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HSPと発達障害の違いは?それぞれの特性について詳しく解説

更新日:2024年03月15日

最近、HSPという言葉をよく聞くようになりました。しかし、HSPという言葉が広まる一方で、正しい知識が伝わっていないケースも多く、誤解されることも少なくありません。本記事では、HSPと特に間違われやすい発達障害との違いや、それぞれの特性について詳しく解説します。

HSPとは

「HSP」は、「Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)」の頭文字をとったもので、生まれつき神経が細やかで感受性が強い性質を持った人のことです。アメリカの心理学者「エレイン・N・アーロン」博士が提唱した心理学の概念で、「HSP」には、次のように特徴的な4つの性質「DOES(ダズ)」があるとされています。

 

Depth of Processing/考え方が複雑で深く処理をする

・Overstimulation/過剰に刺激を受けやすく疲れやすい

・Emotional response and empathy/感情の反応が強く共感力が強い

・Sensitivity to Subtleties/些細な刺激にすぐ気づく

HSPと発達障害、それぞれの特性

「HSP」には感覚が過敏な特性が見られることから、ASD(自閉症スペクトラム・アスペルガー症候群)などの発達障害と誤解されることがあります。

 

【HSPの方に見られる特性】

・Depth of Processing/考え方が複雑で深く処理をする

その場の雰囲気や他人の雰囲気など、周囲の空気感を深く読んでしまうため、気にしすぎて疲れてしまう。

 

・Overstimulation/過剰に刺激を受けやすく疲れやすい

外部からの刺激を過剰に受けやすく、人混みや音、光、味、におい、気候の変化など、五感で受ける刺激に対して敏感なため疲れやすい傾向にあります。

 

・Emotional response and empathy/感情の反応が強く共感力が強い

他人の感情の変化にも敏感で、他の人の感情をまるで自分のことのように受け止めてしまうことがあります。

 

・Sensitivity to Subtleties/些細な刺激にすぐ気づく

HSPの方は、他人が気づかないような些細な刺激でも察知できる、するどい感覚を持っていると言われています。

 

【発達障害の方に見られる特性】

「発達障害」は、生まれつき脳機能の発達の偏りがある障害です。発達障害は特性によって大きく3つのタイプに分けられています。

 

・自閉症スペクトラム障害(ASD)

自閉症スペクトラム障害(ASD)は、自閉症・アスペルガー症候群・広汎性発達障害などが統合されてできた診断名です。ASDの方の特性には「対人関係や社会的なやりとりの障害」や「限定された行動や興味、反復行動」があり、感覚の過敏性や鈍感性を伴うこともあります。

 

・ADHD(注意欠如多動症)

ADHDは、「不注意(集中力がない)」や「多動性(じっとしていられない)」「衝動性(思いつくと行動してしまう)」といった症状が見られる障害です。これらの特性の現れ方は、「不注意優勢に存在」「多動・衝動優勢に存在」「混合して存在」というように人によって異なっています。

 

・学習障害(LD)

学習障害(LD)は、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算・推論する」のうち1つ以上の能力に困難が生じる発達障害です。

 

自閉症スペクトラム障害(ASD)やADHD(注意欠如多動症)、学習障害(LD)の他にも、まばたきや首振りのような運動性チック症状や、咳払いや鼻すすりのような音声チックを症状とするタイプのものも、発達障害に含まれます。また、厳密に分けられることなく併存することもあります。

HSPと発達障害の違い

発達障害は、脳機能の発達に関する障害です。脳内での情報の伝わり方が一般の人とは異なるため日常生活やコミュニケーションでさまざまな困難が生じます。

 

一方で、HSPは脳の機能に問題があるわけではありません。感覚的な刺激に対して無意識に反応する脳の扁桃体という部位が、過剰に働きすぎる状態であると言われています。そのため、刺激に強く反応して疲れたり、不安や恐怖を感じることがあります。

 

HSPと発達障害は、どちらも感覚が過敏であるという特性を持つことがあることから混同されることがあります。しかし、HSPは生まれつきの気質や特性であり、障害でも病気でもないため発達障害とは全く異なります。

HSP・発達障害の診断

HSPは気質や特性であり病気ではないので、病院で診断を下されることはありません。しかし、HSPの特性によって、刺激を受けすぎた結果、ストレスによるうつ病や統合失調症、睡眠障害、パニック障害などを引き起こすケースがあります。

 

また、HSPと発達障害の特性には、似ている部分もあるため、違いを判断するのは難しいといえます。HSPと発達障害の両方の要素を持って生まれてくる可能性もあります。これまで紹介した特徴によって、社会生活や日常生活において生きづらさを感じている場合には、心療内科や精神科の専門医に診察してもらいましょう。

 

発達障害や統合失調症、気分障害(うつ病・躁うつ病など)、そのほかの精神疾患(ストレス関連障害など)によって日常生活または社会生活への制約がある人は、「精神障害者保健福祉手帳」の対象です。手帳が交付されると、「障害者雇用での就職や転職」「税金の減免」「公共料金などの割引サービス」などのメリットがあります。

 

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障害別コース制の就労移行支援

これまで解説してきた通り、「HSP」は生まれつきの気質や特性であり、病気や障害ではありません。しかし、「五感が敏感で刺激を受けやすい」「深く考えすぎる傾向がある」「周囲の雰囲気を敏感に察知する」などの特性から、ストレスを抱え込みやすく、うつ病や統合失調症、睡眠障害、パニック障害などの精神疾患を引き起こすケースがあります。

 

「atGPジョブトレ」は、障害者の転職サービス業界ナンバーワンの「atGP(アットジーピー)」が運営する就労移行支援サービスです。「うつ病コース」や「統合失調症コース」「発達障害コース」など、障害別に5つのコースがあり、障害の特性に合った就職・転職のサポートが受けられます。

まとめ

最後にまとめると、HSPは脳の機能に問題があるわけなく、生まれつきの気質や特性であり病気や障害ではありません。一方で、発達障害は、脳機能の発達に関する障害なので、HSPと発達障害には大きな違いがあります。

 

しかし、HSPと発達障害は、どちらも感覚が過敏であるという特性を持つことがあることから見分けが付きにくいといえます。社会生活や日常生活において大きなストレスを抱えたり、生きづらさを感じている場合には、早めに心療内科や精神科を受診しましょう。

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ライター:atGPLABO編集部(監修:戸田重央)

障害者専門の人材紹介として15年以上の経験とノウハウを活かし、障害者の雇用、就労をテーマとした情報発信活動を推進しています。 【監修者:戸田 重央プロフィール】 株式会社ゼネラルパートナーズ 障がい者総合研究所所長。 企業の障害者雇用コンサルタント業務に携わった後、2015年より聴覚障害専門の就労移行支援事業所「いそひと」を開所、初代施設長に。 2018年より障がい者総合研究所所長に就任。新しい障害者雇用・就労の在り方について実践的な研究や情報発信に努めている。 その知見が認められ、国会の参考人招致、新聞へのコメント、最近ではNHKでオリパラ調査で取材を受ける。 聴覚障害関連で雑誌への寄稿、講演会への登壇も多数。

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