HSPは頭が良い?頭が悪い?HSPの特性や個性の活かし方
更新日:2024年05月17日
HSPの方は、深く思考をめぐらせたり、相手の気持ちを先読みできるため「頭が良い人」と思われることがあります。一方で、音や光など外部からの刺激に影響を受けやすく、マルチタスクが苦手で「頭が悪い」と思われるケースもあります。ではHSPの方は、「頭が良い」のでしょうか。それとも「頭が悪い」のでしょうか?
目次
HSPは頭が良い?頭が悪い?
HSPは生まれ持った気質であり、学力とは関係ありません。HSPの方は、非常に感受性が強く敏感な気質をもった人です。その特性のため、物事を深く考えたり、他の人やその場の空気を深く読み取る能力に長けているので「頭が良い」という印象を受けることがあります。
その反面、自己肯定感が低く、周囲の刺激に敏感で集中できない、マルチタスクが苦手などの特徴から周囲の人から「頭が悪い」と思われることもあります。
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HSPが頭が良いといわれる理由
HSPの方が「頭が良い」といわれる理由には、次のようなHSPの特徴があげられます。
深く情報を処理する
HSPの方は、ひとつの物事についてさまざまな方向からじっくりと考える気質で、自分の過去の経験に関連づけたり比較したりして、深いレベルで情報を処理することができます。そのため、他の人とは違った角度で物事を見ることができ、頭が良いというイメージを持たれることがあります。
先の展開を読むことができる
感受性の高さから、相手の表情や声のトーン、しぐさなどによって言いたいことを読み取れるのも、HSPの方の特徴です。その先読みが当たっていれば、臨機応変な対応をすることができます。
記憶力が高い
HSPの方は、物事を人一倍深く考えて、細かな観察や確認などの分析をして、全体の流れ(ストーリー)で理解して記憶します。そのため、結論だけでなくそこに至るまでの過程も記憶していることが多く、記憶力が良いという印象を受けやすい傾向にあります。
向上心が強い
HSPの方は、他の人の顔色を伺ったり、周囲の視線を気にしたりと必要以上に空気を読む傾向にあります。そのため、自分を抑えて相手を優先するため、基本的には自己肯定感が低くなります。
一方、自己肯定感が低いことで、「自分を変えたい」「もっと成長したい」など、今の状況を変えたい気持ちを持っていて、成長意欲が高い人も少なくありません。
情報量の多さと頭の回転の良さ
感受性が強いHSPの方は、他の人より刺激や情報を多く受け取って脳で処理しています。その刺激や情報が脳に蓄積されていて引き出しが多いため、他の人が気づかないような点に気づいたり、まったく違う視点からのアイディアを思いついたりできます。次々と情報が出てくるため、頭の回転が良い人と感じさせることもあります。
HSPが頭が悪いといわれる理由
前章では、HSPの方が「頭が良い」といわれる理由について、HSPの特徴から解説しました。一方でHSPは「頭が悪い」といわれることもあります。その理由には次のようなものがあげられます。
マルチタスクが苦手
HSPの方は、マルチタスクが苦手だといわれています。その理由はHSPの4つの特徴である「DOES(ダズ)」が深く関係しています。
・Depth of Processing(深く処理をする)
HSPの方は、情報を深く考えて処理するため、ひとつの仕事を終わらせるのに時間がかかってしまいます。いくつもの仕事を同時進行するマルチタスクでは、情報を深く処理する時間が取れなくなり、考えが混乱してしまうことがあります。
・Overstimulation(過剰に刺激を受けやすい)
刺激に敏感なため、作業を進めているときも周囲の刺激が気になってしまいます。刺激を受けることで、思考が邪魔されて集中するのが難しくなります。
・Emotional response and empathy(感情への反応が強く共感力が強い)
心配なことや不安なことがあると、それが気になってタスクが手につかなくなってしまいます。また、周囲にイライラしている人がいると、感情の影響を受けてしまい作業がはかどらないこともあります。
・Sensitivity to Subtleties(些細な刺激を察知する)
他の人が気づかないような細かなことにも気づくため、その分作業時間が増えてしまいます。また、気づいたことすべてに対応しようと完璧主義になる人も多いので、ひとつのタスクがなかなか終わらなくなってしまいます。
自己肯定感が低い
自己肯定感が低い傾向にあるHSPの方は、自分の能力を過小評価しがちです。そのため「どうせ自分には無理」と最初から諦めたり、努力することを避ける人もいます。
緊張しやすい
HSPの方は、「周りの人にどう思われているのか気になる」「失敗したらどうしよう」など、考えてしまい緊張しやすい傾向にあります。緊張して本来の自分の実力が発揮できないことがあります。
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HSPの特性を頭の良さにつなげるには
HSPは生まれ持った気質のため、病気のように治療して治すことはできません。自分のHSPの特性を理解して、日常生活や仕事に活かしましょう。
シングルタスクで処理する
HSPの方はマルチタスクが苦手な傾向にあります。マルチタスクが苦手な自分を責めたり否定することなく、シングルタスクを意識してみましょう。
複数あるときは、タスクの優先順位を決めておくようにします。シングルタスクでは、マルチタスクのように同時進行できないため、着手するのが遅くなるタスクもでてきます。そのため、「締め切りが近いタスクはどれか」「時間がかかるタスクはどれか」「重要度が高いものはどれか」というように、どのタスクから着手すべきか順番を考えてから取り組みましょう。
また、スケジュールに余裕を持たせることも大切です。ギリギリの予定でスケジュールを組んでしまうと、時間も気持ちも余裕がなくなってしまい集中できなくなる可能性があります。
集中できる環境を作る
HSPの方は、周囲の刺激に敏感で集中するのが苦手です。しかし環境を変えることで対処することができます。音や光などの外部からの刺激に敏感な場合には、アイテムを活用して刺激を和らげましょう。
・イヤホンやイヤーマフを使用して雑音をシャットアウトする
・目を閉じる、アイマスクやサングラスをつける
・パソコンやスマートフォンの電源を切る
HSPの長所を活かす
HSPの方の特性は、短所にもなりますが長所にもなります。長所になるよう意識して活かしましょう。
・他の人が気づかないような細かいところまで気がつく
・空気を読む力がある、察する能力が高い、気配りができる
・深く考えて、丁寧に仕事を進める
・先のリスクを想像して対策するため危機管理能力が高い
・記憶力が良い
・感受性が豊かでクリエイティブ