障害者雇用の実績がない会社への応募も視野に入れよう
更新日:2022年06月24日
一般企業に就職するにあたっては、誰しもしっかりとした企業で働きたいと考えているでしょう。なるべくなら大企業で安定して働きたい、と考えている方も多いのではないでしょうか。しかし、そういった大企業はとても競争倍率が高く、なかなか障害者雇用でも就職しにくいです。そこで提案したいのが、「障害者雇用をしたことの無い企業」への応募です。この記事ではそういった企業へ応募する利点、注意点などを書いていきます。
目次
障害者雇用をしたことのない企業への応募も検討しよう
障害者雇用での仕事を探す為に求人検索をする際、障害者の雇用実績を参考にする人も多いと思います。自分と同じ障害の社員が何人も雇用されている、その平均勤続年数などの実績が求人に出ている、それだけで安心感が増し働き方もイメージしやすいため応募意思も高まるだろうと思います。
なるべくなら障害者雇用の実績のある企業、カウンセラーや支援員のいる企業に就職したいと考えるのは障害者側としては当然とも言えるでしょう。
もちろん、「働きやすさ」だけをみれば、障害者雇用の実績(特に自分の障害と同じ障害の人が雇用されていればいるほど)が豊富な企業の方が良いと言えます。
ただし、当然ながらこうした企業は「人気企業」でもあるため、そもそも求人募集の機会が少なく、仮に採用機会が出てきたとしても募集人数が少ないことがあるため、常に競争率が高いです。
募集職種に対する経験、スキル、年齢、定着可能性といったあらゆる要素を考慮して採用を検討するので相当な困難が予想されます。
そしてある程度の年齢の方にとって致命的なのが、大手企業の求人はよほどのことがない限り、転職回数の少ない20代~30代半ばの応募者から採用することが多くなるということです。
以上の理由から、障害者雇用の実績の企業へ就職できるのが理想ではありますが、とてもハードルが高いのでよほど自分のスキルや実績に自信のある方で無い限りはそういった企業への就職は難しいと言えるでしょう。
そこで検討してほしいのが「障害者雇用をしたことのない企業」の応募の検討です。
ただし、これには条件があり、「人材紹介会社や就労支援機関から提供された求人」という点を覚えておいてください。
理由は実績が全くない企業の場合、
・障害者雇用が「義務だから」としぶしぶ採用活動を始めるパターン
・これからの自社の成長を見据え、社員の働きやすい環境づくりを追求する一環で障害者採用を考えるパターン
と、大きくわけて2種類の企業が存在するからです。
このように「前向きに」障害者雇用を考える企業は障害者雇用のノウハウがあるところに積極的に相談を持ち掛けます。その相談先というのが就労支援機関や人材紹介会社というわけです。
逆に「義務だから」と渋々採用活動を始める企業はノウハウのあるところに積極的に相談を持ちかけたりしません。
そういった理由から人材紹介会社や就労支援機関以外から障害者雇用の実績の無い企業へ応募すると、渋々採用活動を始めているパターンの企業に当たってしまう可能性があるので注意しましょう。
「雇用実績のない企業だけど、障害者採用に真摯に取り組んでいる姿勢があるよ」、という内部情報はこうした機関を通じて得られます。
こうした情報が有るのと無いのとでは、その後の応募意思に大きく影響してきます。
その点を見落とし、障害者雇用の実績が無い企業は障害者が就労するのには向かないと決めつけ、実績がないから応募を止めるというのは、チャンスを逃す事に繋がることもあります。
また、自分がその会社の障害者雇用第1号となることで、会社の就業環境を1から自分で作り出し、ひいては会社全体の環境を改善していくことにも繋がり、自分の仕事へのやりがいにも繋がるでしょう。
自分が動くことで、第2号、3号と障害者が雇用されていく。障害者雇用が増えていくのです。
これはとてもやりがいのあることではないでしょうか。
では、こうした企業と出会うにはどうしたら良いでしょうか。
就労支援機関や人材紹介会社を通じて得た求人が本当に自分に合っているかどうかを知るにはどうしたらいいでしょうか。
それには何よりも情報収集が大事になります。
実際に応募し、面接を通して、人事や配属部署の人と会い、場合によっては社内見学で職場の雰囲気を体感するなど、自分の体験から情報収集を行う必要が出てきます。
まずは、人材紹介会社や就労支援機関から様々な企業へ応募してみることが大切なのです。
自分から積極的に行動を起こすことで、情報収集を行うことが出来、そして障害者雇用の実績が無くても障害者に対してしっかりと配慮をしてくれる、配慮をする努力をしてくれる企業に出会うことが出来るでしょう。
障害者雇用の実績がない企業との面接について
障害者雇用の実績がない企業は、障害者を雇用することに不安がいっぱいです。
そのため、面接を通して、あなたに仕事を割り振ることができるかどうか、しっかりと確認し、意思疎通の面の不安を解消したがる傾向があります。
またそれとは逆に「障害のことを面と向かって聞いてしまっていいのだろうか?」躊躇(ちゅうちょ)して障害について全く質問してこないところもあります。
したがって、面接を受ける場合は、自分の障害のこと、希望する配慮について自分の言葉で伝えられるように入念に準備をしておきましょう。
場合によっては求人を紹介してくれた就労支援機関や人材紹介の職員に面接同席してもらうことができます。もし同席してもらうことが出来ればより一層、企業側に対して障害者が提供できる情報が多くなるため、企業側としても障害者採用の為の安心材料が大幅に増えることになるでしょう。
面接官側が質問を通して、知りたい情報を引き出してくれるのが一番良いのですが、そうした会社の人事がすべて障害者採用の経験が豊富な人とは限りません。障害者採用の実績が無い企業へ応募した訳ですから尚更そういった可能性があります。
したがってあなた自身がしっかりと自身の事を伝えられるようすることが大切です。
自身の障害への配慮の伝え方などにてついて、障害者専門のキャリアアドバイザーからアドバイスを受けるというのも一つの方法です。
atGPのキャリアアドバイザーが、あなたをマンツーマンでサポートします。
そして、自分が出来ることなどをしっかりと伝えることができれば、企業側も仕前向きに担当業務の切り出しなどを考えることができ、結果的にあなたはやりがいのある仕事を割り当てられ、戦力としてみなしてもらうことができるでしょう。
その辺りの意思疎通が上手く行かないと、仮に採用されてもお互いに遠慮しあうことで、本来ならもっとやりがいのある仕事が出来るにも関わらず、障害者側は簡単な仕事しか与えてもらえない、企業側としてもそういった仕事を与えてしまうなど、コミュニケーションのボタンの掛け違いを生み、最終的には職場に居づらくなることもあるので注意が必要です。
コミュニケーションのすれ違いを生まないように、日ごろの意思疎通はまめにすることが大事です。
障害者雇用の実績がない会社への応募も視野に入れよう まとめ
ここまで、障害者雇用の実績の無い企業への応募についてのメリット、注意点などについて書いてきました。
ポイントをまとめると、
・障害者雇用の実績のある大企業への就職は理想だが就職出来るハードルが高い
・障害者雇用の実績がない会社にも積極的に障害者雇用を行いたいと考えて情報収集している企業もある
・自分がその会社の障害者雇用での就職者1号になることで障害者雇用が増える可能性がある
・障害者雇用の実績の無い企業へ就職する際は、コミュニケーションのボタンの掛け違いが起こらないようにしよう
といったことが挙げられます。
障害者の雇用実績豊富な企業も魅力的ですが、雇用実績の無い企業でも「一緒に働きたい」と前向きに考える企業もあります。
こうした情報をしっかりキャッチして、安定的に働ける職場を見つけていきましょう。
「働く」ということはとても尊いことです。時には人生にとって労働から得られるお金よりも、仕事を通して得られるやりがいや尊厳といったものが自分にとって必要な場合があります。
生きがいになることもあります。
どんな企業を受けるべきか、障害者専門のキャリアアドバイザーからアドバイスを受けるというのも一つの方法です。
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