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「特例子会社」とは?給料などの実態、特例子会社で働くメリットを紹介

更新日:2024年06月10日

障害者雇用について徐々に認知度が高まっていくにつれ、実社会で働きたいと思う障害者が増えています。しかし、働き先となる企業の数はまだまだ十分とは言えないようです。国は障害者の雇用を確保するため、法定雇用率を定めて、企業に障害者雇用の促進を求めていますが、職域の多様性に欠けるなど問題点も多く指摘されています。そこで「特例子会社」の活用に注目が集まっています。

特例子会社とは?

「特例子会社」とは、障害者の雇用に特化した子会社のことで、2023年(令和5年)時点で598社(前年比 19社増)(※厚生労働省調べ)設立されています。

特例子会社と一般企業の障害者雇用との違い

特例子会社と一般企業の障害者雇用には、どのような違いがあるのでしょうか。

どちらも障害者の雇用に関する法律で定められている障害者雇用となるため、雇用形態や仕事内容は同じです。

 

一方、特例子会社は障害のある方を雇用することを念頭に置いた企業なので、一般企業での障害者雇用に比べてバリアフリー等の設備面や、相談員などのサポート体制が充実しています。

 

また、一般企業では障害のある人とない人が同じチームで働くという場面がありますが、障害のある人が多く所属する特例子会社は、同じような障害のある人との仕事が中心となる環境です。

特例子会社、一般企業、どちらが自分には向いている?

障害者枠での転職を考えているのであれば、障害者転職のプロのエージェントに一度相談してみることをおすすめします。

特例子会社の特徴・支援体制

充実した支援体制

特例子会社では、それぞれの障害の特性に配慮した仕事の確保や職場環境の整備など、支援を充実させることも定められているため、バリアフリー化などの設備投資を集中化させることが可能です。

 

また、障害に配慮した短時間勤務をはじめ、フレックスタイムや半休制度などの充実、加えて、通院休暇制度を導入や、服薬や通院にも企業が配慮することも行われています。

 

加えて、障害者雇用に特化した管理体制を整えることで、能力発揮やキャリアアップのため、定期的な面談、相談の実施し、実習を充実させ、障害者の特性に合致した仕事ができるようにしています。

 

多様な業務内容

特例子会社では、業務内容の多様化も可能です。親会社と異なる労働条件を設定することで、これまでその企業で想定されていなかった種類の雇用を創出することもができます。

 

例えば、清掃などの軽作業を中心にする特例子会社もあれば、経理代行や給与計算、名刺作成、データ入力、パンフレット作成、ダイレクトメール発送代行などといった事務系の業務を請け負うところなどもあります。

 

このように本社、またはグループ会社から継続的に受注可能な仕事を請け負うことで、長期的な視野で経営を考えることができます。安定して仕事を生み出せる環境が整うことで就労条件に安心感が生まれ、障害者の職場定着率の向上にもつながっています。

 

特例子会社で働くメリット・デメリット

特例子会社で働くメリット・デメリットにはどのようなものがあるでしょうか。

 

特例子会社で働くメリット

 

①職場がバリアフリー対応である

特例子会社は、障害のある人が働きやすいよう、バリアフリー対応や駅近くのオフィスであることが多くあります。

 

②障害にあった環境で仕事ができる

仕事内容や業務の手順などが、それぞれの障害特性にあわせて設計されており、自分の働きやすい環境で仕事がしやすいのが特徴です。

 

③安定している

特例子会社は、大企業のグループ会社であることが多いため、景気に左右されにくく安定した環境であるといえます。

 

④同じような障害のある仲間と仕事ができる

一般企業の障害者雇用で働く場合、同じ部署で働く障害者が自分一人だけ…という場合が多いです。特例子会社の場合、自分と同じような障害のある人が同じチームや会社にいるという心強さがあります。

特例子会社に転職、就職したいなら、ぜひ一度エージェントにご相談ください。

特例子会社で働くデメリット

 

①収入が低い

特例子会社は、配慮が手厚い一方で給与が低い、という現状があります。2018年の

野村総合研究所の「障害者雇用及び特例子会社の経営に関する実態調査」によると、特例子会社で働く障害者の約8割が年収250万円以下となっています。

 

②スキルアップに繋がりにくい

特例子会社にもよりますが、マニュアルなどで定型化された業務が多いため、なかなかスキルアップに繋がりにくいというデメリットがあります。

 

③地方の求人は少ない

現在全国にある特例子会社517社の中で、関東に存在しているのは256社と、全体の約半分が都市部に集中しているのが現状です。

 

 

特例子会社の給料

野村総合研究所が2018年に実施した「障害者雇用及び特例子会社の経営に関する実態調査」によると、回答した特例子会社198社の内、平均年収が151万円~200万円と答えたのが全体の33.8%、201~250万円と回答したのが26.3%、101~150万円と答えたのが19.7%とあり、101万円~250万円の年収帯が一般的であるようです。

 

これは、月収に換算すると8.4万円~20.8万円となります。

 

参考までに、厚生労働省の「平成30年度障害者雇用実態調査」によると、各障害者の平均月収は

 

身体障害者 21.5万円

知的障害者 11.7万円

精神障害者 12.5万円

 

となります。

全国で増える特例子会社で働く障害者

障害者雇用に関する法律(正式名称「障害者の雇用の促進等に関する法律」)が施行されてから、すでに半世紀以上経ち、人々にも多く認知されるようになりました。

特例子会社は全国的に増えており、2004年には153社でしたが、2019年には517社に、2022年時点で579社に増加しています。

 

法定雇用率の引き上げもあり、一般企業での障害者雇用数は着実に増加傾向にあります。

 

近年では法律も整いはじめ、障害者雇用の対象義務としてこれまで身体障害者、知的障害者に加え、精神障害者も加わりました。このように、雇用対象者層も広がりを見せつつあります。

 

最近では、大学の新卒採用に目を向ける企業も増えてきました。大学が障害者の就職者向けにイベントを開いたり、就職サイトの拡充も図られています。

 

このように求人数も以前に比べて増えており、今後は、より違った職域の「障害者雇用」も増えていくのではないでしょうか。

 

特例子会社に転職、就職したいなら、ぜひ一度エージェントにご相談ください。

特例子会社設立の背景と現状

3、全国で増える特例子会社で働く障害者の画像

障害者雇用が法令化されたことで、企業としては、さまざまな対応を求められていますが、なかなか理想には近づけない部分もあります。

 

日本国憲法では職業選択の自由を謳っています。障害者でも職業を自由に選ぶ権利は持っています。企業は以前に比べて障害者に門戸を開いているとはいえ、職域を幅広く設定することは難しく、それが障害者雇用の問題点の一つとなっています。

 

その解決策の一つが「特例子会社」の設立です。企業が障害者の雇用に特別に配慮した子会社を設立することで、職域を幅広く設定することを可能としています。

 

企業側にも大きなメリットがあります。「特例」として、その子会社に雇用されている労働者を親会社に雇用されているものとみなして、その数を加えたうえで、法定雇用率を計算できるのです。特例子会社を持つ親会社が、大きな企業グループを形成している場合にも適用されます。全体の従業員に対して特例子会社で雇用されている障害者数がが要件を満たしていれば問題ありません。

 

法定雇用率とは、従業員43.5人以上の民間企業が雇用しなければいけない障害者の割合のことです。2018年4月には、企業の障害者雇用率が、それまでの2.0% から2.2%に引き上げられ、2021年3月1日には、2.3%に引き上げられました。

さらに2024年4月には2.5%、2026年4月には2.7%に雇用率が上昇する予定です。

 

グループ内に障害者が就労しやすい業務を行う子会社があれば、その会社で障害者雇用を進めることで、グループ全体での業務効率と障害者雇用を両立させることができるのです。

 

特例子会社に障害者採用で転職・就職をお考えなら、一度エージェントにご相談ください。

まとめ

本記事では、特例子会社について、一般企業の障害者雇用との違いや特徴、特例子会社で働くメリットやデメリットについて解説していきました。

 

現在全国には598社の特例子会社がありますが、その多くが関東にあります。一般企業での障害者雇用と比べると設備や環境におけるメリットがあります。

 

一方で、待遇やスキルアップなどの面でまだまだ十分といいにくい状態であるということも明らかになりました。

 

特例子会社も一般企業での障害者雇用も、それぞれメリット・デメリットがあります。

 

どちらの企業を受けるべきか、障害者専門のキャリアアドバイザーからアドバイスを受けるというのも一つの方法です。

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ライター:atGPLABO編集部(監修:戸田重央)

障害者専門の人材紹介として15年以上の経験とノウハウを活かし、障害者の雇用、就労をテーマとした情報発信活動を推進しています。 【監修者:戸田 重央プロフィール】 株式会社ゼネラルパートナーズ 障がい者総合研究所所長。 企業の障害者雇用コンサルタント業務に携わった後、2015年より聴覚障害専門の就労移行支援事業所「いそひと」を開所、初代施設長に。 2018年より障がい者総合研究所所長に就任。新しい障害者雇用・就労の在り方について実践的な研究や情報発信に努めている。 その知見が認められ、国会の参考人招致、新聞へのコメント、最近ではNHKでオリパラ調査で取材を受ける。 聴覚障害関連で雑誌への寄稿、講演会への登壇も多数。

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