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精神科デイケアとは?利用目的や対象者、料金について解説

更新日:2024年11月21日

精神科デイケアってどんなところ?

日本の精神障害者は近年増加傾向にあります。厚生労働省の統計によりますと、2000年には外来・入院患者合わせて約200万人だった精神障害者数が、2015年には約400万人と倍増しています。この原因として長年の不景気からくる経済的困窮や、核家族化による家族の社会的孤立などが考えられますが、実際のところは精神保健に関する啓蒙や理解が進んだことから受診した結果精神疾患と診断されるケースが大きく増えたことが大きな要因となっています。そんな現状で、日本の精神保健医療で注目されているのが精神科デイケアなのですが、精神科デイケアとはどんなところでどんなサービスをしてくれるのか、今回は精神科デイケアについて詳しくご紹介していきます。
 

精神科デイケアとは

精神科デイケアとは、精神科病院や精神科診療所が開設している通所型リハビリテーションのことで、昭和49年に開始されています。

 

精神科デイケアでは日中約6時間のケア時間中、精神疾患の回復促進や再発防止、社会復帰のためのリハビリテーションなどのために様々な療法やプログラムがおこなわれます。

 

同じ精神科が開設するものとして、時間帯が違うナイトケア(午後4時以降で4時間)、デイナイトケア(10時間)、ショートケア(3時間程度)があります。

精神科デイケアの利用目的

精神科デイケアの利用目的について厚生労働省の統計を参照すると、以下のような回答が出ています(%は「開始時」のみの約数としています)。

参考:厚生労働省 精神科デイケア等について

 

上位の利用目的を見てみますと1位が「生活リズムの維持」で、デイケアに通所すること自体が目的と言ってよいでしょう。

 

多くの精神疾患では生活リズムの乱れが見られますが、仕事をしていなかったり、することがなければ生活リズムを維持するのは困難になります。

 

2位が「再入院・再発予防」となっており病気の悪化や再発の予防策としてデイケアを利用しており、精神疾患における再発率が高いことを示しています。

 

第3位は「集団に慣れる」でこれも精神疾患では対人関係が苦手になることが多く、ストレスになります。

 

デイケアになるとそもそも他の精神障害者やスタッフと交流することになり、プログラムにもグループワーク的な要素が多く含まれていますので良い効果があると思われます。

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精神科デイケアの利用対象者と実施場所

正社員以外の働き方の画像

精神科デイケアの利用対象者

精神科デイケアの利用対象者ですが、各デイケアによって利用条件などは変わってくるものの入院患者ではなく、通院患者や現状では通院してなくても精神科デイケアのプログラムを利用する意思がある方を対象としています。

 

精神疾患では統合失調症患者が多いためそれらを対象としたプログラムも多いようですが、それ以外のうつ病や薬物依存症、その他の精神疾患に対応しているかは個々の精神科クリニックによって変わってくるので、それぞれのデイケアに問い合わせてみる必要があります。

 

多くのデイケアでは利用希望者がある場合、最初に面接やオリエンテーションを行ないます。一度、参加してみて自身の希望に合うことを確認した上で利用を決定します。

精神科デイケアの実施場所

・病院(単科病院、総合病院)

病院は単科病院と総合病院があります。病床が20床以上で病院、100床以上で総合病院となります。この場合の単科病院というのは精神科のみの単科、つまり精神科病院のことです。

病院が設置する精神科デイケアは病院の規模が大きくなれば定員やスタッフも多くなり、対象となる障害が多くなり、プログラムも豊富になる傾向があります。

 

・精神科クリニック

クリニックというのは診療所の別称です。医院とよばれるところも同じで、病床が20床以下、クリニックによっては病床がないというところもあります。クリニックが設置する精神科デイケアは規模は小さくなりますが、その分、病院の精神科デイケアよりも利用者も少なく、アットホームな雰囲気があります。

 

・心療内科クリニック

一般的には精神科との区別がわかりにくい心療内科ですが、こころの病による身体的症状を治療するのが心療内科で、心的症状を治療するのが精神科です。こちらでも精神科デイケアを実施しているクリニックがあります。

 

・保健所

保健所は都道府県、政令指定都市、中核都市によって設置される地域住民の健康や衛生に関する相談や医療機関、市町村により設置される保健センターなどと連携を取り活動の調整業務をおこなう公的機関です。

 

現在では、精神科病院や精神科クリニックが開設しているデイケアが多いため、保健所で開設しているデイケアは一時期に比べ非常に少なくなっています。地域の保健所で精神科デイケアを開設しているかどうかは、直接電話したり、ホームページ等で確認する必要があります。

 

・精神保健福祉センター

精神保健福祉センターは、都道府県と政令指定都市に設置される地域住民の精神保健福祉に関する活動を専門におこなう公的機関です。こちらも保健所同様、精神科デイケアを設置しているかは直接、電話したり、ホームページ等で確認する必要があります。

精神科デイケアの利用料金

精神科デイケアの利用料金は自治体などによって料金が変わってきますが、おおむね以下のとおりです。

 

大規模デイケア:一日8000円前後

小規模デイケア:一日6000円前後

 

実際のところ、上記の料金から保険適用なら3割負担、自立支援医療の対象なら1割負担(生活保護、非課税世帯は無料)となります。

精神科デイケアのプログラム内容

精神科デイケアでは、患者の持つ精神疾患に合わせて、おおむね以下の様なプログラムが行われます。

 

・文科系レクリエーション

・運動系レクリエーション

・作業系プログラム

・生活援助プログラム

・SST(生活技能訓練)

・心理教育(当事者・家族)

・就労支援グループワーク

・導入期グループワーク

・その他

 

精神疾患の種別によってさまざまなグループ活動やコミュニケーショントレーニング、集中力を高めるための作業や遊び、認知行動療法などが展開されます。

 

文科系レクリエーションとしては料理、園芸、工作、音楽鑑賞などの創作・趣味活動などがあります。

 

運動系レクリエーションとしては、室内でできるヨガ、ダンス、卓球、バレーボールなどのスポーツが多く、施設によっては屋外でのスポーツができるところもあります。

 

精神障害者のデイケアとして特殊なものはSSTなどの認知行動療法などの心理療法、病気や障害への正しい理解をし対処の仕方を知る心理教育などがおこなわれます。

 

また精神障害者の方の就労支援として、PCスキル向上、応募書類作成、就労支援機関の活用などをおこなう施設もあります。

 

このようなプログラムには、大別すると、障害の症状や特性に応じて個別におこなうものと、他者との関わりから生じる相互作用を活用したグループワーク(小集団での活動)があります。同じ障害を持つ人たちと仲間として交流し、課題を解決していく過程で、自身の成長に繋げていく方法です。

就労移行支援事業所との違い

精神科デイケアと就労移行支援事業所のプログラムは似ている部分があります。精神科デイケアにも就労支援のプログラムがある施設もあり、逆に就労移行支援事業所でもグループワークを利用したプログラムがあります。

 

しかしながら、就労移行支援事業所と精神科デイケアの大きな違いは、就労移行支援事業所はあくまで障害者総合支援法上の訓練給付サービスであり、精神科デイケアは自立支援医療という医療サービスに属しています。

 

つまり、就労移行支援サービスは就労を希望する障害者への訓練に特化したサービスです。利用者の希望や適性に合った働き方ができるよう、支援計画を立てながら専門的なスキルやノウハウを習得していきます。また施設内のプログラムだけではなく、一般事業所との橋渡しや、就職に関わる情報やアドバイスがもらえたり、就職後のアフターケアまでもがサービスに含まれています。

 

サービスの専門性と目的が精神科デイケアの就労支援プログラムとは大きく違うといえます。

 

一方で、精神科デイケアの就労支援プログラムはあくまでも数あるプログラムのうちの一つで、それに対する興味がある人におこなう初歩的なレベルのものといってよいでしょう。

 

通っていく中で就労への意欲がわいたりすれば、別途、就労系のサービスを利用するステップとなるのです。

精神科デイケアと就労移行支援との併用は可能か

精神科デイケアと就労移行支援との併用は可能

精神科デイケアと就労移行支援のサービスは、必要であれば併用することが可能です。一般事業所での就労を希望するのであれば、就労移行支援は受けるべきサービスです。

 

どちらのサービスも事前に担当者と相談すれば、どれくらいの頻度で利用するかは利用者の意思次第ですので、その適切な割合についてもしっかりと担当者に相談するとよいでしょう。

 

精神科デイケアから就労移行支援に徐々に切り替える

一般的には、精神科デイケアを利用するのは社会的リハビリテーションですので、まずこちらで自身をコントロールしたり、人との関わりに慣れるためのプログラムを受けるようにします。

 

日常生活に慣れてきて、就労に意欲が出てきたら徐々にデイケアと就労支援サービスの頻度を入れ替えていくような利用の仕方がよいでしょう。

精神科デイケアと就労移行支援事業所を併用するメリット・デメリット

 

<精神科デイケアと就労移行支援事業所を併用するメリット>

 

スキルの学び分けができる

精神科デイケアと就労移行支援を併用するメリットとしてまず、スキルの学び分けができることが挙げられます。

 

就労移行支援は、その名のとおり一般事業所での就労に向けた支援であることから、それらに必要なPCスキル、ITスキル、その他ビジネスマナーや面接採用試験などへの準備に必要な学習などは、就労支援のサービスを利用しましょう。

 

一方で、対人コミュニケーションやチームワークに関するグループワークなどは精神科デイケアのプログラムを利用するとよいでしょう。

 

また、精神科デイケアは精神障害に特化したサービスですので、精神障害に関するプログラムや専門的な相談はこちらでするほうがよいでしょう。

 

就労移行支援事業所の職員配置によっては、必ずしも精神障害やその他の障害そのものに専門性があるとは限らないからです。

 

就労訓練などでの心身への負担をケアできる

精神科デイケアと就労移行支援を併用する場合、就労移行支援のサービスが一般事業所で通用するスキルを習得するプログラムがメインとなるために、どうしても人によってはストレスを感じたり、疲れやすく体力の消耗を感じたりすることがあります。

 

そのような場合、精神科デイケアのプログラムで、疲労のケアや生活リズムの調整ができるプログラムを受けることで、心身への負担を軽くできるメリットもあります。

 

相談先が増える

また両方のサービスを併用することによって、精神障害の専門家と障害者の就労の専門家の両方の意見を聞きながら、今後の就労に向けた準備をしやすくなるというメリットがあります。

 

<精神科デイケアと就労移行支援事業所を併用するデメリット>

 

長期間のまとまった訓練がしにくい

精神科デイケアと就労移行支援を併用するデメリットとしては、どちらもある一定の期間を掛けておこなうプログラムが含まれていますので、併用しながらだと、それらをまとまって受けることができず、かえって非効率になります。

 

特に、就労移行支援の場合、利用できる期間が最大で2年間という期限がありますので、注意する必要があります。

 

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まとめ

精神科デイケアは、精神病院や精神科クリニックなどが運営するサービスで、通院の精神障害者などのうち社会的リハビリテーションを受けたい人が利用するサービスです。

 

精神科デイケアでは、各種のプログラムを用いてそれぞれの精神障害者のニーズにあったリハビリを提供していきます。

 

就労移行支援との違いは精神科デイケアはあくまでも社会的リハビリを目的としたもので、プログラムも精神障害者が社会に出るうえで最低限度必要なコミュニケーションスキルや、他者との交流に慣れるためのものが多く、本格的な就労支援サービスはおこなっていません。

 

将来的に一般事業所での就労を視野に入れている場合は、就労移行支援事業所を併用するか、精神科デイケアの利用の必要がなくなった時に就労移行支援に移行するとよいでしょう。

 

一般就労を目指す場合も、一足飛びに就労系サービスを利用するのではなく、今回ご紹介した精神科デイケアなどの利用も視野に入れて、ステップアップをしていきましょう。

atGPの就労移行支援サービス、atGPジョブトレとは?

現在精神科デイケアを利用していて就労移行支援事業所を利用したいと考えている方、精神科デイケアと就労移行支援事業所を併用したいと考えている方に、しごとLABOの運営元atGP(アットジーピー)が運営する就労移行支援事業所「atGPジョブトレ」を紹介します。

 

特色あるジョブトレのコース

atGPジョブトレの一番の特徴はなんといっても、各種障害に適したコースが設置されていることです。2021年現在では以下の5つのコースを設置しています。

 

うつ症状うつ病、躁うつ病などに特化した症状理解、ストレスマネジメント、アンガーマネジメント、認知行動療法など

 

発達障害:発達障害に特化した障害特性の理解、タスク管理、時間管理、感覚過敏・鈍麻対策、適職発見など

 

統合失調症:統合失調症に特化した症状理解、服薬管理、自分ヒストリーなど

 

聴覚障害:聴覚障害に特化した症状理解、ビジネスコミュニケーション、など

 

難病:難病に特化した症状理解、服薬管理、アンガーマネジメントなど

 

ジョブトレの就職率は平均の7倍

厚生労働省による調査では全国の就労移行支援事業所の年間の就職人数(2019年)は1施設あたり3.4人という数値が出ています。

 

それに対してジョブトレの年間の就職人数は年間24名で、なんと約7倍という実績があります。

 

どの年代の人が転職に成功しているか

ジョブトレのサービスを利用して転職した人の年齢分布には偏りが少ないのが特徴です。ジョブトレでは幅広い年齢層の方を転職に導いています。

20代:32%

30代:35%

40代:31%

50代:  2%

 

オフィスワークに強いジョブトレ

ジョブトレの利用者の事務職(営業、経理、総務など)での就職率はなんと94.5%(2019年9月〜2020年8月の就職データより)という高いパーセンテージを誇ります。

オフィスワークに強いことがジョブトレの強みであることがわかる数値となっています。

 

ジョブトレから就職できる業種

以下、ジョブトレの過去の利用者がどんな業界に就職したのか見てみましょう。ジョブトレでは以下の幅広い業種への就職実績があります。

(2019年9月~2020年8月の就職データ)

・サービス

・人材

・金融

・官公庁・公社・団体

・ソフトウェア・通信

・メーカー

・鉄道・航空・運輸

・医療・福祉・教育

・その他(商社・不動産・マスコミなど)

 

就職後も万全のフォロー体制

障害者の就労では、就職後の定着率が課題とされていますが、ジョブトレからの就職者の半年間の定着率は91.4%(2019年度実績)を達成しています。

 

ジョブトレでは就職することが目標ではなく、就職後安定して充実感を感じながら働き、その人らしい社会参加やライフスタイルを実現していただきたいと願っています。

 

多くの利用者が満足する訓練内容

就職後のアンケートでは、実に利用者の86.6%の方が「atGPジョブトレに通所した経験が役立っている」と回答しています。ジョブトレの訓練は実際に仕事で役に立つことが実感できるという回答を多くいただいています。

 

atGPの就労移行支援サービス、atGPジョブトレの全容は以下のリンクをご覧ください

→ 障害別コース制の就労移行支援サービス|atGPジョブトレ

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ライター:atGPLABO編集部(監修:戸田重央)

障害者専門の人材紹介として15年以上の経験とノウハウを活かし、障害者の雇用、就労をテーマとした情報発信活動を推進しています。 【監修者:戸田 重央プロフィール】 株式会社ゼネラルパートナーズ 障がい者総合研究所所長。 企業の障害者雇用コンサルタント業務に携わった後、2015年より聴覚障害専門の就労移行支援事業所「いそひと」を開所、初代施設長に。 2018年より障がい者総合研究所所長に就任。新しい障害者雇用・就労の在り方について実践的な研究や情報発信に努めている。 その知見が認められ、国会の参考人招致、新聞へのコメント、最近ではNHKでオリパラ調査で取材を受ける。 聴覚障害関連で雑誌への寄稿、講演会への登壇も多数。

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