障害者向けのハローワーク求人票と、その見方のポイントについて
更新日:2023年02月13日
就職先を検討する時に多くの方が活用されるのが、ハローワークと呼ばれる公共職業安定所です。就職先を探す側も人員を探す企業側も無料で利用することが可能であり、企業の求人票の閲覧はもちろんのこと、就職活動に必要な面接の指導や履歴書の書き方の指導、また自分に合った職場の相談や助言を受けることも出来る場所です。今回は、このハローワークで閲覧出来る求人票の見方と、障害者用の求人票のポイントについてご紹介していきたいと思います。
目次
ハローワークの求人票
ハローワークで求人票を閲覧するには、まず求職申込書を記入しなければなりません。
自分の氏名と生年月日、現住所、もし持っている資格がある場合はその旨を記入します。
今までの職歴や、希望する職種などを明記して求職者登録を行います。
ハローワーク内でのパソコンのインターネットを利用しながら、自分が希望する職種の検索を行います。
検索は、職種からの他にも勤務地や雇用形態からでも探すことが可能です。
自分の希望に合う求人が見つかった際には、ハローワークの職員の方に相談をして紹介状を発行してもらいます。
では、この時に活用する求人票にはどのようなことが記載されているのでしょうか。
一つ一つ確認していきたいと思います。
①表面
求人票の表面には、まず一番上にこの求人が受付された年月日とその隣に紹介期限日が記されています。
ここで注意して確認すべきは紹介期限日です。
この紹介期限は、もし応募者が多い場合は前倒しで締め切りになってしまう可能性があります。
特に企業側が期限を設けていない場合に関しては、この受付年月日の翌々月の末日が期限です。
もし気になる求人がある場合は担当者に相談をして、早めに応募しておきましょう。
次に、この求人の就業場所が記載されています。
ここで気をつけるべきところは、この就業場所と会社の所在地が異なる場合があるということです。
会社の所在地は、求人票の会社名のすぐ下に記されていますので、こちらも必ず確認しておくようにしましょう。
就業場所と会社の所在地が同じ場合は、その旨が書かれていることが多いです。
次に、仕事の内容について記されています。
まず職種名、そして細かい仕事内容です。
自分の希望している職種で間違いないかを確認した後は、どのような仕事内容なのかを確認しておきましょう。
この内容の部分については、企業によって細かく記載されている所とそうでない所で差があります。
疑問に思うことがある場合は、ハローワークの担当者を通して企業側に確認してください。
次に、この求人の雇用形態が記載されています。
この部分も、よく確認しておかなくてはならないポイントです。
ハローワークの求人票の雇用形態は、大きく分けて四種類に分類されています。
まず正社員、そして契約社員などの正社員以外、常用型派遣労働者、登録型派遣労働者です。
自分の希望している雇用形態かを確認した後は、その隣の欄の雇用期間についても確認をしておきましょう。
求人票によっては、最初から期間が決められている場合があります。
そうでない場合は、雇用期間の定めなしと記載がされています。
もし雇用期間が決められている場合の契約更新については、備考欄に記載がされていることがあります。
こちらにも記載がされていない場合は、直接企業側に確認をしておきましょう。
次の項目からは、企業側が求めることが記載されています。
求める学歴・求める経験・免許・資格です。
必須のものもあれば、持っていれば優遇される資格などもありますので、自分はこの条件をきちんと満たしているかを確認してください。
次に、賃金などの金銭面のことが記載されています。
こちらの項目は、多くの応募者が一番重要視する項目になってくるでしょう。
後にトラブルになるのを避けるためにも、きちんと確認しておく必要があります。
まず、基本給、そして定期的に支払われる手当の金額が記載されており、この二つを合計させたものが金額として打ち出してあります。
その他、該当する場合にのみ支払われる手当に関してはこの合計には加算されません。
別欄に記載がされていますので、もし該当する場合はこの金額が加算されたものが自身の賃金の目安になります。
金銭面に関してはこの他に、賃金形態が記載されています。
月給制、日給制、日給月給制、時間給制などのに分類されます。
ここで注意すべき点は、月給制に関してはもし会社を休んでしまった場合でも賃金に影響が出ることはありませんが、日給月給制は欠勤してしまった場合、その分の金額は差し引かれてしまいます。
また、昇給と賞与、この部分に関しては企業側の過去の実績となりますので、実際には異なる可能性があるということを念頭に置いておく必要があります。
金銭面に関しては働く上で最も大切な事柄ですので、不安や疑問がないようにしておきましょう。
次に大切になってくる項目は、就業時間です。
自分の考えている範囲内の時間であるかどうか、または時間外勤務の確認もしておきましょう。
残業などのない企業を選択したい場合は、時間外勤務なしの記載がある企業を選択するようにしてください。
この就業時間が複数記載されている場合は、交代制でどの時間の就業でも可能な状態にしておかなくてはならないものと、複数の時間から一つを選択するものがありますので、こちらも確認する必要があります。
そして休日の欄ですが、きちんと休日が決められているパターン、事業所カレンダーによるパターンなどがあります。
年間休日数も記載されていますので、こちらと一緒に確認しておくと良いでしょう。
その他、入居可能な住宅の有無、託児所の有無が記載されています。
もし検討している方はこの欄もしっかりとチェックしておきましょう。
従業員の人数や男女比率も、あらかじめ確認しておくことによって実際に入職してからのイメージが湧きやすくなります。
表面の最後には、選考方法などが記載されています。
主な選考方法は面接・書類選考になりますが、企業によってはプラス筆記試験が実施される場合もあります。
選考結果の通達方法やかかる日数も記載されていますが、こちらは応募者の人数によっては早まることや、逆に選考が難航した場合は遅れてしまう場合もあります。
試用期間の有無、労働条件、そして特記事項の欄がありますので最後まできちんと確認しておきましょう。
「自分一人で転職活動・就職活動を続けていくのは大変だなぁ・・・」
→障害者専門のエージェントに相談するという方法もあります。あなたにあった求人を紹介してくれたり、面接対策など障害者専門のエージェントだからこそのきめ細かなフォローをしてくれて、二人三脚で転職活動を進めることができます。
②裏面
求人票は、表面だけではなく裏面までチェックするようにしてください。
裏面には、就業場所と、面接や試験が行われる選考場所の地図、また企業の採用担当者の連絡先と氏名が記載されています。
地図は縮小されている場合がありますので、確認が出来ない時は新しいものを用意してもらえる場合がありますので相談してみてください。
障害者向けの求人票
障害者の方のための求人票には、「求人票」(フルタイム)などの文字の隣に(障)の記載があります。
また、特記事項の中に企業側が用意できる合理的配慮事項が記載されている場合がありますので、こちらにも目を通すようにしましょう。
例えば、企業側にバリアフリーが適応されている、電話対応の配慮があるなどです。
自分の障害と照らし合わせて確認しましょう。
希望の求人が見つかった場合もすぐに応募するのではなく、その企業が他には求人を出していないかを調べてみてください。
場合によっては、雇用形態の違うパターンでの求人が出ている可能性があります。
一つだけを見て判断するのではなく、他に違うパターンでの求人は出ていないかをきちんと確認して、自分のライフスタイルと照らし合わせながら吟味してください。
ハローワークの求人票には、記載できる分量が決まっています。
企業によっては仕事内容など、情報が不十分な場合もあるでしょう。
そのような時は、実際に企業のホームページの「障害者採用情報」を閲覧するか、または障害者専門の求人情報サイトに求人が出ているのであれば、そちらでも確認をしておきましょう。
求人票に書かれている情報が全てとは限りません。
例えば、賃金に幅がある場合はあくまで目安として考えるようにしてください。
最終的な金額は、自分自身の持つスキルや経験によって決定される場合があるからです。
また、自身が通院している場合などは休日や就業時間もよく確認をしておかなくてはいけません。
例えば、週休二日とは必ずしも一週間に二日、休日が確保されているという意味ではありません。
もしそのような休みを希望する場合は、完全週休二日の求人を探す必要があります。
会社の特徴欄には、これまで採用してきた障害者の人数や障害の種類について記載している企業もありますので、ぜひこれらを参考にしてみてください。
ハローワークの求人票は、情報が少ない場合もあります。
だからこそ、この情報だけを鵜呑みにするのではなくて、自分自身でも情報収集を行うことが大切です。