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発達障害の人はWebデザイナーに向いている!その理由とは

更新日:2023年05月26日

発達障害(ADHD、ASD)を抱えているから、どのような仕事に就いても上手くいかないのではないかと考えている人も少なくないと思います。しかし、発達障害の特性を理解しその特性に合った仕事に就くことで、他の人と同じかそれ以上の成果を挙げることができるケースもあります。そのような仕事の中に、Webデザイナーがあります。ここではWebデザイナーが行う仕事内容や、発達障害の人に向いている仕事環境や、向いていない仕事環境などについて解説していきます。

発達障害がある人はデザイナーに向いている?

デザイナーのタイプには、大きく二つのカテゴリがあります。

一つは営業やコミュニケーションが得意で、クライアントに提案しデザインを行うタイプです。もう一つは職人肌で、黙々とパソコンに向かってデザインにこだわるタイプです。

発達障害を抱える人が向いているのは、後者の職人肌のデザイナーです。

発達障害の人の多くは、他人とのコミュニケーションが苦手です。

外に出て人と関わりながらデザインを行う仕事でも、がんばればできるという人もいるかもしれませんが、必ずどこかでミスをしてしまう可能性があります。

発達障害やグレーゾーンの人は、自分の好きなことに黙々と取り組むことが得意な傾向があるため、「デザインに興味がある」「デザインという仕事が好き」という条件を満たし、職人的に働くことができる職場に就職することができれば、普通の人と同様の成果を挙げることができるでしょう。

デザイナーには多くの種類があり、働く環境もさまざまですので、自身の障害の特性に合った環境や仕事内容であるかどうかが重要なポイントになります。

また、段取りや時間管理の能力が問われる仕事でもあるため、スケジュールやタスクの管理などに関して自分なりにミスを防ぐための対策を立てておく必要があります。

デザイナーの種類と仕事内容

デザイナーという仕事にはさまざまな種類があり、その種類によって仕事内容も異なります。ここでは、デザイナーの種類と仕事内容について解説していきます。

 

Webデザイナー

Webデザイナーは、その名の通りWebデザインを行う仕事です。

クライアントが求めるWebサイトを作るために、美しいデザインと機能的な構成を提案し、実際にコーディングを行います。

Webデザイナーにとってデザイン作業は、全体の作業の一部に過ぎません。

デザインを行う前と後に、さまざまな工程があります。

デザインを行う前には、クライアントの「ヒアリング」、競合サイトの「調査と分析」、コンセプトや構成を決める「サイト設計」、そしてコンテンツを決める「画面情報設計」を行います。

ここまでの工程を終えて初めて「デザイン」を行います。

ここまで制作した戦略に基づいて、魅力的なビジュアルを作成します。

そのためには、グラフィックソフトを使用します。

デザインが終わったら、Webサイト上の動画を作る「プログラミング」を行います。

プログラミングコードを書く「コーディング」では、さまざまな言語の知識や作業が必要になります。

この工程で一文字でも記述を間違えてしまうと、正しく画面が表示されないため、厳密な作業が要求されます。

その後最終確認を行い、Webサイトが完成します。

 

グラフィックデザイナー

グラフィックデザイナーは、雑誌の表紙や書籍の装丁、商品のパッケージ、ポスター、カタログなど、さまざまなデザインを手掛ける仕事です。

主に広告制作会社やデザイン事務所、企業の広告宣伝部などで活躍します。

グラフィックデザイナーの仕事は、仕事の依頼が入った際にまず打ち合わせを行い、商品のコンセプトや広告の目標を確認します。

そして、どのような雰囲気のデザインにしたいかという要望を引き出します。

グラフィックデザイナーの役割は、クライアントの意向を汲み取って、目的やターゲットに合ったデザインを作ることです。

そのため、この工程では商品の特徴や訴求すべきターゲット層、目指す方向性などクライアントが求めるものをしっかりと聞き出すことが重要になります。

要件が決まったら、コンセプトの立案やラフデザインの作成を行い、クライアントへプレゼンテーションを行います。

プレゼンでOKが出て初めて、デザインの制作に取り掛かります。

必要に応じて撮影などを行い、写真やイラスト、テキストなどの素材が揃ったら、デザイン案を作成していきます。

デザイン案は、複数作成するのが一般的です。

このデザイン案を作成する際には、アートディレクターやイラストレーター、コピーライター、カメラマンとチームを組んで一つの作品を作り上げます。

グラフィックデザイナーは、クライアントの企業イメージがアップする作品を作る技術を持っているかが重要になります。

その後、完成した作品をクライアントに提出しチェックしてもらいます。

修正指示が入ることもあるので、その点を修正し最適なデザインに仕上げています。

晴れてデザインが完成したら、データを納品し、一つの仕事が終了します。

 

サービスデザイナー

サービスデザイナーは、商品や製品をデザインするデザイナーとは異なり、サービスや事象をデザインする仕事です。

ユーザーが進んで利用したくなるためにどのようなデザインにすればよいかを考案する仕事なので、他のデザイナーの仕事とは大きく異なります。

具体的な仕事内容は、新しい事業の創出及びアイデアの提案や、課題解決に必要な視覚化デザインの作成などがあります。

 

CGデザイナー

「CGデザイナー」とは、CG(コンピューターグラフィックス)のデザインを行う仕事です。

CGデザイナーは、「CGアーティスト」「CGクリエイター」と呼ばれることもあります。

CGデザイナーは、コンピューターと専用のソフトウェアを使って2D、3Dのグラフィックを作成していきます。

近年のCGは、ゲームや映画、映像、VR、アニメなどさまざまな業界まで活用されている技術です。

さらに3GCGの進化と普及によって映像業界だけではなく、建築物や機械の設計にもその技術が使われています。

CGはさまざまな業界で欠かすことができない技術となったため、今後CGデザイナーの需要も高まっていくものと考えられます。

 

発達障害の人が向いている環境

発達障害の特性を生かして働くためには、その特性に合った環境の職場または職種の仕事に就く必要があります。

ここでは、発達障害の人に向いている職場環境について解説していきます。

 

自分のペースで作業ができる

発達障害の人の多くは、他人とコミュニケーションをとることを苦手とする人が多い傾向にあります。

また、「強いこだわり」を持っている傾向が強いため興味があることについては作業に没頭することができます。

そのため、「あまり人とコミュニケーションをとる必要がなく自分のペースで作業ができる仕事」が向いています。

 

アイデア出しの多いポジション

発達障害の特性の中には、「じっとしていられない」「考えるよりも先に行動してしまう」といったものもあります。

この特徴を良い方面から見てみると、行動力があり好奇心が旺盛であるということもできます。

そのため、コピーライターやプログラマーなどアイデア出しが多く自分の裁量で働くことができる仕事が向いています。

 

作業工程のほとんどを一人でできる

発達障害がある人は、とにかく作業工程のほとんどを一人で行うことができる仕事が向いています。

多くの発達障害の人は興味がある事柄に関しては非常に高い集中力を持って仕事を行うことができるため、その点を強みにして仕事を探すことをおすすめします。

発達障害の人に向いていない環境

発達障害の人に向いていない環境の仕事には、以下のようなものがあります。

 

チーム単位で協力して進める環境

チーム単位で協力して行う仕事は、チームごとにスケジュール管理がされていることが多く自分のペースで仕事を行うのが難しいため、発達障害の人には向いていません。

また、チームの他の人とのコミュニケーションをとる機会が多いため、発達障害の人が苦手な高いコミュニケーション能力が求められます。

 

マルチタスクが多い環境

任された仕事以外の業務を担当させられたり、複数の担当者がいたりする現場で働くと、発達障害の人にとっては細かいタスク管理が苦手となる可能性があります。

 

慎重な判断や注意力が求められるポジション

注意欠如の特性がある人は、ケアレスミスをしやすいため慎重な判断や注意力が求められる仕事を行うのは難しいでしょう。

発達障害の人がデザイナーになるためには?

発達障害の人がデザイナーになりたいと思った場合には、どうすればよいのでしょうか。

ここでは、その方法について解説していきます。

 

まずは「デザイナー」という仕事についての理解を深める

デザイナーと一口に言っても、その種類はさまざまです。

また企業によっても求められる知識やセンスは異なるため、就職や転職を考える際には、志望する企業を厳選する必要があります。

しかし、最も重要なことは自分が興味がある分野のデザインを行っている企業を選ぶ事です。

 

就労移行支援やオンラインスクールでデザインに関する知識を学ぶ

デザイナーになるためには、デザインに関する知識が必要になります。

このような知識を身に付けるためには、就労移行支援サービスやオンラインスクールを活用すると良いでしょう。

特におすすめなのは、就労移行支援サービスです。

就労移行支援サービスはデザインに関する勉強ができるだけではなく、就職に関するサポートを受けることもできるためです。

 

自分自身の障害の特性や性格などの自己理解が重要

自分自身が苦手とすることや、苦手なことをしっかりと把握しておくことで、自分に合った職場環境の仕事を選びやすくなります。

そのため自己分析や自己理解を行い、自分自身のことを周囲に伝えることで発達障害について周囲の理解を得ることができます。

デザイナーの知識を学ぶには就労移行支援がおすすめ

デザイナーの知識を学ぶためには、就労移行支援がおすすめです。その中でもatGPは、障害と上手に付き合いながら自分らしく働き続けるために必要な障害理解・対処スキル、ビジネススキル、実践スキルをバランスよく身に付けることができます。

 

5つのコースの中から自分に合った障害理解・対処スキルコースを学ぶことができるため、同じ障害を持った人と共に学ぶことができ、コミュニケーションやPCスキルも身に付けることができます。

また、模擬職場スタイルでの実践トレーニングとそれを発揮する場としての企業実習の機会も用意されているため、いきなり就職して戸惑うことも少なくなります。

就職に関しても個々の人の障害の特性に合った企業とマッチングをしてくれるため、職場で長期間働くことができる可能性も高くなります。

このように、体調管理からデザイナーとしての就職のための実践的な事柄を学ぶことができるのが、atGPジョブトレなのです。

まとめ

ここまで、発達障害の人がデザイナーに向いている理由や、デザイナーにはさまざまな種類があること、発達障害の人に向いている職場環境と向いていない職場環境などについて解説してきました。

また、デザイナーになるためにはそのための知識が必要であることもお分かりいただけたと思います。

デザイナーになるための知識だけではなく、体調管理の方法などのトレーニングも充実していることから、就労移行支援サービスを利用する際にはatGPジョブトレを利用することをおすすめします。

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ライター:atGPLABO編集部(監修:戸田重央)

障害者専門の人材紹介として15年以上の経験とノウハウを活かし、障害者の雇用、就労をテーマとした情報発信活動を推進しています。 【監修者:戸田 重央プロフィール】 株式会社ゼネラルパートナーズ 障がい者総合研究所所長。 企業の障害者雇用コンサルタント業務に携わった後、2015年より聴覚障害専門の就労移行支援事業所「いそひと」を開所、初代施設長に。 2018年より障がい者総合研究所所長に就任。新しい障害者雇用・就労の在り方について実践的な研究や情報発信に努めている。 その知見が認められ、国会の参考人招致、新聞へのコメント、最近ではNHKでオリパラ調査で取材を受ける。 聴覚障害関連で雑誌への寄稿、講演会への登壇も多数。

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