自立訓練(生活訓練)のプログラム内容と利用方法について解説!
更新日:2023年12月19日
自立訓練(生活訓練)は、障害のある人が病院や施設での生活から離れ、自立した日常生活や社会生活を送れるようになるために必要な訓練や支援を行う福祉サービスのことです。この記事では、自立訓練(生活訓練)の事業所の種類や利用できる対象者、利用料金、プログラムの内容、利用方法などについて紹介します。
目次
自立訓練(生活訓練)とは
自立訓練(生活訓練)とは、障害のある方が自立した生活を送るのに必要な能力を向上させるための訓練や支援などを行う障害福祉サービスです。
自立訓練(生活訓練)の対象者
自立訓練(生活訓練)が受けられる対象者は、以下の通りです。
地域生活を営む上で、生活能力の維持や向上などのために、一定の支援が必要な知的障害のある方や精神障害のある方。具体的には次のような方です。
①入所施設や病院を退所、退院した方で、地域生活へ移行する上で、生活能力の維持や向上などのために支援が必要な方
②特別支援学校を卒業した方や継続した通院により症状が安定している方などで、地域生活を営む上で生活能力の維持や向上などに支援が必要な方など
自立訓練(生活訓練)利用にかかる料金
自立訓練(生活訓練)の本人負担分については、世帯収入の状況に応じて4つの区分に分けられていて、区分ごとにそれぞれ負担の上限月額が定められています。
所得を判断する世帯の範囲は以下のとおりです。
・ 20歳以上:障害のある方とその配偶者
・ 20歳未満:保護者(扶養義務者)の属する住民基本台帳での世帯
・ 18歳以上で通所:障害のある方とその配偶者
ただし、負担上限月額よりもサービスに係る費用の1割負担の金額の方が低い場合には、その金額を支払います。その他に食費や光熱水費についての実費負担があります。
自立訓練(生活訓練)を 利用できる期間
自立訓練(生活訓練)が利用できる期間は、原則として最長で2年です。2年を超えて利用するには、住んでいる市区町村に申請し、審査で必要性が認められた場合に限り最大で3年まで利用できます。
自立訓練(生活訓練)と自立訓練(機能訓練)の違い
・自立訓練(生活訓練)と自立訓練(機能訓練)の共通点
障害のある方が自立した生活を目指していく
・自立訓練(生活訓練)と自立訓練(機能訓練)の違い
自立訓練(生活訓練)は、「生活能力」に焦点を当て、「生活能力」の維持・向上を目標にします。
それに対して自立訓練(機能訓練)は、「身体機能」に焦点を当て、「身体機能」の維持・向上を目標にします。
具体的には、自立訓練(機能訓練)では、理学療法士や作業療法士によるリハビリテーションを中心に、身体機能の維持・向上を目指します。歩行、寝返りなどの基本動作から、家事に必要な動作や話すための訓練を行います。
自立訓練(生活訓練)のプログラム内容
自立訓練(生活訓練)のサービス内容は、「入浴や排せつ、食事などに関する自立した日常生活を営むために必要な訓練」と「生活に関する相談および助言その他の必要な支援」です。
実施されるプログラムは事業所ごとに異なるため、自分が必要としているプログラムを行っている事業所を探して利用するとよいでしょう。主なプログラムの例としては次のようなものがあります。しかし、利用者一人ひとりの状況によって、利用計画を作成するため人によってプログラムの内容は違ってきます。
日常生活能力を高める訓練
・入浴や排せつ、食事や料理、洗濯、掃除といった家事の仕方など日常生活に必要な行動の訓練や支援を行う。
・お金の使い方や季節に合わせた体調管理法など、生活をする上で必要なスキルを学ぶ
精神面の自己管理能力を高める訓練
・自分の障害や疾患について理解する。
・自分の特性(得意なことやできないこと)について理解する。
・自分の障害や特性について他の人に伝えられる練習をする。
・ストレスをコントロールする方法を学ぶ。
・リラクゼーション法を身につけることで、ストレスを予防したり軽減したりできるようにする。
・興味、価値観、過去の経験などを振り返り整理することで、自己理解を深める。
コミュニケーション能力を高める訓練
・他の人の意見を聴いて意図をくみ取るスキルと、自分の意思や考えを相手に伝える(発信)スキルを習得する。
・挨拶と返事の大切さを学ぶ。
・非言語コミュニケーションの仕方を学ぶ。
・ゲームを通してコミュニケーション能力を向上させる。
レクリエーション
・ダンスプログラム
・カラオケ
・ゲーム大会
・ウォーキング
地域生活への移行支援
・地域コミュニティにおけるマナーやルールを守るための訓練や支援。
・バスや電車などの交通機関を利用するための訓練や支援。
・銀行や郵便局、役所などを利用するための訓練や支援。
・医療機関を受診するための訓練や支援。
・住居の確保、引っ越しなどについてのアドバイスや支援。
・就職活動に入る前の段階での準備。
・就職後に必要なビジネスマナーや就労スキルの習得。
自立訓練(生活訓練)事業所の種類
自立訓練(生活訓練)の事業所には、次のような種類があります。自身の状況に合わせて選びましょう。
通所型自立訓練(生活訓練)
自立訓練(生活訓練)の通所型は、自宅から訓練が受けられる事業所に通って訓練を受けるタイプの福祉サービスです。通所型の事業所では、午前中から夕方まで訓練が行われることがほとんどです。(事業所によって開始時刻や終了時刻は異なります)
訪問型自立訓練(生活訓練)
自立訓練(生活支援)の訪問型は、病院から退院したばかりで事業所に通所するのが困難な方や集団が苦手な方、引きこもりがちの方などの自宅に事業所のスタッフが訪問して、訓練や支援を行います。
宿泊型自立訓練(生活訓練)
自立訓練(生活訓練)の宿泊型は、日中は仕事をしている方や、障害福祉サービス事業所、デイケアなどを利用している方に対し、夜間の宿泊場所を提供して帰宅後の食事や家事などの生活能力向上のための訓練を行います。
通所型や訪問型の自立訓練(生活訓練)が利用できる期間は原則2年、最大で3年ですが、宿泊型では、原則1年で利用開始から3か月ごとに利用継続の必要性についての確認が行われます。
多機能型事業所
多機能型とは、自立訓練(機能訓練)、自立訓練(生活訓練)、生活介護、就労移行支援、就労継続支援A型、就労継続支援B型、児童福祉法に基づく児童発達支援、医療型児童発達支援、放課後デイサービス、保育所訪問支援の事業のうち、2つ以上の事業を一体的に行う事業所のことです。
自立訓練(生活訓練)は、就労移行支援や就労継続支援と組み合わせて行われるケースが多くあります。
自立訓練(生活訓練)を利用する方法・流れ
自立訓練(生活訓練)のサービスを利用する際の方法や流れについて紹介します。
1.利用する事業所を決める
自立訓練(生活訓練)を利用するにはまず利用したい事業所を決めましょう。実際に事業所を訪問して雰囲気を確かめたり、どんなサービスを受けられるのか話を聞いてみたりしてから、自分が利用したい事業所を選びましょう。相談会や見学会、体験会を開催している事業所も多いので、確認してみると良いでしょう。
住んでいる地域にある自立訓練(生活訓練)事業所については、市区町村の障害保健福祉窓口に問い合わせるか、相談支援を行っている障害福祉サービス事業所に相談すると教えてもらえます。また、ホームページに事業所の情報が掲載されている都道府県や市区町村もあります。
2.障害福祉サービスの支給申請を行う
利用したい事業所が決まったら、事業所に利用したい旨を伝えます。その時にいつ頃から利用できるかを確認します。
利用を開始する時期が決まったら、障害福祉課など市区町村の窓口で障害福祉サービスの利用を申請します。手続きについては、利用予定の事業所のスタッフがサポートしてくれるケースがほとんどなので心配ありません。
申請の際には、「障害者手帳」や「自立支援医療受給者証」、医師の「診断書」や「意見書」など、障害があることを確認できる書類の提出が求められます。手元に必要な書類がない場合は、事前に通院している病院で「診断書」や「意見書」をもらっておきましょう。
3.契約と利用開始
全ての書類を提出すると、市区町村の認定会議でサービスを支給するかどうかの審査が行われます。申請から利用開始までは、障害の状況などの確認や、自立訓練(生活訓練)サービスの利用計画の作成などがおこなわれるため、1~2ヶ月かかることもあります。
支給が決定したら、利用を予定している自立訓練(生活訓練)事業所に支給開始日を連絡して契約日を決めます。「受給者証」が発行されたら、事業所と契約を行います。
受給者証を持参して事業所に行って、契約に際しての重要事項などの説明を受けて契約書類を交わします。利用に関して不安なことや質問があれば、この場で確認するとよいでしょう。
自立訓練(生活訓練)と他福祉サービスの違い
自立訓練(生活訓練)と就労移行支援の違い
自立訓練は、生活全般にわたる自立を目指すもので、日常生活の基本スキル獲得に重点を置きます。一方、就労移行支援は、障害を持つ人々が一般就労を目指し、職業スキルや働くための態度を学ぶプログラムです。就労移行支援は職業的な側面に特化しています。
自立訓練(生活訓練)とデイケアの違い
自立訓練プログラムは、個々人のニーズに合わせて日常生活スキルを向上させることを目的としています。これに対し、デイケアは、社会的な交流やレクリエーション活動を通じて、精神的な安定や社会参加を促すサービスです。デイケアは精神健康の維持に重点を置いています。
自立訓練(生活訓練)と就労継続支援の違い
自立訓練では、日常生活での自立を目指しますが、就労継続支援は、障害がある人が働き続けることをサポートするサービスです。就労継続支援は、職場でのサポートや働きやすい環境づくりに焦点を当てており、職業生活に特化した内容となっています。
自立訓練(生活訓練)と自立生活援助の違い
自立訓練は、個人が日々の生活において自立するためのスキルを身に着けることを目的としています。自立生活援助は、障害のある人が自分の住まいで自立した生活を送るための実践的な支援を提供します。自立生活援助は、実際の生活環境での支援に重点を置いています。
自立訓練(生活訓練)と共同生活援助の違い
自立訓練プログラムは、個々の生活技術の向上に焦点を当てていますが、共同生活援助(グループホームサービス)は、障害を持つ人々が共同で生活する環境の中で、日常生活の支援を受けることを目的としています。共同生活援助は、共生と社会参加を促進することに特化しています。
まとめ
自立訓練(生活訓練)は、障害のある人が自立した日常生活や社会生活をおくるために必要な訓練や支援を行う福祉サービスのことです。日常生活能力を高める訓練や精神面の自己管理能力を高める訓練、コミュニケーション能力を高める訓練などのプログラムが行なわれますが、具体的な内容は事業所によって異なるので事前に確認しましょう。
利用する自立訓練(生活訓練)事業所を選ぶ際には、プログラムの内容の他に、事業所の雰囲気が自分に合っているかも大切です。気になる事業所があれば見学会や体験会の参加してみましょう。
atGP(アットジーピー)の就労移行支援サービス atGPジョブトレとは?
最後に業界NO.1の実績を誇るatGPが展開する就労移行支援サービス、atGPジョブトレをご紹介します。
特色あるジョブトレのコース
atGPジョブトレの一番の特徴はなんといっても、各種障害に適したコースが設置されていることです。2021年現在では以下の5つのコースを設置しています。
うつ症状コース:うつ病、躁うつ病などに特化した症状理解、ストレスマネジメント、アンガーマネジメント、認知行動療法など
発達障害コース:発達障害に特化した障害特性の理解、タスク管理、時間管理、感覚過敏・鈍麻対策、適職発見など
統合失調症コース:統合失調症に特化した症状理解、服薬管理、自分ヒストリーなど
聴覚障害コース:中途失聴および手話話者それぞれの聴覚障害に特化した症状理解、ビジネスコミュニケーション、など
難病コース:難病に特化した症状理解、服薬管理、アンガーマネジメントなど
障害が違えば、できることや困りごとも違います。atGPジョブトレではそれぞれの障害ごとに適した訓練内容を提供するのが当たり前と考え、上記の5つの障害に特化したコースを設置しています。
atGPジョブトレの就職率は平均の7倍
厚生労働省による調査では全国の就労移行支援事業所の年間の就職人数(2019年)は3.4人、それに対してatGPジョブトレの年間の就職人数は24名で、なんと約7倍!という実績です。
どの年代の人が転職に成功しているか
ジョブトレのサービスを利用して転職した人の年齢分布には偏りが少ないのが特徴です。つまり、20~50代の幅広い年齢層の方を転職に導いているということがいえます。
20代:32%
30代:35%
40代:31%
オフィスワークに強いジョブトレ
ジョブトレの利用者の事務職(営業、経理、総務など)での就職率はなんと94.5%(2019年9月~2020年8月の就職データより)という高いパーセンテージを誇ります。ジョブトレで訓練を受けた利用者がいかにオフィスワーカーを求める事業所対してアピール力があるかを示す数値となっています。
どんな業種に就職できるのか
ジョブトレの利用者はどんな業界に就職しているのか、自分が希望する業界への就職実績は気になるところです。ジョブトレでは以下の幅広い業種への就職実績があります。
(2019年9月~2020年8月の就職データ)
・サービス
・人材
・金融
・官公庁・公社・団体
・ソフトウェア・通信
・メーカー
・鉄道・航空・運輸
・医療・福祉・教育
・その他(商社・不動産・マスコミなど)
就職後も万全のフォロー体制
就職後の定着率が課題とされる障害者の就労ですが、atGPジョブトレからの就職者の就職から半年間の定着率は91.4%(2019年度実績)を達成しています。ジョブトレでは就職することが目標ではなく、就職後安定して、充実感を感じながら働き、その人らしい社会参加やライフスタイルを実現することを大切にしています。
多くの利用者が満足する訓練内容
利用者への就職後のアンケートでは、実に86.6%の方が「atGPジョブトレに通所した経験が役立っている」と回答しています。ジョブトレでは、実際に仕事で役に立つことが実感できる訓練の提供をおこなっています。
ジョブトレの実績の詳細はこちらからご確認ください