特定求職者雇用開発助成金とはどのような助成金なのか?その詳細をご紹介します
更新日:2023年08月08日
特定求職者雇用開発助成金という、ある特定の求職者を雇用した場合に事業主に支払われる雇用関係助成金をご存知でしょうか?厚生労働省が指定する、雇用されることが困難と思われる障害者、高齢者、母子家庭の母親などを一定の条件下で雇用した場合に、対象者によって1~3年間、短時間外労働者、短時間労働者の区分で数十万~200万円強の助成金を受けることができます。このような雇用されることが困難とされる方の多くは相対的貧困層であったり、生活保護や各種年金、その他のセーフティーネットに頼ることを余儀なくされていて、安定した職と生活を求めています。一方で、事業主にとっては、労働人口の減少や、若者の離職率の高さなど人材の質と量の両面での確保は非常に厳しい現状です。今回、ご紹介する特定求職者雇用開発助成金を正しく理解して、人材確保の一助としてみてはいかがでしょうか。
目次
特定求職者雇用開発助成金とは?
特定求職者雇用開発助成金は雇用されることが困難と考えられる対象者を雇用した場合に、事業主に一定の条件下で支給されます。
その対象者は多岐に渡り、対象者別に8つのコースがあります。
特定就職困難者コース
生涯現役コース
被災者雇用開発コース
発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース
三年以内既卒者等採用定着コース
障害者初回雇用コース
定雇用実現コース
生活保護受給者等雇用開発コース
の8コースがあります。
各コース、対象者、期間などによって助成される金額は変わってきます。
また、雇用はハローワーク(公共職業安定所)や地方運輸局、有料・無料の職業紹介所を介する必要があります。
障害者雇用にまつわるメリット・デメリットをはじめ、最低限知っておきたい基礎知識をご紹介する資料がダウンロードできます。
この資料でわかること
・障害者雇用とは?
・障害者を雇用するメリット
・障害者を雇用しないデメリット
・障害者雇用が進まない企業が抱える課題
・課題を解消するポイント
・押さえておくべき障害者雇用の法律・制度
特定求職者雇用開発助成金の8つのコース
特定就職困難者コース
特定求職者雇用開発コースでは、対象者は60歳以上65歳未満の高年齢者、母子家の母等、障害者、身体・知的障害者、重度障害者もしくは45歳以上の障害者および精神障害者などをハローワーク等を介して雇用します。中小企業かどうか、短時間労働者かどうかで対象者ごとの支給期間、支給額が異なっており、助成対象期間は1~3年、支給対象期は1期(半年)ごとになっています。
生涯現役コース
雇い入れたの日の満年齢が65歳以上の離職者をハローワーク等を介して雇用します。1年以上継続して雇用するのが確実である対象者を雇用した場合に、支給期間1年、短時間労働かどうかにより助成金が支給されます。特定就職困難者コースの高年齢者は60歳以上65歳未満ですが、こちらの生涯現役コースはいわゆる高齢者(65歳以上)となっています。
被災者雇用開発コース
平成23年に起きた東日本大震災の被災者を雇用する場合に支給される助成金です。対象者は東日本大震災時、被災地で就業していた、震災で離職を余儀なくされた、離職後安定した職業につけていないなどです。平成26年まで対象者であった”被災地求職者”は警戒区域等に居住していた人以外は対象でなくなりました。こちらも短時間外でも短時間でも1年間雇用する見込みである必要があります。さらに同被災者を10人以上雇用した場合は上乗せの支給があります。
発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース
自閉症スぺクトラム障害、学習障害、注意欠陥多動性障害などを持つ発達障害者や難治性疾患患者といわれるパーキンソン病や筋ジストロフィーなど、国に難病と指定された331の疾患(2018年現在)に罹患していて障害者手帳を持っていない人でかつ、65歳未満の人をハローワークなどを介して雇用した場合に支給される助成金です。短時間外労働と短時間労働、中小企業とそれ以外の場合などで最大2年間、支給対象期間4期までの間で30~120万円の助成金が支給されます。
三年以内既卒者等採用定着コース
三年以内既卒者等採用定着コースでは幼稚園、小学校以外の学校、専修学校、各種学校、外国の教育施設の卒業者、中退者、公共職業能力開発施設や職業能力開発総合大学校の職業訓練の修了者、中退者のうち、これまで通常の労働者として同一の事業主に引き続き12カ月以上雇用されたことがない者を採用することで事業主に助成金が支給されます。既卒者コースと高校中退コースがありますが、いずれも該当する対象者を雇い入れたことがないことが条件です。
障害者初回雇用コース
障害者初回雇用コースは該当する障害者を初めて、もしく最後の対象となる障害者を雇用してから3年以上たっている場合に、障害者を雇用する中小企業を限定対象とした、中小企業における障害者雇用促進を目的とする助成金です。対象となる障害者は身体、知的、精神のいずれかであり、一人目の対象者を雇用した日から3か月以内に法定雇用率を達成した場合に支給されます。
就職氷河期世代安定雇用実現コース
以前、安定雇用実現コースという名称だったコースは令和2年2月14日以降の雇入れから就職氷河期世代安定雇用実現コースという名称に変更されており、条件も変わっています。支給要件の対象年齢は35歳以上60歳未満から35歳以上55歳未満となり、正社員経験に関しては正規雇用労働者としての雇用期間が通算で1年以下で過去1年間に正規雇用労働者として雇用されたことがない人から、過去5年間での通算して正規雇用労働者としての雇用期間が1年未満で有り、過去1年間正規雇用労働者としての雇用がない人となっています。
生活保護受給者等雇用開発コース
生活保護受給者等雇用開発コースでは生活保護の受給者や生活困窮者として支援を受けている人を短時間外労働者、もしくは短時間労働者として中小企業等で雇い入れた場合に事業主に支給される助成金です。具体的には
①生活保護を受給中の人、もしくは生活困窮者であること
②自治体やハローワークで就労支援を3か月以上継続して受けている人
③雇入れが就労支援期間内であること
が条件となっています。
特定求職者雇用開発助成金の概要
助成金に共通する対象事業主
1.特定求職者雇用開発助成金の対象となる事業主とは、まず雇用保険の適用事業主であることが必須条件です。雇用保険の適用事業主とは、個人経営の農林水産業のうち従業員が5名未満の場合のみ加入は任意で、それ以外は適用の対象となります。
2.次に支給、不支給の決定の審査に必要な書類、雇用保険の対象となる労働者の出勤状況や賃金の支払い状況がわかる労働者名簿、賃金台帳、出勤簿などの書類を整備、保管していることが必要です。
3.最後に管轄労働局等の実地調査を受け入れる必要があります。
助成金に共通する要件
特定求職者雇用開発助成金を受給するには原則として以下の機関からの紹介を受けて該当する対象者を雇用する必要があります。またコースにより詳細な要件がありますので、必ず各コースの要件を確認しましょう。
①公共職業安定所(ハローワーク)
②地方運輸局(船員として雇い入れる場合)
③有料・無料職業紹介事業者、届出を行った無料職業紹介事業者、無料船員職業紹介事業者で助成金に係る取扱いに関して、国の認可を得ているもの
申請の流れ
大筋として、特定求職者雇用開発助成金を申請する場合、どのコースにおいても申請については以下のような流れとなります。
①ハローワーク等からの紹介
ハローワーク、地方運輸局、国の認可を受けた有料・無料の職業紹介事業者などの紹介 による雇入れ
⇩
②対象者の雇入れ
各コースの対象者要件を確認
⇩
③助成金の第1期支給申請
⇩
④支給申請の内容の調査・確認
⇩
⑤支給・不支給決定
申請書の審査で適正な場合は支給決定
⇩
⑥助成金の支給
事業主指定の金融機関口座に振込 ※第2期以降も③~⑥の流れ
例えば、助成期間が1年の場合、1期6か月の計算は雇入れから最初の賃金締切日の翌日を起算日とします。
そこから6か月後の月日を第2期の起算日とし、同日の翌日から2か月間が支給申請期間となります。例えば10月1日に雇入れ、同月15日が賃金締切日、そこから6か月後は4月15日となり、その日が第2期の起算日、そして翌日の4月16日から2か月後の6月15日までの2か月間が支給申請期間となります。
中小企業の範囲
特定求職者雇用開発助成金における中小企業の範囲ですが、厚生労働省資料「各雇用関係助成金に共通の要件等」によりますと以下のとおりとなります。資本金の額・出資の総額か常用する労働者の数のいずれかを満たすと助成金の中小企業に該当することになります。障害者初回雇用コースのみ中小企業の範囲は業種に関わらず常時雇用する労働者数が300以下となります。
産業分類 | 資本金の額・出資の総額 | 常用する労働者の数 |
小売業(飲食店を含む) | 5000万円以下 | 80人以下 |
サービス業 | 5000万円以下 | 100人以下 |
卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
その他の業種 | 3億円以下 | 300人以下 |
高年齢者・障害者・母子家庭の母などを雇い入れるケース
対象労働者(満年齢が65歳未満の者)
イ.高年齢者(60歳以上)
ロ.身体障害者
ハ.知的障害者
ニ.精神障害者
ホ.母子家庭の母等
へ.父子家庭の父(児童手当を受給している方に限る)
ト.中国残留邦人等永住帰国者
チ.北朝鮮帰国被害者等
リ.認定駐留軍関係離職者
ヌ.沖縄失業者休職手帳所持者(45歳以上)
ル.漁業離職者休職手帳所持者(45歳以上)
ヲ.手帳所持者である漁業離職者等(45歳以上)
ワ.一般旅客定期航路事業等離職者休職手帳所持者(45歳以上)
カ.認定港湾運送事業等離職者
ヨ.その他就職困難者(アイヌの人々:北海道に居住している45歳以上のものであり、かつハローワークの紹介による場合に限る)
対象事業主
①雇用保険の事業主であること
②対象労働者をハローワーク等の紹介により雇用保険の一般被保険者として雇入れる事業主
③対象労働者を雇用保険の一般被保険者として継続して雇用すること(65歳以上になるまで継続して雇用する、かつ雇用期間が継続して2年以上となること)が確実であると認められること
④対象労働者の雇入れ日の前後6か月間(基準期間)の間に事業主の都合による従業員の解雇がないこと
⑤対象労働者の雇入れより前に、過去3年間の間に同コースの対象者を事業主の都合で解雇、雇止め等をしていないこと
⑥基準期間に特定受給資格者となる離職理由の被保険者の数が対象労働者の雇入れ日における被保険者数の6%をこえていない
⑦対象労働者の出勤・賃金支払い状況等を明らかにする書類を整備・保管していて労働局等の審査に協力する事業主であること
⑧対象労働者を雇入れる以前に同コースの対象者として雇入れた労働者が5人以上いる場合、それらの者が雇入れ日から1年を経過した日の時点で離職した割合が25%以下であること
⑨対象労働者の雇入れ日より以前に同コースの支給決定対象者となった者で、助成期間の末日の翌日から起算して1年を経過する日が基準期間内にある者が5人以上いる場合、それらの者の離職している割合が25%以下であること
受給するための要件(下記に該当しないこと)
①ハローワーク等の紹介の前に対象労働者と雇用の予約をしていた場合
②一部を除いて職業紹介を受けた日に雇用保険被保険者であるものなど失業などの状態にないものを雇入れた場合
③支給対象労働者が対象期間の支給決定までに離職した場合
④雇入れ日の前日から過去3年間の間に事業所と雇用、請負、委任の関係にあった者、出向、派遣、請負、委任の関係で就労したことがある者を雇入れる場合
⑤雇入れ日の前日から過去3年間、事業所で通算して3か月以上訓練、実習等を受講したことがある者を雇入れる場合
⑥雇入れの前日から過去1年間に④と⑤に該当する事業所と密接な関係にある事業主が対象労働者を雇入れる場合
⑦対象労働者が事業所の代表者、取締役の3親等以内の親族である場合
⑧雇入れの日の前日から過去3年間に職場適応訓練を受けたことのある者に職場適応訓練を行なった事業主が雇入れる場合
⑨支給対象期に対象労働者に対して賃金の支払い期日を超えて支払っていない場合
⑩ハローワーク等で紹介した時の条件とは違う内容で雇入れ、対象労働者に労働条件に関する不利益や違法行為があり、当該労働者から申し出があった場合。
⑪助成金の申請を行う際に前年度より前のいずれかの年度の労働保険料を滞納している場合
⑫偽りや違法行為で本来受けることのできない助成金などを受け、または受けようとして不支給措置が取られている、過去5年間に当該偽り、違法行為に関与した役員がいる場合
⑬労働関係法の違反があり、助成金の支給が適切でないと認められた場合
⑭高年齢者雇用確保措置を講ずべきことの勧告を受けた場合
⑮障害者総合支援法に基づく勧告を受けた場合
⑯性風俗関連業、接待を伴う飲食等営業、またはその一部を受託営業し、接待業務などに従事する労働者を雇入れる場合
⑰事業主、事業主の役員等が暴力団に関係している場合
⑱事業主、事業主の役員が破壊活動防止法第4条に規定する暴力主義的破壊活動を行ったまたは行なう恐れがある団体に属している場合
⑲支給申請日、支給決定日に倒産している場合
⑳不正受給が発覚した場合に事業主名等を公表することに同意していない場合
㉑「雇用関係助成金支給要領」に従うことに同意していない場合
支給額
高年齢者・母子家庭等の母など:短時間労働者以外は1年で最高60万円、中小企業以外が雇用する場合は最高50万円が支給されます。短時間労働者の場合は1年で最高40万円、中小企業以外が雇用する場合は最高30万円が支給されます。
身体・知的障害者:短時間外労働者以外は助成期間は2年で最高120万円、中小企業以外が雇用する場合は助成期間は1年で支給額は最高50万円となります。
障害者:短時間労働者のみで助成期間2年で支給額は最高80万円、中小企業以外が雇用する場合、助成期間は1年で支給額は最高30万円となります。
トライアル雇用奨励金との併用
トライアル雇用で雇い入れた対象労働者を、特定求職者開発助成金の対象労働者として支給を受けることが可能かどうかは同コースの支給対象となる事業主であること、支給要件のうち該当しないものがないことの確認をした上で同コースに移行することができます。トライアル雇用期間終了後も継続して雇用する労働者として雇用する場合、 特定求職者雇用開発助成金の第2期支給対象期分からの支給対象となります。
65歳以上の高齢者を雇い入れるケース
対象労働者
①雇入れ日現在の満年齢が65歳以上の人
②紹介日に雇用保険の被保険者(週の所定労働時間が20時間以上など失業状態にない場 合も含む)
対象事業主
①雇用保険の事業主であること
②対象労働者をハローワーク等の紹介により雇用保険の高年齢被保険者として雇入れる事業主
③対象労働者を期間の定めがないか1年以上継続して雇用することが確実であると認められること
④対象労働者の雇入れ日の前後6か月間(基準期間)の間に事業主の都合による従業員の解雇がないこと
⑤対象労働者の雇入れ日より前に、過去3年間の間に同コースの対象者を事業主の都合で解雇、雇止め等をしていないこと
⑥基準期間に特定受給資格者となる離職理由の被保険者の数が対象労働者の雇入れ日における被保険者数の6%をこえていないこと
⑦対象労働者の出勤・賃金支払い状況等を明らかにする書類を整備・保管していて労働局等の審査に協力する事業主であること
⑧対象労働者を雇入れる以前に同コースの対象者として雇入れた労働者が5人以上いる場合、それらの者が雇入れ日から1年を経過した日の時点で離職している割合が50%以下であること
受給するための要件(下記に該当しないこと)
①ハローワーク等の紹介の前に対象労働者と雇用の予約をしていた場合
②一部を除いて職業紹介を受けた日に雇用保険被保険者であるものなど失業などの状態にないものを雇入れた場合
③雇入れ日の前日から過去3年間の間に事業所と雇用、請負、委任の関係にあった者、出向、派遣、請負、委任の関係で就労したことがある者を雇入れる場合
④雇入れ日の前日から過去3年間、事業所で通算して3か月以上訓練、実習等を受講したことがある者を雇入れる場合
⑤雇入れの前日から過去1年間に④と⑤に該当する事業所と密接な関係にある事業主が対象労働者を雇入れる場合
⑥対象労働者が事業所の代表者、取締役の3親等以内の親族である場合
⑦雇入れの日の前日から過去3年間に職場適応訓練を受けたことのある者に職場適応訓練を行なった事業主が雇入れる場合
⑧支給対象期に対象労働者に対して賃金の支払い期日を超えて支払っていない場合
⑨ハローワーク等で紹介した時の条件とは違う内容で雇入れ、対象労働者に労働条件に関する不利益や違法行為があり、当該労働者から申し出があった場合。
⑩助成金の申請を行う際に前年度より前のいずれかの年度の労働保険料を滞納している場合
⑪偽りや違法行為で本来受けることのできない助成金などを受け、または受けようとして不支給措置が取られている、過去5年間に当該偽り、違法行為に関与した役員がいる場合
⑫労働関係法の違反があり、助成金の支給が適切でないと認められた場合
⑬高年齢者雇用確保措置を講ずべきことの勧告を受けた場合
⑭性風俗関連業、接待を伴う飲食等営業、またはその一部を受託営業し、接待業務などに従事する労働者を雇入れる場合
⑮事業主、事業主の役員等が暴力団に関係している場合
⑯事業主、事業主の役員が破壊活動防止法第4条に規定する暴力主義的破壊活動を行ったまたは行なう恐れがある団体に属している場合
⑰支給申請日、支給決定日に倒産している場合
⑱不正受給が発覚した場合に事業主名等を公表することに同意していない場合
⑲「雇用関係助成金支給要領」に従うことに同意していない場合
支給額
短時間外労働者以外:中小企業で支給額は最高70万円、中小企業以外では最高60万円となります。
短時間労働者:中小企業で最高50万円、中小企業以外では最高40万円となります。
生活保護受給者を雇い入れるケース
対象労働者
①都道府県、市、福祉事務所を設置する町村が都道府県労働局・公共職業安定所(ハローワーク)と生活保護受給者等就労自立促進事業にかかる協定を締結し、この協定に基づきハローワークに就労支援の要請がなされた生活保護受給者と生活困窮者
②雇入れ日現在において定められた就労支援の期間内の生活保護受給者、生活困窮者
③ハローワーク等の紹介の時点で失業の状態にある者
④雇入れ日現在で満65歳未満の者であること
対象事業主
② 雇用保険の事業主であること
②対象労働者をハローワーク等の紹介により雇用保険の一般被保険者として雇入れる事業主
③対象労働者を雇用保険の一般被保険者として継続して雇用すること(65歳以上になるまで継続して雇用する、かつ雇用期間が継続して2年以上となること)が確実であると認められること
④対象労働者を雇入れた事業所の所在地を管轄する都道府県労働局の長に対し、対象労働者にかかる雇用管理に関する報告をする事業主であること
⑤対象労働者の雇入れ日の前後6か月間(基準期間)の間に事業主の都合による従業員の解雇がないこと
⑥対象労働者の雇入れより前に、過去3年間の間に同コースの対象者を事業主の都合で解雇、雇止め等をしていないこと
⑦基準期間に特定受給資格者となる離職理由の被保険者の数が対象労働者の雇入れ日における被保険者数の6%をこえていないこと
⑧対象労働者の出勤・賃金支払い状況等を明らかにする書類を整備・保管していて労働局等の審査に協力する事業主であること
⑨対象労働者を雇入れる以前に同コースの対象者として雇入れた労働者が5人以上いる場合、それらの者が雇入れ日から1年を経過した日の時点で離職した割合が25%以下であること
受給するための要件(下記に該当しないこと)
①ハローワーク等の紹介の前に対象労働者と雇用の予約をしていた場合
②一部を除いて職業紹介を受けた日に雇用保険被保険者であるものなど失業などの状態にないものを雇入れた場合
③支給対象労働者が対象期間の支給決定までに離職した場合
④雇入れ日の前日から過去3年間の間に事業所と雇用、請負、委任の関係にあった者、出向、派遣、請負、委任の関係で就労したことがある者を雇入れる場合
⑤雇入れ日の前日から過去3年間、事業所で通算して3か月以上訓練、実習等を受講したことがある者を雇入れる場合
⑥雇入れの前日から過去1年間に④と⑤に該当する事業所と密接な関係にある事業主が対象労働者を雇入れる場合
⑦対象労働者が事業所の代表者、取締役の3親等以内の親族である場合
⑧雇入れの日の前日から過去3年間に職場適応訓練を受けたことのある者に職場適応訓練を行なった事業主が雇入れる場合
⑨支給対象期に対象労働者に対して賃金の支払い期日を超えて支払っていない場合
⑩ハローワーク等で紹介した時の条件とは違う内容で雇入れ、対象労働者に労働条件に関する不利益や違法行為があり、当該労働者から申し出があった場合。
⑪助成金の申請を行う際に前年度より前のいずれかの年度の労働保険料を滞納している場合
⑫偽りや違法行為で本来受けることのできない助成金などを受け、または受けようとして5年間の不支給措置が取られている、または過去5年間に当該偽り、違法行為に関与した役員がいる場合
⑬支給申請日前日から過去1年間に労働関係法の違反があり、助成金の支給が適切でないと認められた場合
⑭高年齢者雇用確保措置を講ずべきことをの勧告を受けた場合
⑮障害者総合支援法に基づく勧告を受けた場合
⑯性風俗関連業、接待を伴う飲食等営業、またはその一部を受託営業し、接待業務などに従事する労働者を雇入れる場合
⑰事業主、事業主の役員等が暴力団に関係している場合
⑱事業主、事業主の役員が破壊活動防止法第4条に規定する暴力主義的破壊活動を行ったまたは行なう恐れがある団体に属している場合
⑲支給申請日、支給決定日に倒産している場合
⑳本助成金の対象者であることをあらかじめ把握せずに雇入れる場合
㉑支給対象期の初日が平成30年10月1日以降であって、支給対象期の途中で対象労働者が退職した場合、または実際に支払った賃金が支給額を下回る場合
㉒不正受給が発覚した場合に事業主名等を公表することに同意していない場合
支給額
短時間外労働者以外:中小企業で支給額は最高60万円、中小企業以外では最高50万円となります。
短時間労働者:中小企業で最高40万円、中小企業以外では最高30万円となります。
まとめ
特定求職者雇用開発助成金には多様な対象者を想定した複数のコースが設定されています。これからの人材確保は新卒だけを想定するのはもやは困難と言っていいでしょう。特に、産業分野や事業所の規模によっては人件費の捻出も、今回ご紹介した特定求職者雇用開発助成金などの助成金や補助金について理解を深め、うまく利用していくことも重要です。特に障害者を雇用する際の助成金についての理解は障害者雇用促進法上の法定雇用率を達成する上で必須です。
障害者の雇用についての枠組みを理解する中で、高齢者や母子家庭の母親、生活保護受給者などを対象とした助成金があることを理解し、人材確保にも柔軟な視点や手法を持つことは事業の安定や発展に少なからぬ影響を与えるのではないでしょうか。