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低音障害型感音難聴とは?他の難聴症状との違い・仕事の影響は?

更新日:2023年07月26日

急性低音障害型感音難聴という耳の病気があります。急性とついている通り、急に症状が現れます。早期に発見して、早期に治療を行えば治る確率が高い病気ですが、治療の開始が遅くなれば、重度の難聴になってしまうこともあります。また、再発しやすいため再発を予防することも大切です。本記事では急性低音障害型感音難聴とはどのような病気か、他の難聴症状との違い、原因や治療法、急性低音障害型感音難聴になってしまった時には仕事をどうすればよいのかなどについて詳しく解説します。
 

急性低音障害型感音難聴とは?

 

急性低音障害型感音難聴は、「感音難聴」に分類される難聴で、急に(急性)低い周波数の音(低音障害型)を聞き取るのが難しくなる(感音難聴)病気です。

 

 

難聴は、耳の中のどこに障害があるかによって「伝音難聴」「感音難聴」、そして「混合難聴」に分類されます。

 

 

「伝音難聴」は、外耳または中耳に障害がある難聴です。何らかの原因で、音が外耳または中耳で妨げられて内耳に到達できないために起こります。

 

 

「感音難聴」は、音の感覚刺激を生み出す内耳の蝸牛から聴神経に至る、どこかに障害がある難聴です。

 

 

「混合難聴」は伝音難聴と感音難聴の両方の障害が見られるものをいいます。

 

 

急性低音障害型感音難聴の症状

急性低音障害型感音難聴は、急性と病名にあるように、ある日突然症状が現れます。初期症状は、耳鳴りから始まって急に聞こえにくい状態になります。主な症状は次の通りです。

 

・なんとなく聞き取りにくい

・低音だけが聞き取りにくい

・耳が詰まっているような感じがする

・耳に水が入っているように感じる

・低音の耳鳴りがする

・周りの音が聞こえにくい

・自分の声が響く

 

人が聴くことができる音の周波数は、20ヘルツから20,000ヘルツまでと言われています。通常、聴力検査で使用される音域は、125ヘルツから8,000ヘルツの間です。

 

急性低音障害型感音難聴は、500ヘルツ以下の低音が聞こえにくくなります。

 

 

 

突発性難聴やメニエール病との違いとは?

低音障害型感音難聴に、よく似た症状の病気には「突発性難聴」や「メニエール病」があります。それぞれの特徴を紹介します。

 

 突発性難聴の特徴

突発性難聴は、突然左右の耳の一方(ごくまれに両方)が聞こえにくくなり、耳鳴りやめまいなどを伴う原因不明の病気です。感音難聴のうち原因がはっきりとわからないものの総称です。幅広い年代で発症しますが、特に40~60歳代に多くみられます。全く聞こえなくなる重い症状のものから、耳が詰まった感じの軽い症状なものまでさまざまなタイプがあります。

 

 

 メニエール病の特徴

メニエール病は、内耳にリンパ液がたまることで生じる病気です。発症するとめまい、耳鳴り、難聴の症状が反復して現れます。めまいの持続時間は、数十分から数時間と比較的長いのが特徴です。一度治まっても再発を繰り返し、聴力が徐々に低下することもあります。

 

 

低音障害型感音難聴の特徴

低音障害型感音難聴と突発性難聴の症状で大きな違いは、めまいの症状があるかないかです。低音障害型感音難聴は、軽いふらつきを感じる事はありますが、回転性のめまいは伴いません。

 

正常時の聴力は0~25デシベルですが、低音障害型感音難聴の26~40デシベルで軽度難聴にあたります。軽度難聴では、対面での会話には問題がありませんが、離れた所から呼びかけられても気づかない、大勢の人との会話や周囲が騒がしい所の会話がわかりにくいといった特徴があります。

 

 

急性低音障害型感音難聴の原因は?

急性低音障害型感音難聴は、内耳にある蝸牛のリンパ液がうまく排出できず、増えすぎて蝸牛内の水圧が高くなることが原因です。

 

内耳がむくんでしまい正常に機能できず、低音を感知する部分に影響して低音が聞こえにくくなってしまいます。

 

内耳がトラブルを起こす原因は、自律神経のバランスが崩れることと考えられています。その要因は次のようなものです。

・ストレス

・慢性的な肉体疲労

・睡眠不足

 

 

急性低音障害型感音難聴の治療法

急性低音障害型感音難聴は早期治療が有効です。発症後2週間以内に治療を開始すれば治る確率が高いと言われています。耳に異変を感じたら、なるべく早く病院を受診して、医師による検査や治療を受けるようにしましょう。

 

薬物療法が中心

急性低音障害型感音難聴の治療は、薬物療法が中心です。内耳にたまったリンパ液の排出を促す利尿剤や、内耳の炎症や過激な免疫反応を抑えるステロイド剤、内耳の代謝を助けるビタミン剤などが処方されます。1~2週間で症状が改善されることがほとんどです。

 

 

再発する可能性がある

急性低音障害型感音難聴は軽度の難聴ですが、再発することが多いと言われています。再発を繰り返すと中度から重度の難聴に悪化する可能性があります。

 

再発を予防するには、薬物療法によって程度、症状が解消されたら生活習慣を見直して、心身ともにストレスをためないようにすることが大切です。

 

生活習慣を見直すポイントは次の通りです。

・十分な睡眠をとる

・栄養バランスの良い食事を心がける

・緑黄色野菜やフルーツなどビタミンを多く摂って免疫力をつける

・軽い運動をする

・趣味など自分に合ったストレス解消法を見つける

 

急性低音障害型感音難聴は、治療を開始するのが遅いと、症状が悪化したり治るまでに時間がかる場合があります。

 

症状があまり強くないからといって、そのうち治るだろうと放置するのは危険です。早期発見と早期治療が、急性低音障害型感音難聴の治療には大切です。

急性低音障害型感音難聴を発症したら仕事はどうする?

 

急性低音障害型感音難聴は、20~40代の女性に多くみられる病気です。これは育児や家事、仕事と忙しい年代であるため、心身のストレスから自律神経のアンバランスになるのではないかと考えられています。

 

 

急性低音障害型感音難聴は、早期に治療を開始すれば治る確率が高い病気です。急性低音障害型感音難聴の初期の症状である「耳に水が入ったような感じ」や「周りや自分の声が響く」「ゴーッという低い音の耳鳴り」などを感じたら、できるだけ早く耳鼻科を受診しましょう。

 

 

仕事が忙しいからといって、受診を先延ばしにしては絶対にいけません。治療が遅くなれば症状が重くなったり、症状の改善に時間がかかることがあります。まずは仕事を休んででも耳鼻科を受診することが大切です。

 

急性低音障害型感音難聴は、心身のストレスが原因です。医師から急性低音障害型感音難聴と診断されたら、会社の上司に相談して、症状が改善するまで仕事を休んで安静にしましょう。また、急性低音障害型感音難聴は再発しやすい病気です。現在の職場でストレスを感じている場合には、業務や部署の変更を相談してみましょう。

 

 

聴覚障害のある方の職探しに利用したいサービス

急性低音障害型感音難聴は、早期に適切な療法を受ければ改善する病気です。しかし、再発しやすく、再発を繰り返すと重度の難聴に進行する可能性もあります。

 

指定の耳鼻科を受診して、両耳とも平均聴力のレベルが70デシベル以上、または一側耳の平均聴力のレベルが50デシベル以上、他側耳の平均聴力レベルが90dBデシベルの場合には、医師の診断書により身体障害者手帳を申請することができます。

 

身体障害者手帳を取得すると、一般雇用枠だけでなく障害者雇用枠でも就職が可能となります。ここでは聴覚障害の方が、就職を目指すさいに利用できるサービスを紹介します。
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ハローワーク

ハローワークは正式名称を「公共職業安定所」といいます。国が運営する職業紹介事業を行う機関で、誰でも無料で利用することができます。ハローワークには、障害や疾患のある方の就労を支援する窓口があり、専門の職員や相談員が配置されています。聴覚障害によって相手の話が聞き取りにくい場合には、手話や筆談で対応してくれます。

 

またハローワークでは、求職活動で心配や不安を抱えている人のストレスチェックやメールでの相談を行っています。急性低音障害型感音難聴の原因は、心身のストレスですので求職活動でストレスを感じている場合には相談してみましょう。

 

 

 障害者専用転職サービス

転職を目指す人が求人情報を得る手段としては、民間が運営する転職情報サイトや転職エージェントなどのサービスもあります。それらの中には障害者の就職に特化したものもあり、障害者向けの求人情報を豊富に持っているだけでなく、障害者の就職や転職に詳しいスタッフが相談やアドレスに対応してくれます。

 

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まとめ 

今回は、急性低音障害型感音難聴について、その症状や原因、治療法、急性低音障害型感音難聴になってしまった時の仕事について解説しました。

 

急性低音障害型感音難聴は、早期に治療を開始すれば、治る確率が高い病気です。

 

急性低音障害型感音難聴になってしまうと、相手の話が聞き取りにくいなど仕事にも大きな影響がでます。耳に異変や不調を感じたら、できるだけ早く専門医の診察を受けるようにしましょう。

 

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ライター:atGPLABO編集部(監修:戸田重央)

障害者専門の人材紹介として15年以上の経験とノウハウを活かし、障害者の雇用、就労をテーマとした情報発信活動を推進しています。 【監修者:戸田 重央プロフィール】 株式会社ゼネラルパートナーズ 障がい者総合研究所所長。 企業の障害者雇用コンサルタント業務に携わった後、2015年より聴覚障害専門の就労移行支援事業所「いそひと」を開所、初代施設長に。 2018年より障がい者総合研究所所長に就任。新しい障害者雇用・就労の在り方について実践的な研究や情報発信に努めている。 その知見が認められ、国会の参考人招致、新聞へのコメント、最近ではNHKでオリパラ調査で取材を受ける。 聴覚障害関連で雑誌への寄稿、講演会への登壇も多数。

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