企業の障害者雇用コンサルタント業務に携わった後、2015年より聴覚障害専門の就労移行支援事業所「いそひと」を開所、初代施設長に。 2018年より障がい者総合研究所所長に就任。新しい障害者雇用・就労の在り方について実践的な研究や情報発信に努めている。 その知見が認められ、国会の参考人招致、新聞へのコメント、最近ではNHKでオリパラ調査で取材を受ける。 聴覚障害関連で雑誌への寄稿、講演会への登壇も多数。

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