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内部障害のある方にとって職場ではどのような配慮が必要?障害ごとに解説します。

更新日:2023年04月20日

内部障害とは、一言で説明すると、肢体不自由を除いた体の内部の障害のことです。内部障害は視覚障害や聴覚障害と同様の身体障害で、身体障害者福祉法第4節で定められています。内部障害のある方でも社会に出て職場で活躍している人も少なくありませんが、そのためには内部障害の種類により職場で合理的配慮を受けているケースがほとんどです。内部障害にはいくつかの種類があり、必要となる配慮はそれぞれの障害ごとに異なります。本記事では内部障害とはどのような障害なのかといったことから、スムーズな就職や職場へ長期定着して働き続けるための方法などについて詳しく解説していきます。

内部障害とは

内部障害とは、身体障害者福祉法で定める障害のうち、以下の7つの障害のことを指します。

 

・心臓機能障害

・腎臓機能障害

・呼吸器機能障害

・膀胱・直腸機能障害

・小腸機能障害

・肝臓機能障害

・ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害(HIV)

 

これらの内部障害に共通する特徴は、一見して健常者のように見え、日常生活を問題なく過ごしているように見えるため、障害に対する他の人からの理解を得づらいということです。

 

さらに、知的障害や身体障害、精神障害に比べて社会的な認知度が低いといった問題があります。

 

内部障害のある人は、健常者には影響がないようなことで不便を感じたり、体調が悪くなってしまったりします。

 

具体的な症状としては、疲れやすい、携帯電話など電化製品から出る電磁波が体に悪影響を与える、特別な設備があるトイレの利用が必要な場合がある、たばこの煙で苦しくなるなどがあげられます。

 

就業する際には、雇用側に本人が自分の障害について適切な説明をし理解を得て、就業時に必要な配慮(合理的配慮)をしてもらうよう要求する権利もあります。

内部障害の種類と症状

内部障害は、6つの内臓の障害に加えて、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫機能障害が当てはまります。

ここでは、これらの内部障害のそれぞれの特徴について解説していきます。

 

心臓機能障害

心臓は、生活の活動の増減に応じて全身に必要な血液を送り出すという生命を維持するための基本的な機能を有しています。

 

心臓機能障害のある人は、作業の強度の増加に伴って倦怠感や呼吸困難、手足のむくみ、悪心、嘔吐、胸が締め付けられるような感覚、圧迫感などを感じることがあります。ひどくなると、人工ペースメーカーや人工弁による治療が必要となることがあります。

 

治療を受けることにより、ある程度日常生活を送ることや、仕事もできるようになる人もいます(当然ながらそれぞれの治療方法や進行具合によって個人差はあるため注意は必要です)が、人工ペースメーカーを装着している場合は、高エネルギーの電磁波を出す機械による影響がある可能性があります。 したがって、作業負荷や残業量は体力に応じて配慮し、過労状態にならないように注意が必要です。

 

呼吸器機能障害

呼吸器とは肺や気管支などの機能を指します。酸素を体内に取り込み、二酸化炭素を体外に排出する体のエネルギー代謝の維持を行うための基本的な機能です。

 

肺の疾患や手術などによりこの呼吸器に障害が生じると、身体活動に必要な酸素の体内への取り込みと二酸化炭素の体外への排出が困難になります。

 

呼吸器機能障害のある人は、一般的に刺激ガスや冷気、乾燥した環境を避ける必要があり、風邪や肺炎を起こしやすいため注意しなければなりません。

 

屋内におけるデスクワークであっても、冷房の風に直接当たらない席を確保するなどのきめ細かな配慮が必要となります。タバコの煙にも注意が必要です。

 

腎臓機能障害

腎臓は体に有害な老廃物や不要な水分、塩分などを尿として排泄することで、体内の水分量やナトリウムやカリウムといったイオンバランスを適正な量に保ったり、血液の酸性、アルカリ性を調節したりして、体内の環境を最適に整える働きがあります。

 

腎臓機能障害とは、慢性腎不全や糖尿性腎症などの病気により腎臓の機能が低下してしまう障害のことを言います。体に有害な物質や水分を十分排泄できないため、疲れやすいといった症状が出ます。

 

腎臓機能障害の主な治療法には、食事療法、薬物療法、運動療法があり、これらの保存療法を適切に行うことで症状を安定させることが可能になります。

 

腎臓機能障害の症状が進行すると人工透析を行う必要が出てきます。人工透析は1回の治療に半日ほどの時間が必要となるため、仕事をしている人は職場の理解や、勤務時間や勤務形態の工夫が必要になります。

 

膀胱、直腸機能障害

膀胱、直腸機能障害は何らかの理由で脊椎が損傷されたり、または圧迫されたり、脳に障害を負ったりすることにより排尿や排泄に関わる神経の筋肉が上手く機能しなくなった結果生じる障害のことをいいます。

 

直腸膀胱障害とも呼ばれますが、膀胱の障害と直腸の障害が個別に起こることはほぼなく、同時に生じることがほとんどであるため、このように一括りにされます。

 

膀胱障害の症状は、排出障害として排出困難、残尿感、排尿の勢いの低下、畜尿障害として頻尿、失禁、夜尿、尿意切迫感があります。また、全く尿が出なくなり、溜まった尿が腎臓に逆流する「尿管逆流現象」が起こり、腎不全を起こすこともあります。

 

直腸障害の症状は、排出障害として便意を感じることができない、排便時に腹圧を高めることができないなどの理由による排便困難、便秘、畜便障害として便を溜めておく直腸が十分に膨らまなくなったり、意識的に動かすことができない肛門の内側にある内肛門括約筋の収縮機能の低下により便の滞留が困難になることが原因となる便失禁などがあります。

 

いずれの症状も、損傷や圧迫されている脊髄の場所によって、内容や程度が異なります。

治療方法としては保存療法、薬物療法、手術があります。

 

小腸機能障害

小腸機能障害には、2つの種類があります。

 

1つは、小腸がさまざまな疾患を原因として広範囲にわたり手術によって切除され、吸収面積が絶対的に減少し消化吸収が妨げられた状態です。

 

2つは、クローン病やアミロイドーシス、特発性仮性腸閉塞症などの小腸の疾患によって小腸が切除されていなくても実行吸収面積が減少し、消化吸収が妨げられた状態です。

 

症状が酷い場合には、経口摂取による栄養の消化吸収が上手くできないため、栄養維持が困難になり、睡眠中に鼻から管を入れて栄養を補給する状態になることもあります。

 

ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫機能障害

ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫機能障害とは、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染することにより白血球の一種であるリンパ球が破壊され、免疫機能が低下してしまう障害のことを言います。

 

ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の感染経路は、性的接触、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に汚染された血液の輸血やそのような血液が付着した注射器の使用、母子感染などがあります。

 

感染の初期には、多くの人に何らかの症状が見られることはありません。しかし、1週間から4週間以内に発熱、発疹、のどの痛み、リンパ節の腫れ、疲労感などの症状が現れることもあります。

 

それ以外にもヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫機能障害により、発熱や下痢、体重の低下や全身の倦怠感といった症状が出ることもあります。

内部障害のある方が仕事を続けるために職場で気をつけること

内部障害がある場合でも、一般の会社で働くことは不可能ではありません。そのためには仕事と自分自身の健康のために気を付けるべきことがあります。

ここでは、内部障害の人が一般の会社で働く際に気を付けるべきことについて解説していきます。

 

職場の医療環境を確かめる

就職したいと思える会社が見つかったら、その会社に医療環境が整っているかどうかという点についてしっかりとチェックしておくようにしましょう。

チェックポイントは、具体的には以下のような点です。

・休養室や健康管理室が準備してあるか

・血圧計やAEDなど基本的な医療機器が設置してあるか

・産業医がいるか

 

医療環境が整っている会社であれば、勤務中に体調が悪くなってしまった場合でも適切な対応を取ることができるでしょう。

 

勤務時間に関するルールを確かめる

内部障害のある人は長時間にわたる勤務や通勤時のラッシュにより、非常に大きな疲労を感じてしまうことがあります。フレックス制や時短業務の制度がある会社を選ぶようにしましょう。

 

内部障害のある人の多くは定期的な通院が必要なケースがほとんどです。そのような場合に有給休暇の利用が可能かどうかといった点や、勤務時間内の通院が可能かどうかといった点も上司や人事の担当者に確認しておくようにしましょう。

 

勤務時間や通院に関しては、上司や担当者が変わるごとに自分の障害について説明し、理解を得ておくことが重要です。

仕事内容の確認や調整ができるか

内部障害の種類によっては、健常者と比べて体力的に非常に劣る人もいます。仕事の内容に長時間にわたる立ち仕事や力仕事、残業があるかどうかといった点を面接時に確認することをおすすめします。

 

入社後にそのような仕事が割り振られたり、急に必要になった場合には上司や周囲の人に相談し理解を得てフォローしてもらうようにしましょう。

 

通院や急な体調不良等により仕事ができなかったり、パフォーマンスが急激に落ちてしまうことも予想されます。そのような場合、業務分担が可能かどうか、代替ができるかどうかといった点を確認しておき、また上司にも相談しておくと良いでしょう。

内部障害のある方が利用できる就職・就労支援

内部障害の人が就職したり、職場に長期にわたり定着して働いたりするために利用できる支援には、以下のようなものがあります。

ハローワーク

ハローワークは一般の人が就職口を求めて相談に行く場所といったイメージを持つ方も多いと思いますが、障害のある人も利用することができます。

 

ハローワークには、障害のある人の支援をしてくれる「専門援助部門」があり、ここで障害者の就労について相談することができます。

 

専門援助部門は求人数や就職件数も多く、障害者雇用の求人を紹介してくれること以外にも、障害を抱える方を対象とした働き方に関する相談やカウンセリングにも対応しています。

 

地域障害者職業センター

地域障害者職業センターは全国の都道府県に設置されていて、ここで障害がある人の就職に対して専門的な職業リハビリテーションを提供しています。

 

障害者職業カウンセラーやジョブコーチ、相談支援専門員などの専門職員が配置されているため、障害のある人に向けた専門性が高い支援を行っています。

 

障害者就業・生活支援センター

障害者就業・生活支援センターは、地域において、障害がある人の仕事と生活の両面からサポートを行う機関です。

 

障害者就業・生活支援センターの目的は、障害がある人の自立と安定した職業生活の実現で、日本全国に334個所設置されています。

就労移行支援事業所

就労移行支援事業所は、一般企業への就職を目指す障害や難病を抱える人に対して、体調管理の方法の指導や就職に必要なスキル修得のサポート、履歴書の添削や面接の指導、就職先の斡旋など、求職から就職までの一連の過程をサポートしてくれる機関です。

利用者はこの就職移行支援事業所に通所し、さまざまな指導を受け一般企業への就職を目指します。

 

障害がある方向けのエージェントサービス

就職エージェント・転職エージェントは、民間企業が運営する人材紹介サービスです。コンサルタントやキャリアアドバイザーが、サービスを申し込んだ求職者の希望を聞いて、条件にあった求人を紹介してくれます。就職エージェント・転職エージェントには、幅広い業界や職種を取り扱う「総合型」と、特定の業界や職種のみの求人を扱う「特化型」とがあり、中には障害者の就職や転職に特化したエージェントサービスもあります。

 

採用が決まると企業から手数料を受け取るため、求職者は無料で利用することができます。求人の紹介だけでなく、就職に関する相談やサポートも受けられます。

atGPエージェント

まとめ

ここまで内部障害とは何か、内部障害にはどのような種類があるのか、内部障害のある人が会社を選ぶ際にチェックするべきポイント、内部障害のある人が就職するために支援を受けることができる機関などについて詳しく解説してきました。

 

内部障害のある方が仕事をする際に、どのような点に注意すればよいかや、就職に臨む際にはどのような機関に相談すればよいかがお分かりいただけたと思います。

 

内部障害は肢体障害などと異なり、見た目からは障害があるとは分かりづらい障害です。仕事をする際には、会社の上司などに自分の障害について詳しく説明し、理解を得ておくことが非常に重要になります。上司や周囲の人の理解を得ることで、内部障害を抱えていても働きやすい職場にすることが可能になるでしょう。

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ライター:atGPLABO編集部(監修:戸田重央)

障害者専門の人材紹介として15年以上の経験とノウハウを活かし、障害者の雇用、就労をテーマとした情報発信活動を推進しています。 【監修者:戸田 重央プロフィール】 株式会社ゼネラルパートナーズ 障がい者総合研究所所長。 企業の障害者雇用コンサルタント業務に携わった後、2015年より聴覚障害専門の就労移行支援事業所「いそひと」を開所、初代施設長に。 2018年より障がい者総合研究所所長に就任。新しい障害者雇用・就労の在り方について実践的な研究や情報発信に努めている。 その知見が認められ、国会の参考人招致、新聞へのコメント、最近ではNHKでオリパラ調査で取材を受ける。 聴覚障害関連で雑誌への寄稿、講演会への登壇も多数。

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