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突発性難聴になった時の給付金やサポートについて

更新日:2024年06月17日

突発性難聴は原因不明の耳の病気です。聞こえが悪くなるだけでなく、人によっては耳鳴りやめまい、吐き気などの症状も現れます。3人に1人は治らないため、仕事を続けるのが困難になるケースもあります。 本記事では突発性難聴の症状や原因、治療法、突発性難聴になった場合に受けられる支援やサービス、給付金、仕事や生活で困った時の相談先などについて解説します。
 

突発性難聴とは

「突発性難聴」は、突然片方の耳(まれに両耳)の聞こえが悪くなる疾患です。突然発症した難聴のうち、原因がはっきりとわからないものを突発性難聴と呼んでいます。40歳代から60歳代に多く見られますが、幅広い年代に起こります。電話の音が急に聞こえなくなる、朝目覚めてテレビをつけたら音が聞こえにくいなどで気づくことが多いようです。

 

聞こえにくさの程度は、まったく聞こえなくなる場合や高音だけ聞こえにくい場合など人によって異なります。耳の閉感(耳が詰まったような感じ)や耳鳴り、めまい、吐き気などを伴うケースもあります。突発性難聴の発作は、1度だけで繰り返すことはありません。
 
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突発性難聴の原因

突発性難聴の原因ははっきりとわかっていませんが、音を電気信号に変えて脳に伝える役割をしている蝸牛(内耳)の有毛細胞が、なんらかの原因で傷ついて壊れてしまうことで起こると考えられています。

 

ウイルス感染や有毛細胞に血液を送る血管の血流障害が原因であると考えられていますが、まだ明らかにはなっていません。過労や睡眠不足、心身のストレス、糖尿病などがあると発症しやすいといわれています。

 

突発性難聴の治療法

突発性難聴の治療は薬物療法が中心となります。現在のところ特効薬はありませんが、血流障害によって起こる細胞のむくみや炎症を抑える効果がある副腎皮質ステロイド薬の内服や点滴投与が中心で、他に血管拡張薬や代謝改善薬、ビタミンB12が併用されることもあります。また、生活のリズムを整えて静かな環境でゆっくり休むことも大切です。

 

発症してから1週間以内に適切な治療を受けることで、突発性難聴のおよそ3人に1人は完治し、3人に1人は何らかの改善が見られますが、残りの3分の1は全く改善が見られません。発症から時間が経つほど症状が固定化して完治が難しくなるため、できるだけ早く治療を開始するのが重要です。

突発性難聴を発症したら仕事はどうする?

突発性難聴の耳の聞こえにくさ、耳鳴り、めまい、吐き気などの症状があると仕事に大きく影響します。突発性難聴になってしまった場合、どのようにしたらいいのでしょうか。

 

 耳の聞こえに異常を感じたらまずは耳鼻科を受診

耳の聞こえ方に異常を感じたら、まずは耳鼻科など専門の医療機関を受診しましょう。前章でも書いた通り、突発性難聴はできるだけ早く治療を開始することが重要です。治療開始が遅れれば遅れるほど、完治するのが難しくなります。

 

また、突発性難聴と似たような症状がある病気にメニエール病や聴神経腫瘍、外リンパ瘻(ろう)などがあります。診断を確定させるためにも、できるだけ早く受診することが大切です。

 

突発性難聴と診断されたら

突発性難聴は過労や睡眠不足、心身のストレスがあると発症しやすいと考えられています。病院を受診して突発性難聴と診断されたら、医師の指示に従って治療に専念しましょう。

 

一般的には1週間ほどで治療の効果が現れます。突発性難聴は急性疾患のため、治療期間の目安は1週間から長くても2週間です。医師に診断書を書いてもらい会社に提出して、仕事を休んで自宅で安静にして過ごしましょう。

 

 障害についての知識や自己理解を深める

突発性難聴はおよそ3人に1人は完治して、3人に1人は何らかの改善が見られます。しかし、残りの3分の1は治りません。

 

突然、耳が聞こえにくくなる精神的な負担やストレスが大きなものです。それでも体調が落ち着いてきたら、突発性難聴についての知識や自分の症状の把握など理解を深めて、病気と向き合わなければなりません。

 

突発性難聴が治らない場合、会議や研修などの内容が理解できない、電話対応が難しい、上司や同僚とのコミュニケーションが取りにくいなど職場で困ることがたくさんがあります。

 

難聴など聴覚障害の方は、外見的に障害がわからないため周囲の理解が得られにくいため、自身の状態を周囲に説明してサポートしてもらえるようにお願いしてみましょう。

 

突発性難聴の方が受けられる給付金・支援制度・サポート

突発性難聴を発症してしまい日常生活や仕事に支障がある場合、次のような支援制度やサポートを受けられることがあります。

 

 障害年金

突発性難聴が完治せずに、生活や仕事を制限されるようになった場合「障害年金」を受給できる可能性があります。

 

障害年金には「障害基礎年金」と「障害厚生年金」があり、突発性難聴で初めて医師の診療を受けたときに、国民年金に加入していた場合は障害基礎年金、厚生年金に加入していた場合は障害厚生年金が請求できます。

 

受給要件は、障害基礎年金が障害等級表に定める1級または2級に該当していることで、障害厚生年金は、障害等級表に定める1級から3級のいずれかに該当していることです。障害の程度1級は両耳の聴力レベルが100デシベル以上、2級は両耳の聴力レベルが90デシベル以上、3級は両耳の聴力が40センチメートル以上で通常の話声を理解することができない程度です。

 

なお、5年以内に病気やけがが治って、障害厚生年金の受給要件より軽い障害が残ったときには障害手当金が支給されます。

 

 傷病手当金

病気やケガで会社を休んで、十分な報酬が得られない場合には、健康保険から傷病手当金が支給されます。傷病手当金は、会社を休んだ最初の3日を除いて4日目から支給され、支給期間は支給開始から通算して1年6か月までです。

 

 労災保険

労災保険とは、労働者(正社員・パートやアルバイト)が仕事中や通勤途中に起きた出来事が原因で、ケガや病気、障害、死亡した場合に保険金が支払われる制度です。正しくは労働者災害補償保険といいます。

 

著しい騒音を発する場所で業務したことで難聴となる「騒音性難聴(職業性難聴)」は労災認定の対象です。しかし、突発性難聴の場合は原因がはっきりとわからないため、労災認定されにくいでしょう。

 

 高額療養費制度

高額療養費制度とは、同じ月に支払った医療費の自己負担額が高額だった場合に、自己負担限度額を超えた分が後払いされる制度です。

 
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突発性難聴の方向けの仕事に関するサポート

突発性難聴の症状で仕事を続けるのが辛かったり、難しい時には次の支援機関やサポート機関に悩みを相談してみましょう

 

 障害者就業・生活支援センター

障害者就業・生活支援センターは、障害のある方への就職に関する相談支援や就職活動の支援、職場への助言、日常生活や地域生活に関する助言など、仕事と生活の両方を支援する施設です。

 

 地域障害者職業センター

地域障害者職業センターは障害のある方に対して、専門的な職業リハビリテーションを提供する施設です。

 

 ハローワーク

ハローワーク(公共職業安定所)は、職業紹介や雇用保険など雇用支援を行う国の機関で全国各地に500か所以上設置されています。障害についての専門知識を持った、職員や相談員が配置されていて、障害雇用枠の求人だけでなく一般の求人も紹介してくれます。

 

 就労移行支援事業所

就労移行支援事業所は、障害のある方が一般企業へ就職するためのサポートをする通所型の障害福祉サービスです。企業で働くために必要な知識やスキルを習得して、就職後の定着もサポートしてくれます。

 

 転職エージェント

転職エージェントは、転職したい人と採用したい企業のマッチングを支援する人材紹介サービスです。転職エージェントの中には、障害のある方の転職に特化したサービスもあります。

障害者雇用枠での就職や転職はatGP

「atGP(アットジーピー)」は、業界ナンバーワンの実績を誇る障害者専門の転職サービスです。

 

障害がある方の就職や転職に精通したキャリアプランナーが、あなたの希望にマッチした求人を紹介するエ「atGPージェント」、自分で求人を探す「atGP転職」、スタッフがあなたにマッチした求人を紹介する「atGP転職(スカウト)」、障害別の就職トレーニングを受けられる「atGPジョブトレ」から自分に合ったサービスを選ぶことができます。
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まとめ

突発性難聴は原因不明で突然耳の聞こえが悪くなったり、耳鳴りやめまい、吐き気などが起こる病気です。早期に診断を受けて治療を開始すると、3人に1人は完治して、3人に1人は何らかの改善が見られます。しかし残りの3分の1は治りません。

 

発症してから治療までの時間が経つと完治が難しくなるため、できるだけ早く耳鼻科などの専門医を受診することが重要です。もし、完治せずに生活や仕事を制限されるようになった場合には障害年金などの支援やサポートの制度があるので利用しましょう。

また仕事で困った時には、記事で紹介した 障害者就業・生活支援センターや障害者就業・生活支援センター、 就労移行支援事業所、障害者向けの転職サービスなどに相談してみましょう。

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ライター:atGPLABO編集部(監修:戸田重央)

障害者専門の人材紹介として15年以上の経験とノウハウを活かし、障害者の雇用、就労をテーマとした情報発信活動を推進しています。 【監修者:戸田 重央プロフィール】 株式会社ゼネラルパートナーズ 障がい者総合研究所所長。 企業の障害者雇用コンサルタント業務に携わった後、2015年より聴覚障害専門の就労移行支援事業所「いそひと」を開所、初代施設長に。 2018年より障がい者総合研究所所長に就任。新しい障害者雇用・就労の在り方について実践的な研究や情報発信に努めている。 その知見が認められ、国会の参考人招致、新聞へのコメント、最近ではNHKでオリパラ調査で取材を受ける。 聴覚障害関連で雑誌への寄稿、講演会への登壇も多数。

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