双極性障害(躁鬱病)にあった仕事、働き方とは
更新日:2024年06月14日
誰でも、楽しくワクワクした気分になる時や嫌なことがあって落ち込むことはあります。「双極性障害」は、そのような日常的な気分の波を超えた「躁状態」と、すべてに対して無関心、無気力になったり、生きていることさえ辛いような「うつ状態」を繰り返す精神疾患です。今回は「双極性障害」と診断された方にあった仕事、働き方をまとめました。
目次
双極性障害(躁うつ病)とは
双極性障害は、気分が異常に高揚した「躁状態」と気分が落ち込む「うつ状態」が繰り返し現れる病気で、以前は「躁うつ病」と呼ばれていました。
双極性障害のうち、躁状態とうつ状態を繰り返すものをⅠ型、軽躁状態とうつ状態を繰り返すものをⅡ型と分類されています。
躁状態とうつ状態の症状、周りからみてわかるサイン
躁状態の症状
・寝なくても元気で活動できる
・しゃべりすぎる
・様々なアイディアが浮かんでくるが、気が散りやすく最後までやり遂げることができない
・自信過剰になる
・買い物やギャンブルにお金をつぎこむなど気が大きくなる
・怒りやすくなる
多くの場合は、自分が躁状態であることの認識が欠如しています。
様々な活動をせわしなく行い、おせっかいと受け取られるような行動をしたり、邪魔をされると怒り出すなどのトラブルが起こることから、職場での対人関係に問題を生じることがあります。
うつ状態の症状
・憂うつ、気分が重い
・体がだるい、疲れやすい、仕事に行けない
・イライラして、いつも不安
・疲れているのに眠れない、食欲がない
・何をしても楽しくない、何に対しても興味がわかない
・表情が暗い、反応が遅い
うつ状態になると、躁状態から一変してすべてのことに対し関心がわかなくなり、無気力な抑うつ状態になって、起き上がることができない、職場に行けないなど日常生活に支障がでることがあります。
双極性障害の治療
双極性障害のある方の中には、本人が躁状態の時を「元気で活動的な時期」と錯覚していることがあります。
先ずは本人が双極性障害であると気づくことが重要なので、上記の症状やサインが見られる時には早期に医師の診察を受けましょう。
双極性障害の方が仕事や働く上で悩むポイント
双極性障害は、躁状態とうつ状態が繰り返して現れる精神疾患です。
躁状態の時には、気分が高揚し、様々なアイディアが浮かんでくるなど仕事の成果につながることがありますが、一変してうつ状態になると、すべてのことに対して無気力になり、抑うつ状態で会社にも行けない状態になります。
双極性障害の方が仕事をする上で気をつけること
双極性障害Ⅰ型の特徴は、激しい躁状態です。
躁状態の時には気持ちが非常に高揚して何でもできる気がして、人の意見に耳を貸さなかったり、計画もなしにやってしまうこともあります。
また、イライラしたり怒りっぽくなったりもする傾向が見られたら早期に主治医に相談する等して悪化させないことが大切です。
双極性障害Ⅱ型は、軽度の躁状態であるためⅠ型と比べると仕事への影響は大きくありません。
軽躁状態の時には、元気がよく心身共に活発で自信に満ちあふれ、アイディアがどんどん浮かんでくることから一部の人にとっては生産的な時期となります。
しかし、注意が散漫になったり、自信過剰になり無謀な計画を実行したりすることがあるので注意が必要です。
また、軽躁状態の時に休息や睡眠時間を削って無理をして仕事に没頭することで、その反動でうつ状態に移行することがあります。
うつ状態になるとすべてに対して無関心・無気力になることから仕事が手につかなくなったり、ひどい場合には朝起きれなかったり体が動かなくなり職場に行けなくなるなど仕事を続けるのが難しい状態になることもあります。
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双極性障害に合った仕事、働き方とは
双極性障害の悪化を防ぐためには、できる限り規則正しい生活を心がけることが大切です。そのためにも夜勤や残業が少ない仕事や職場を選ぶことが望ましいと言えます。
また、双極性障害の症状をコントロールするには、定期的な医療機関の受診と薬物療法が不可欠なので、仕事の合間などに通院することができる環境も必要となります。
現在すでに仕事をされている方は、以下の働き方のポイントに気をつけて双極性障害の再発を防いでいきましょう。
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働き方のポイント1
早い段階で躁状態に気づける環境づくり
双極性障害のある方の中には、今自分が「躁状態」なのか、「うつ状態」なのか、躁うつが入り混じった「混合病期」なのか、健康な安定した精神状態「寛解期」なのかわからないことがあります。
双極性障害の症状をかかえながら働くには、双極性障害の症状や特徴を自分自身が十分に理解し、家族や職場の人にも知ってもらうことが大切です。
症状が落ち着いている「寛解期」に、躁になったらどうなるのかを思い返してみましょう。
「ついついしゃべり過ぎる」「なんでもできる気がして計画なしでやってしまう」「イライラ、怒りっぽい」など躁の時に出る行動を、職場の人や家族に予め伝えておくと、いち早く変化に気づいてもらえます。
働き方のポイント2
躁状態の予兆や症状に気づいた後の対応
躁状態の時に無理をして仕事をすることで、それがうつ状態へ変化する原因になります。また、躁状態の高揚感や自信過剰から職場の上司や同僚の意見に耳を貸さなかったり、イライラや怒りっぽくなることで人間関係に影響を及ぼすこともあるので、「躁状態」になることを予測することは大切です。
症状が安定している「寛解期」に、自分が「躁状態」になったらどうなるのかを振り返り、症状が出た場合には、どう対応するのかをあらかじめ決めておくといいでしょう。また、職場の上司や同僚に、「躁状態」になった時にはどうすれば仕事がうまく進められるのか相談しておくと、大きなミスやトラブルを防ぐことができます。
また、睡眠時間が短くなると「躁状態」を起こしやすくなるため、仕事量を抑えて十分な睡眠時間と休息を取ることも必要です。
何より、双極性障害の基本的な治療法は薬物療法なので、症状が安定している「寛解期」であっても、自分の判断で服薬を中止することは避けましょう。
働き方のポイント3
うつ状態に備える
双極性障害は、「躁状態」と「うつ状態」を繰り返す精神疾患です。
「躁状態」の後には「うつ状態」が訪れるので、それに備えることが重要です。身体の調子が悪かったり、イライラしたり何となく不安だったり、眠れないと感じた時には、無理をせず仕事を早めに切り上げるようにするなど心掛けます。
繫忙期で、他の人がまだ仕事をしているのに、自分だけ早く帰るのは気が引けていまいがちですが、予め自分の病気の事を上司や同僚に理解してもらうことで、仕事の量や時間をコントロールして症状が重くなることを防ぐことができます。
双極性障害の症状が悪化すると、仕事を続けることが難しくなります。もし休職せざるを得ない場合も、後で職場への復帰がしづらくならない様に、病気への理解を求めると共に休職の可能性も職場に伝えておけると安心です。
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まとめ
双極性障害の症状をコントロールしながら働くには、症状に早く気付き、対処していくことが必要です。
そのためにも、躁の時に出る行動を職場の人や家族に予め伝えておくと、いち早く変化に気づいてもらえるためお勧めです。
職場環境で困った時には、「産業医や産業保健スタッフ」「障害者職業生活相談員」に相談するとよいでしょう。
また、休職した際にはデイケアでの「リワークプログラム」で職場復帰の訓練を受けたり、退職となった場合も「就労移行支援サービス」で就職後に定着・活躍するための訓練を受けることができます。
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ご自身に合うサービスを見つけて活用していくこともお勧めです。