ハローワークを障害者が活用する為の基本的な手順
更新日:2023年02月13日
就職先を探す際にまず思いつくのは、ハローワークの障害者窓口だと思います。しかし、今まで健常者だったけれどある日突然、障害者になったという方は、ハローワークの障害者窓口を使用したことがないですよね。そもそも、利用の仕方すらよく分からないと思います。他にも、就職を今までしたことが無い障害者の方も同様です。そこで今回は障害者がハローワークを活用する基本的な方法をご紹介いたします。
目次
ハローワークとは?
就職活動と一言でいってもその方法はいくつかあります。
・自己応募(企業の採用ページなどを調べて自分で直接企業へ応募する方法)
・ハローワークを利用する
・民間の職業紹介や求人媒体を利用する
などです。
自分にあった就職活動の方法を選択するとよいでしょう。
今回の記事ではこれらの中からハローワークについてご紹介致します。
ハローワークとは?
ハローワークとは、就職を目指す方に向けて、無料で職業紹介や就労支援サービスを行う職業紹介所です。正式には公共職業安定所といいます。
ハローワークには一般の相談窓口と障害のある方のための相談窓口があります。
自分がどのように仕事を探すか決めかねているときは、総合窓口に行くと良いでしょう。
窓口は誰でも利用可能で、診断や手帳はないけれど、
「もしかしたら自分には障害があるのかも?」
と考えている方も安心して相談ができます。
ハローワークの障害者への対応
ハローワークには総合窓口の他に障害者専用窓口が用意されています。
障害者専用窓口では、ハローワークの相談員が障害者の希望に基づき、職業紹介をしてくれます。
ハローワークの障害者雇用窓口は、他にも障害者向けの求人の確保、障害者雇用を検討する企業側の相談、就職を目指すにあたり適切な支援が必要な方には関係機関との連携も行っています。
また、企業に対して障害者雇用促進法に基づく障害者雇用率を達成するよう指導育成も行っています。
障害者雇用率とは、従業員数に応じて障害者を雇用しなければならないというパーセンテージのことです。事業区分によって、雇用しなければいけない障害者の数が法律によって定められています。
ハローワーク利用のメリット
障害者に限らず、求職者にとってハローワークを利用することは様々なメリットがあります。
・仕事探しにおいて専門の職員に相談できる(自分にあった職場について相談できる)
・職業紹介唯一の国の機関として圧倒的な求人数 ・面接会、ミニ面接会の実施
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また、面接同行を行ってくれケースもあります。
面接同行のフローとしては、
・相談窓口での相談→求人紹介→応募→面接同行
・相談窓口での相談→支援機関紹介→求人紹介→応募→面接同行
特に障害者の方では上記2つのフローがおすすめです。書類の添削や面接対策も行ってくれます。
また、精神障害者の方は精神トータルサポーターの方に相談出来るようになっており、より自分にあった相談ができます。
精神障害者雇用トータルサポーターとは、従来のカウンセリング等の業務に加え、精神障害者に関する企業の意識啓発、雇用事例の収集、職場の開拓、就職に向けた準備プログラムや職場実習の実施、就職後のフォローアップなどを行う精神障害者雇用トータルサポーターとしてハローワークに配置することにより、精神障害者に対する総合的かつ継続的な支援を行う職員のことです。
これまでハローワークでは精神障害者に対するカウンセリング等を行うため精神保健福祉士等の資格を有する精神障害者就職サポーターを配置していましたが、より総合的に支援できるよう、精神障害者雇用トータルサポーターが設置されました。
ハローワーク以外に、障害者専門のエージェントに相談するという方法もあります。あなたにあった求人を紹介してくれたり、面接対策など二人三脚で転職活動を進めることができます。
ハローワークの利用の流れ
ハローワークを利用する際に事前の予約は不要です。
必須持参物もありません。
ただし、障害者手帳、主治医の診断書を持っている場合は持参すると良いでしょう。
理由としては、
・ご自身の障害や特性についての話がスムーズになる
・適職を相談しやすくなる
等があり、就職活動が行いやすくなるからです。
また、障害の特性についてハローワーク職員がデータとして残してくれるので、次回からの就職活動もスムーズに行えるようになります。
求職者登録
インターネットでハローワークの求人を検索する際、求職者登録をしているのかどうかを入力する箇所があります。
求職者登録を行っていると、自分の適性により近い就職先を検索しやすくなりますので是非、求職者登録はしておきましょう。
求職者登録を行うには、お住まいの地域の管轄ハローワークに行かなければなりません。そして、そこで求職申込書に記入、登録し、ハローワークカードを受け取ります。
管轄のハローワークがわからない方は下記から探してみて下さい。
参考 : 厚生労働省 全国ハローワークの所在案内
ハローワークの相談員に相談
ハローワークでは専門の相談員に就職についての相談などを行うことができます。
相談内容は、ご自身のこと、希望就職先などを相談しましょう。
相談の際は、自分の情報を相手に正しく伝えるために、自分の障害特性や希望の働き方等を事前にメモなどに書いておき、メモを見せながら説明するのも効果的です。
就労移行支援事業所に通所している方は、事業所で作成した書類などがあれば持参してもよいかもしれません。
ご自身の特性、得意なこと、苦手なこと、障害者雇用であれば希望する配慮事項、働ける時間、など、相談してみましょう。
もし、ハローワークの方の説明内容や意味がわかりにくい場合は、「わかりにくいです」と伝えたり、答えにくい質問に対する回答も「答えにくいです」と伝えて大丈夫ですので安心して相談して下さい。
自分の意思をハッキリと伝えましょう。
ハローワーク以外に、障害者専門のエージェントに相談するという方法もあります。あなたにあった求人を紹介してくれたり、面接対策など二人三脚で転職活動を進めることができます。
求人検索
相談員に相談し求人を紹介してもらう方法もあれば、ハローワークに設置しているパソコンから求人検索する方法もあります。障害者雇用でも一般雇用でもどちらでも検索可能です。
求職者登録後は、ご自身のパソコンからも検索が出来ます。
検索時には、キーワード絞り込みをして検索をすることが可能です。
就業場所、職種、応募条件(年齢、資格、学歴、経験、など)、労働条件(賃金、雇用形態、就業時間など)、福利厚生、フリーワード等を入力して絞込を行いましょう。
自分がどんな仕事に就きたいか事前に整理しておく
ハローワークに行く際には、事前準備として自分がどんな職種に就きたいのか整理しておきましょう。
そして、応募したい求人が決まったら、ハローワーク職員に「紹介状」を発行してもらいます。
この紹介状を応募書類に添えて応募するので忘れないように、必ず紹介状を発行してもらうようにしましょう。
応募書類や面接に関する相談
履歴書、職務経歴書の内容で不安があればハローワーク職員に相談することもできます。
また応募先での面接の際は、持ち物や面接時の注意点など事前にハローワーク職員に相談し、しっかり準備を整えて臨みましょう。
障害者雇用で応募する場合は、職場で必要な配慮について応募前に整理しておくことをお勧めします。
その際の相談もハローワーク職員に相談してみましょう。
応募前に専門家の意見も取り入れながら必要な配慮を明確にしておくことがミスマッチの防止となります。
ハローワーク以外に、障害者専門のエージェントに相談するという方法もあります。あなたにあった求人を紹介してくれたり、面接対策など二人三脚で転職活動を進めることができます。
ハローワークで障害者が受けられる配慮
ハローワークの障害者専用窓口では様々な配慮を受けることが出来ます。
例えばハローワークの場所や曜日によって手話通訳や筆談ができるスタッフや、精神障害者の支援に特化したスタッフとの対話が可能です。
ハローワーク利用の事前予約は基本的に不要ですが、このようなスタッフに相談したい場合は事前に予約しておいたほうが良いでしょう。
予約は電話、FAXで行うことが出来ます。
相談内容が外部に漏れる心配は?
ハローワークには守秘義務があり、相談内容が外に漏れることはありません。 安心して相談しましょう。
コミュニケーションが苦手な方向けのプログラムも有り
対人関係やコミュニケーションが苦手な若年層向けの「若年コミュニケーション能力要支援者就職プログラム」を実施しているハローワークもあります。
苦手な方は是非、こちらを利用してみて下さい。
自分だけで求人検索を利用するのが難しい、、と感じたら、障害者専門のキャリアアドバイザーに相談してみるのもおすすめです。
その他 ハローワークの取り組み
関係機関との連携
ハローワークは、障害者職業センターが行う「ジョブコーチ支援」への案内も行っています。
「ジョブコーチ支援」とは、ジョブコーチと呼ばれる厚生労働大臣が認定した有資格者が、障害のある方や就職先の企業などに対して職場への適応や定着を促す取り組みのことをいいます。
就職後にジョブコーチを利用することで、必要な配慮を周囲に理解してもらうためのサポートや、コミュニケーションを円滑にするためのアドバイスを受けることができます。是非、覚えておきましょう。
トライアル雇用
トライアル雇用とは、障害のある方を企業が「試行雇用」という形で原則3ヶ月間受け入れ、企業側の障害者雇用への理解を促し、試行雇用終了後の常用雇用への移行を進めることを目的に行われる取り組みのことです。
つまり、障害者を短期間受け入れることで企業側には障害の特性を知ってもらうことが出来、就職する側も障害者雇用での就職がしやすくなるシステムです。
以上の理由から、トライアル雇用は雇われる側にとっても適職の把握や職場環境への適応などに役立ち、雇う側も障害者の雇用方法を学ぶことが出来るシステムだと言えるでしょう。
トライアル雇用は、ハローワークの必要性の判断と企業での面接を経ての利用となり、常用雇用とは別の契約書を結んでの就労となります。
当然ですが、ハローワークを通す必要があります。
ハローワークにはこのような取り組みがあることを是非、覚えておいて下さい。
まとめ
ここまでハローワークを障害者が活用する為の基本的な手順や、ハローワークの行っている取り組みについて書いてきました。
ポイントをまとめると、
・ハローワークとは、就職を目指す方に向けて、無料で職業紹介や就労支援サービスを行う職業紹介所
・自分がどのように仕事を探すか決めかねているときは、総合窓口に行くと良い
・ハローワークには総合窓口の他に障害者専用窓口が用意されていて、相談員が障害者の希望に基づき、職業紹介をしてくれる
・障害者に限らず、求職者にとってハローワークを利用することは様々なメリットがある
・精神障害者の方は精神トータルサポーターの方に相談出来るようになっている
・ハローワークを利用する際に予約は不要。必須持参物も不要。但し、障害者手帳、主治医の診断書を持っている場合は持参すると良い
・自宅等でもインターネットでハローワーク求人を検索をすることが可能
・ジョブコーチ支援
・トライアル雇用
といったことが挙げられます。
障害者に限らず、ハローワークは求職者にとって欠かせない機関ですので、仕組みを知っていて損はありません。
ハローワークの仕組みをしっかりと理解し、就職活動を行うことで、就職がよりしやすくなります。