障害者雇用でデザイナーへの道!成功へのポイントと職種解説
更新日:2023年04月19日
デザイナーとしてデザインに関わる仕事がしたいけど、障害があるから自分には無理だと諦めていませんか。デザイナーになるには、特別な資格は必要はありませんが、どの分野のデザイナーになるかによって、求められる専門的なスキルや知識が異なります。 本記事では、障害のある方がデザイナーになる方法や障害者雇用での求人の探し方などについて詳しく解説します。
目次
障害者雇用とは
「障害者の雇用の促進等に関する法律(障害者雇用促進法)」の第43条1項には、障害者を雇用するルールである「障害者雇用率制度」が以下のように定められています。
企業や国・地方公共団体などは、常時雇用している従業員に対して、一定数以上の障害者を雇用する義務があります。この割合を「法定雇用率」と言い、民間企業は2.3%です。従業員を43.5人以上雇用している企業は、障害者を1人以上雇用する必要があります。
「法定雇用率」を達成するために、企業は一般の採用枠とは別に、身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳を持っている方を対象として「障害者雇用枠」を設けて、採用を行います。この「障害者雇用枠」で障害者を雇い入れることを「障害者雇用」と言います。
障害のある方がデザイナーになるためには?
障害のある方がデザイナーになるには、どのような方法があるのでしょうか。
まずは「デザイナー」の仕事を理解する
デザイナーと一言でいっても、業界や仕事内容は多岐にわたるため、必要なスキルや知識が異なります。まずはデザイナーの仕事について詳しく理解しましょう。具体的なデザイナーの種類や仕事の内容については次の章で解説します。
デザインに関する知識や技術を学ぶ
障害の有無に関わらず未経験の方がデザイナーになるには、デザインの基礎から学ぶ必要があります。書籍や動画サイトなどを利用して独学で学ぶ方法もありますが、しっかり学ぶには、デザイン系の大学や専門学校に通うのが一般的です。
大学なら4年間、専門学校なら2年間と時間も学費もかかりますが、じっくりとデザインの知識や技術を学ぶことができます。
大学や専門学校より短期間に学ぶことができるのが民間のスクールです。民間のスクールには、複数のカリキュラムが用意されていることが多く、「短期間で学びたい」や「仕事をしながら学びたい」など、自分に合ったカリキュラムが選べます。また、最近ではオンラインでの学習も可能です。
未経験可の求人に応募する
未経験可の求人に応募して、仕事をしながら実践で学んでいく方法もあります。最初は先輩の手伝いやアシスタントの仕事ですが、経験を積みながら自分でデザインができるようになります。
就労移行支援サービスを活用する
「就労移行支援」とは、障害者総合支援に定められた福祉サービスで、障害のある方や難病の方が、一般企業へ就職するために必要な知識やスキルの習得のサポートを行います。また、学ぶだけでなく就職活動のサポートや、就職後の職場定着支援まで行うのが就労移行支援サービスの特徴です。
事業所やサービスによって、身につけることができる知識やスキルが異なりますが、最近ではWEBデザインを学べるコースもあります。
デザイナーの種類と仕事内容
デザイナーは、製品やWEBサイト、雑誌、ポスター、洋服などさまざまモノのデザインをする職業のことです。デザインする対象によってグラフィックデザイナー、WEBデザイナー、ファッションデザイナーなどの種類に分かれていて、それぞれ必要な知識やスキルが異なります。
ただ、依頼者が求めている内容に沿ったデザインをするという点では、どのデザイナーの仕事も共通しています。主なデザインの分野とデザイナーの種類、仕事内容を解説します。
デザインの分野
ビジュアルデザイン
映像や写真、イラスト、文字などを使って視覚的に情報を伝達するデザインのことをビジュアルデザインと言います。広告や出版、パッケージデザイン、WEBデザインなどが、ビジュアルデザインに関する仕事です。
プロダクトデザイン
プロダクト(製品)をデザインする仕事がプロダクトデザインです。生活用品や文具、家電製品、インテリア、自動車などあらゆる分野の製品が対象です。デザイン性だけでなく機能性や安全性も求められるため、製品に関する専門的な知識も必要です。
スペースデザイン
住宅や店舗、建物、施設、舞台などさまざま空間(スペース)をデザインする仕事がスペースデザインすることで空間デザインともいいます。空間によって求められる機能や快適さが異なるため、専門的な知識や技術が必要です。
ファッションデザイン
衣服や靴、バッグなどファッションアイテムのデザインを行う仕事です。商品が市場に投入される時期のトレンドを予測してデザインする必要があります。
デザイナーの種類と仕事内容
グラフィックデザイナー
雑誌や新聞の広告などの紙媒体、パッケージ、看板、チラシなどの平面のデザインを行うのが仕事です。レイアウトや色の配色といったデザインの基礎に加えて、印刷の知識、IllustratorやPhotoshopなどのデザイン系のソフトを扱うスキルが求められます。
グラフィックデザイナーの主な就職先は、広告代理店や広告制作会社です。フリーランスとして働く人も多くいます。
WEBデザイナー
WEBデザイナーは、WEBサイトをデザインするのが仕事です。クライアントが求める要件を満たすWEBサイトを制作するため、全体的な構成や機能を提案します。実際にコーディングまで行うケースも少なくありません。
そのためデザイン力に加えて、IllustratorやPhotoshopなどのデザインソフトのスキル、HTMLやCSS、JavaScriptといったコーディングやプログラミングのスキルが必要になります。主な就職先はWEBサイト制作会社やWEBサービス運営会社などです。
CGデザイナー
CGデザイナーは、WEBサイトやアプリ、ゲームといったコンテンツの制作のなかで、映像やアニメーション、図形、イラストなどのコンピューターグラフィックス(CG)を制作する仕事です。
デザインのスキルに加えて、IllustratorやPhotoshopなどのデザインソフト、Maya、Cinema 4DといったCG制作アプリケーションソフトや動画編集ソフトを使いこなす必要があります。主な就職先はCGを専門とする制作会社や、映像制作会社などです。
インテリアデザイナー
家具や照明器具、雑貨などのインテリアをデザインするのがインテリアデザイナーの仕事です。
デザイナー力に加えて、美的センス、色彩感覚、造形能力が求められます。主な就職先は建築設計事務所やハウスメーカーなどです。
他にも、DTPデザイナー、UIデザイナー、UXデザイナー、エディトリアルデザイナーなどいろいろ種類があります。
デザイナーの知識を学ぶには就労移行支援がおすすめ
これまで述べてきた通り、どの種類のデザイナーを目指すにしろ、デザインの基礎的な知識に加えて、対象とする分野の専門的な知識やソフトウェアを使いこなすスキルが必要です。そのため、なりたいデザイナーの種類が決まれば、必要な知識やスキルを学ばなければなりません。
就職に必要な知識を学ぶには就労移行支援がおすすめ
障害のある方や難病の方が、就職に必要な知識やスキルを身につけるには、就労移行支援の利用がおすすめです。就労移行支援は、通所型の福祉サービスで学校のように通って、希望する就職に必要な知識やスキルを学ぶことができます。
支援の内容は、就職活動に関する相談やアドバイス、本人の適性にあった仕事探し、職場実習などの機会の提供、就職後の職場定着サポートまで行っています。
世帯の所得に応じて負担上限額が設けられていますが、基本的に無料で利用できる方がほとんどです。
就労移行支援事業所選びのポイント
就労移行支援事業所によって、学べる内容が異なります。デザイナーを目指す方は、デザインに関する知識やスキルについて学ぶことができるのか確認しましょう。
また、就労移行支援事業所は通所型のサービスのため、自宅から通いやすい場所にあるかどうかも重要なポイントです。事務所やスタッフの雰囲気が自分に合いそうかも、一度見学に行って確認してみましょう。
atGPジョブトレIT・WEBについて
障害者雇用求人の探し方
障害者雇用でのデザイナーの求人を探すには、どのような方法があるのでしょうか。
ハローワーク
ハローワークには、障害についての知識を持った職員や相談員が配置されていて、障害者の就職活動の支援や就職活動に関する相談に応じています。求職申し込みの登録を行えば、自宅からインターネットで求人情報を検索することもできます。
障害者専門の転職エージェント
転職エージェントとは民間の人材紹介サービスです。登録すると専任の担当者が付き、求職者の希望にマッチした求人を紹介してくれます。転職エージェントには、幅広い求人を扱う総合型と、特定の業界や職種などの求人を主に扱う「特化型」があります。
「特化型」の中には、障害のある方の就職や転職に特化した転職エージェントもあります。
求人の紹介だけでなく、模擬面接や応募書類の添削など、幅広く転職活動をサポートも行っています。求職者は無料で利用できます。
フリーランスとして仕事をする
すでにデザイナーとしてのスキルがある方は、企業に雇用されるのではなく、フリーランスとして仕事をする方法もあります。仕事は、クラウドソーシングサービスなどで見つけることができます。