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障害のある方にも向いている!在宅ワークのメリットや種類を詳しく解説します!

更新日:2024年06月17日

在宅ワークとは、国が推進するテレワーク「情報通信技術(ICT=Information and Communication Technology)を活用した時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方」のことを指します。ここ10年ほどで採用する企業が増え、急速に普及しつつあります。昨年から続く世界規模の新型コロナウイルスのまん延は、図らずもテレワークを含む在宅ワークを一気に推し進める出来事となりました。被雇用者の在宅勤務、また会社に属さず自宅等で行なう自営業などの在宅ワークにはさまざまなメリットもあります。在宅ワークという働き方は非常に合理的で障害がある方にもおすすめです。今回は在宅ワークを”在宅でできる仕事”と幅広くとらえ、障害がある方にも適している在宅ワークの種類やメリット、探し方などを詳しく解説していきます。

在宅ワークとは

近年、注目を浴びている在宅ワーク。

広義には、内職も含まれますが、内職という仕事は結構古くからあります。

 

現在、注目を浴びている在宅ワークは、国が推進しているテレワークが中心となっています。テレワークとは、情報通信技術、主にはインターネットの普及を足がかりとして会社やオフィスに通勤せず行なうことができる働き方です。

 

リモートワークという言葉も聞かれますが、リモートは”遠隔”の意であり、テレワークのテレ(tele)はテレフォン(電話)やテレスコープ(望遠鏡)などからわかるように同様の意味です。

 

テレワークの積極的導入はアメリカやヨーロッパが先行し、1990年代にはよく聞かれるようになりました。日本では2000年以降、国が労働人口の2割をテレワーカーにする目標を掲げています。

 

在宅で働くことは交通渋滞の緩和、排気ガス(CO₂)の低減にもつながるという環境的なメリットもあります。在宅ワークとは、テレワークや内職を含む在宅でできる仕事の総称と言えるでしょう。

 

在宅ワークのメリット

通勤しなくて良い

在宅ワークの一番のメリットは、通勤しなくてよいということです。在宅で仕事をすることには大小のメリットがあります。

 

個人にとっては通勤する時間や車の渋滞、公共交通機関のラッシュアワーを避けることができ、朝も出かける準備が省略できます。また、通勤しないことで、子どもがいる家庭では保育所に子どもを預けずに、子どもの世話をしながら仕事をするという働き方も選択できます。高齢者などの在宅介護にも同じことが言えます。

 

身体障害や傷病により通勤が困難、パニック障害や人混みを避けたい精神疾患がある場合もストレスがありません。交通費が掛からないことは雇用者、被雇用者とも経済的負担の軽減にもなります。

 

自分の落ち着く環境で集中して仕事ができる

在宅ワークのメリットは自分が普段生活している、慣れた環境で仕事ができることです。上司や同僚に気を使う必要もなく、服装もスーツを着たり、化粧やおしゃれに時間を使う必要もありません。自分が好きな恰好で仕事ができます。

 

必要であれば、仕事の合間に必要な家事をしたり、好きな音楽をBGMにして仕事をする、飲食も自分が好きなものを好きな時に食べたり飲んだりしてもよいでしょう。

 

肢体不自由などの移動に制限がある障害がある場合も、移動は最低限になり、負担が減ります。コミュニケーションが苦手な発達障害や対人関係にストレスを感じやすい精神疾患のある人にとっても在宅ワークは非常に仕事がしやすい環境といってよいでしょう。

 

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在宅ワークの注意点

私生活と仕事の切り替えが重要

在宅ワークには自分の住み慣れた空間である自宅で仕事ができるというメリットがあります。しかし、そのメリットは人によっては逆にデメリットにもなり得ます。

 

家事や子育てなどをやりながら仕事ができるということは、それらと仕事時間のバランスを取る必要があります。それ以外にも、テレビを見たり、スマホを触りながらでも仕事をすることできますが、時間配分を間違えると仕事効率が落ちてしまいます。

 

在宅ワークの評価は成果主義であることも多いため、会社から仕事が出来ていないと判断されるでしょう。自営的に行なっている在宅ワークだとしても結局、自分が仕事をしなければ収入を得ることができません。しっかりと私生活と仕事にメリハリを付けなければなりません。

 

1人で集中して仕事をしないといけない

在宅ワークをすることに不安な人もいます。それは職場という環境や、他者との協働があってこそ仕事ができるというタイプの人です。

 

会社であれば、上司や同僚がいて、オフィスではデスクが並んでいて自分の仕事ぶりも見られるわけですが、在宅ワークでは仕事時間や仕事量については強い自律と自己管理力が必要となるため、ずっと一人で家にいても仕事をする気になれない、時間にルーズ、仕事に集中でいない人は在宅ワークに向いていません。

 

ADHDのように衝動性や注意力の欠如がある場合、自分だけで仕事に集中するのは難しいため、どうしても在宅ワークをする場合は、会社からの定期的な連絡、自営的に行なう場合は家族からの声かけなどの支援、またはスケジュールを管理するためのツールなどを利用し、的確に仕事をこなしていく必要があります。

在宅ワークの種類

在宅勤務

在宅勤務は広義では在宅ワークと言えますが、含まれるニュアンスは在宅勤務の方が限定されます。

 

在宅勤務とは、会社との雇用契約を結んだうえでパソコンなどでできる仕事内容を在宅で行うものです。

 

最初から在宅勤務という形態の雇用もあれば、傷病や今回のコロナ禍のような状況下で普段のオフィス勤務から在宅勤務に移行することもあります。このような在宅勤務の仕事には”在宅勤務”のみでの募集と在宅勤務か通常の勤務を選べる”在宅勤務可”があります。

 

これらの求人はハローワークでも取り扱っており、「ハローワーク・インターネットサービス」でも検索できます。ハローワークでは”雇用型テレワーク”と呼んでいる仕事です。

 

在宅勤務では多くの場合、パソコンのWindows、Office系の基本ソフトを活用した入力(事務系)や、プログラミング、CADなど専門的な技術、知識を必要とする職種(専門職)など、パソコンを使った業務となります。

 

在宅ワーク

在宅ワークは広義には在宅勤務、狭義の在宅ワーク、内職を含んでいます。

 

厳密には、在宅ワークはハローワークなどの行政では、”自営型テレワーク”と呼んでいて、在宅勤務とは異なる定義づけがされています。

 

在宅勤務は会社との雇用契約を結ぶものですが、在宅ワークは仕事を提供する会社と雇用契約は結ばず、仕事を個人で、いわゆるフリーランスとして仕事を請け負う形態となります。このような在宅ワークは、雇用ではないため、ハローワークや転職サイトでは取り扱っていません。

 

在宅ワークを希望する場合、多くの場合はまずパソコンを所持していることが基本となります。WindowsやGoogle系のソフトが使えることに加え、SNSやスカイプ、ZOOMなどが使えれば、個人の興味や技能に合わせてデータ入力のような簡単なものから、プログラミングやウェブデザインなどの専門的なものまで多種多様な仕事があります。

 

内職

非常に古くからある、子どもを抱える専業主婦など、外に働きに出られない理由がある人が選ぶ簡単な作業を行う在宅の仕事を指します。在宅ワークの元祖と言ってもよいでしょう。

 

内職はパソコン上でおこなう作業ではなく、実際に物理的に商品などを加工、組み立て、パッケージング、仕分けなど多岐にわたります。よく知られているものとしては以下のようなものがあります。

 

  • 郵便物への住所タグを貼る
  • ・封筒へのチラシや手紙の封入
  • ・おもちゃなどの一部品の加工や組み立て

 

誰でもできる作業が多いのですが、非常に単純で数をこなす作業になるので集中力がなく飽きっぽい人には向きません。逆に、同じ作業を延々と繰り返す方が何も考えなくていいので楽だ、という人には内職はおすすめの仕事です。

 

在宅でやる仕事という意味ではどの障害がある方にもメリットはありますが、特に自閉症などの発達障害で、同一性を保持したい特性がある場合は、一つの作業に集中できるため安心して取り組むことができるでしょう。

 

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在宅でできる仕事

専門知識が必要なプログラマーやWebデザイナー

コンピューター関連の仕事は、仕事の成果がインターネットを経由して送信、連絡ができるため在宅でしやすい仕事です。特に専門技術、知識を要するプログラマーやウェブデザイナーは専門職であるので、障害の有無は関係なくできます。

 

プログラマーはコンピューターなどのアプリケーションを開発、テストなどを行ないます。プログラマーにも色々な種類があり、アプリケーション開発者、システムソフトウェア開発者、システムエンジニアなどがあります。プログラマーを目指す場合はプログラミングスクールなどの学校に通い習得するのが近道です。

 

コンピューター関連の専門職でWebデザイナーという仕事があります。Webデザイナーはインターネットのホームページなどのいわゆるウェブページのデザインをする専門職で、今ではどのような事業でもウェブページを持っているため、非常にニーズの高い仕事です。ある程度の規模の企業なら自社のウェブページの製作、管理にWebデザイナーを雇用しているところも珍しくありません。

 

PCに慣れていればデータ入力やライティング

データ入力やライティングの仕事も、パソコンの知識、技能が必要ですが、コンピューターの専門職ではありませんので、敷居は低い仕事です。

 

これまでは社内のパソコンで行なわれていたデータ入力ですが、パソコンがあればできることから在宅勤務で行なう会社も増え、在宅ワーカーへ外注委託する会社も増えています。

 

パソコンで行う仕事としては比較的簡単であるため、高単価は期待できませんが、色々と考えるわずらわしさがなく、安心して取り組める仕事と言っていいでしょう。

 

インターネットのサイト上には様々な記事が掲載されていますが、これらの記事や文章を書く人をウェブライターと言います。会社やサイトに専属雇用されたウェブライターもいますが、多くの記事は在宅ワーカーに発注されます。実に様々な記事へのニーズがあり、ウェブライターなら仕事、趣味、スポーツなど自分の経験や、知識が活かせるテーマの募集が必ずあるはずです。

 

在宅ワークとしてのウェブライティングの報酬は文字単価が設定してあり、テーマ内容やライターの能力により文字単価は0.5円から1円ぐらいの仕事が多いようです。また記事を書くだけでなく、記事のテーマや見出しを作ったり、記事の編集・校正をする仕事などもあります。

 

スキルがなくても書類の封入などの軽作業やテレアポなど

パソコンがない、またはパソコンがあっても使えない、それ以外の専門的技術や知識もないという方には、いわゆる内職がおすすめです。

 

内職は比較的誰でもできる作業です。単純ですが量が多いため非常に根気と集中力が必要となります。内職でよくあるのは、書類や手紙を封筒に入れる(封入)という作業や、封筒や箱、商品などにシールを貼るなどの軽作業が代表的です。

 

物理的な作業以外にも、最近は在宅でのテレアポ(テレフォンアポインター)という電話のみの営業での内職の募集も多くあります。

 

コールセンターなどに出勤する必要もなく、マニュアルに従って丁寧な会話が出来れば、細かい作業ができないような障害があっても在宅で仕事をすることができます。

 

障害者が在宅ワークを探す方法

ハローワークの求人から探す

ハローワークは公共職業安定所という、都道府県や政令指定都市に設置が義務付けられている公的な職業あっせん機関です。ハローワークで取り扱っているのは在宅勤務がある事業所の求人であって、事業者と雇用関係を結ばず仕事を請け負う、いわゆる自営型のテレワークや内職とは違う点を留意しなければなりません。

 

ハローワークの求人には障害がない人向けの一般枠の求人と障害者の雇用を促進するための障害者枠の求人があります。後者は障害者を雇用するために、障害があってもやりやすい仕事内容や、職場の環境や待遇に配慮があります。このような障害者枠の在宅勤務がある求人で雇用されるには、障害者手帳を取得している必要があります。

 

求人を探す方法には、実際にハローワークに来所する、またはハローワークインターネットサービスで検索するという手段があります。障害者枠の求人自体、一般枠と比べると少なく、在宅勤務、または在宅勤務可の求人はさらに少ないのが現状ですが、採用されれば障害者にとって非常にやりやすく、安定した収入を得ることができる仕事になるでしょう。

 

ランサーズやクラウドワークスなどの利用

ランサーズやクラウドワークスは、最近需要が増えている在宅ワークの仲介をするクラウドソーシング(インターネット上でのアウトソーシング)を行なう企業の大手です。

 

ハローワークとは逆に、これらのサイトで募集しているのは企業などが発注している仕事を受注する個人であって、雇用契約ではなく請負契約となります。

 

個人は受注した業務に対して納品をすれば報酬を得るという仕組みです。そのため、受注した業務の質や量が要件を満たさなければ報酬が支払われなかったり、契約が解除され次の仕事が発注されないこともあります。

 

個人の能力ややる気次第で高収入も可能ですが、得意なスキルや分野がなければ雇用と違って安定した収入を得ることはできません。逆に、受注するかしないかも個人の自由です。自分のペースで受注量をコントロールすることも可能です。

 

在宅ワークを受注するには、ランサーズやクラウドワークスのサイトに登録し、自分が得意な仕事ややりたい仕事のジャンルなどを回答しておきます。メールでおすすめの案件を紹介してくれたり、発注者からスカウトが来る仕組みで、業績を積めば似たような仕事の依頼が頻繁に来るようになります。

 

就職・転職エージェントの利用

近年は、国が障害者の就労支援に力を入れていることもあり、障害者の雇用市場が活発化しています。少子高齢化で労働人口が減少する中、就労を始めとする社会参加をしたい障害者と人材を確保したい企業のニーズが一致しているのです。これらを仲介する障害者専門の求人を扱い、就労のサポートを無料で行う就職・転職エージェントが非常に注目されています。

 

障害者向けの転職エージェントは障害者雇用に実績がある企業を熟知し、多くの優良求人、非公開求人なども扱っています。そのうえ、障害者の就労相談を専門に行うスタッフが在籍し、親身になってアドバイスを行なっていますので、一人一人の要望にあった求人を紹介でき、就職後のアフターケアも万全です。在宅勤務の求人も取り扱っていますので、障害者専門の就職・転職エージェントを利用しない手はありません。

 

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在宅ワークをする上で欲しいスキル

基礎的なパソコンスキルとコミュニケーションアプリの知識

在宅ワークをする上で必ず必要なスキル(技能)といえばやはりパソコンを扱う能力です。

 

データ入力作業では、OfficeのExcelが利用されることが多いですが、実際の在宅ワークになると、Googleのスプレッドシートを使うことも多く、OfficeのWord、Excelなどのオフィスソフトに慣れている人はGoogleドライブやドキュメント、スプレッドシートなどの使い方を新たに学習する必要があります。互換性があるので使っていればすぐに慣れるでしょう。

 

またウェブライターの場合も同様の基礎的知識が必要な上、記事の入稿にWordやGoogleドキュメントではなく独自の入稿システムを採用していることがあり、それを使えるようになる必要があります。

 

在宅ワークでは依頼主(クライアント)である人や会社側と会うことは滅多にありません。逆に、それを埋めるための綿密な連絡は必要で、グーグルのアカウント(gmail.com)を取得していることが前提だったり、スカイプやzoomといったアプリケーションでミーティングをすることもあります。先述したランサーズやクラウドワークスを経由した場合、連絡はサイト内の連絡システムやその他のツール(チャットワーク)などを使うこともあります。

 

ライティングをするなら文章力は必要

ウェブライティングは初心者から応募できるものもあるので、ランサーズやクラウドワークスの募集で興味があるテーマがあればどんどん応募してみましょう。

多くの場合は採用試験を兼ねて記事を書いてもらうことで選考されます。そのため、初心者でも応募可能だとしても、ある程度の文章力がなければ、その分野に造詣が深くてもウェブライティングはできません。ちゃんとした文法や、わかりやすく読者に読みやすい表現ができるなどの文章力に自信がある方にはおすすめの在宅ワークと言えます。

 

 

まとめ

在宅ワークと一般的に言われる仕事には、実際は企業などに雇用されたうえで行う在宅勤務と、情報通信技術を用いた自営型テレワークや内職などを含み、それぞれに内容が違います。

 

安定した収入を得るためには企業に雇用されたうえで行なう在宅勤務が適しています。

自営型のテレワークや内職は雇用ではなく請負契約なので、自分で請け負う仕事や量をコントロールできますが、安定した収入とは言えません。

 

 

在宅ワークには通勤しなくてよい、慣れた自宅という環境で落ち着いて仕事ができるという大きなメリットがある点、障害がある方にもおすすめの働き方です。

 

コロナ禍の中で注目される在宅ワーク、就労を目指す障害者の選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。

 

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ライター:atGPLABO編集部(監修:戸田重央)

障害者専門の人材紹介として15年以上の経験とノウハウを活かし、障害者の雇用、就労をテーマとした情報発信活動を推進しています。 【監修者:戸田 重央プロフィール】 株式会社ゼネラルパートナーズ 障がい者総合研究所所長。 企業の障害者雇用コンサルタント業務に携わった後、2015年より聴覚障害専門の就労移行支援事業所「いそひと」を開所、初代施設長に。 2018年より障がい者総合研究所所長に就任。新しい障害者雇用・就労の在り方について実践的な研究や情報発信に努めている。 その知見が認められ、国会の参考人招致、新聞へのコメント、最近ではNHKでオリパラ調査で取材を受ける。 聴覚障害関連で雑誌への寄稿、講演会への登壇も多数。

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